富士機工株式会社 2008年3月期の動向
ハイライト
業績 | (単位:百万円) |
2008年 3月期 |
2007年 3月期 |
増減率(%) | 要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 116,324 | 106,366 | 9.4 | -ステアリング部品事業における(株)ジェイテクト、シート部品事業における(株)タチエスとのシナジー効果。 |
営業利益 | (43) | (206) | - | -品質改善の取り組み、原価低減活動等各種合理化努力等による増益はあったものの、改正後の法人税法に基づく減価償却方法への変更に伴う国内における減価償却費の増加、海外における北米ステアリング事業の大幅な売上減少の影響を吸収しきれず減益。 |
経常利益 | (1,959) | (691) | - | -為替変動の影響により為替差損を計上したこと並びに支払利息負担の増加等。 |
当期純利益 | (3,411) | 274 | - | - |
-ステアリング部品事業 | ||||
売上高 | 52,395 | 48,889 | 7.2 | -(株)ジェイテクトとのシナジー効果による新車立上がりが寄与。 |
営業利益 | 214 | (906) | - | -北米ステアリング事業の大幅な売上げ減少。 |
-シート部品事業 | ||||
売上高 | 42,087 | 31,295 | 34.5 | -主要得意先の既存車種の生産台数減少等の影響はあったが、(株)タチエスとのシナジー効果による新車立上がりが寄与。 |
営業利益 | 1,534 | 154 | 895.4 | - |
-シフター部品事業 | ||||
売上高 | 7,923 | 9,898 | (20.0) | -主要得意先の新車立上がり寄与はあったものの、既存車種の生産台数減少等が影響。 |
営業利益 | (131) | (17) | - | - |
-機関駆動部品事業 | ||||
売上高 | 6,297 | 5,979 | 5.3 | -主要得意先の既存車種の生産台数減少はあったが、新車立上がりが寄与。 |
営業利益 | 328 | 165 | 98.9 | - |
-大型車部品事業 | ||||
売上高 | 1,720 | 1,592 | 8.1 | -得意先の新車立上がりが寄与。 |
営業利益 | 15 | 76 | 97.6 | - |
-その他自動車部品事業 | ||||
売上高 | 1,278 | 1,454 | (12.1) | - |
営業利益 | 80 | 100 | (19.9) | - |
国内動向
-2008年3月1日付で、100%子会社の若泉富士機工(株)を吸収合併。グループ経営の効率化を目的とする。若泉富士機工(株)は、同社のシフター他事業部 本庄工場の製品に関して、加工の一部を行っている。(2008年1月29日付プレスリリースより)
開発動向
研究開発費 | (単位:百万円) |
2008年3月期 | 2007年3月期 | 2006年3月期 | |
全体 | 1,301 | 1,394 | 1,460 |
自動車部品 | 1,238 | 1,371 | 1,406 |
-ステアリング部品 | 453 | 498 | 491 |
-シート部品 | 514 | 525 | 515 |
-シフター部品 | 117 | 168 | 191 |
-機関駆動部品 | 101 | 116 | 132 |
-大型車部品 | 29 | 32 | 35 |
-その他自動車部品 | 21 | 29 | 40 |
-2008年3月末時点の産業財産権は、全て自動車部品事業に係るもので、総数は150件。
研究開発活動
-新たな自動車の操舵(そうだ)方式であるステア・バイ・ワイヤ(SBW)向けの安全装置として、SBWバックアップ用ケーブルコラムを開発した。SBWシステムに不具合が生じた場合、ケーブルによる機械的作動に切り替えるもので、独自のクラッチ機構により瞬時の切り替えを可能にした。ケーブル方式のため、スペース効率に優れ、SBWの特徴である衝突時の安全性を損なうこともない。自動車メーカーや部品メーカーなどへの技術提案に注力し、早期の受注を目指す。開発した装置は、SBWが故障した場合でも操舵可能な状況を保つための安全装置。筆頭株主であるジェイテクトと共同で開発した。物理的なリンク機構に細いケーブルを採用することで、レイアウトの自由度を高めたほか、確実な動作保証、シャフト類による衝突時の危険性を排除した。(2007年11月10日付日刊自動車新聞より)
-小型、軽量化を追求した新型電動チルト・テレスコステアリングコラムを開発、近く量産を開始すると発表した。小型化することで、コラム式電動パワーステアリング(EPS)との組み合わせを容易にしたほか、ドライバーの膝上スペースが拡大することで衝突時の安全性が向上する。横方向の剛性アップやモーター作動音の低減も徹底、ステアリング周りの質感向上にもメリットがあるとしている。チルト・テレスコステアリングコラムは、ステアリングホイールの上下(チルト)、前後(テレスコ)位置を任意に調整できる装置。モーターで調整する電動方式は、ドライバーごとに異なるポジションを記憶したり、乗降時には邪魔にならない位置に戻るなどの機能を付加できるため、高級車を中心に採用されており、今後は中型セダンやSUVなどにも普及すると見ている。(2007年10月22日付日刊自動車新聞より)
技術導入(2008年3月現在)
国名 | 契約先 | 内容 | 契約期間 |
ドイツ | Keiper GmbH&Co. | シートリクライニングメカニズム及びヘッドレストアジャスターの製造技術 | 1987年9月25日- 2008年4月11日 (自動継続) |
くさび使用タイプ・シートリクライニングメカニズムの特許実施権 | 1997年4月18日- 2009年3月31日 (自動継続) |
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Dr.Ing.h.c.f.Porsche AG | 自動車用自動変速機操作装置の特許実施権 | 1995年11月30日- 2009年3月9日 |
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Winkelman Pannhoff GmbH | 一体成型ドライブプレートの製造技術 | 1996年1月29日- 2009年1月28日 (自動継続) |
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リヒテンシュタイン |
ThyssenKrupp Presta AG |
ステアリング・コラムの特許クロスライセンス契約 | 2007年7月30日- 2017年4月17日 |
技術供与(2008年3月現在)
国 名 | 契約先 | 内 容 | 契約期間 |
台湾 | 台湾厚木工業股份有限公司 (Taiwan Atsugi Co., Ltd.) |
ステアリング・コラムの製造技術 | 1992年10月6日- 2008年10月5日 (自動継続) |
台湾 | 常裕富士機工股份有限公司 (Joyu-Fuji Machinery Co., Ltd.) |
ATデバイス・MTリンケージ・プーリーの製造技術 | 1996年10月8日- 2008年10月7日 (自動継続) |
タイ | Thai Steel Cable Co., Ltd. | ウインド・レギュレーターの製造技術 | 2000年1月12日から10年間 |
マレーシア | Auto Parts Manufacturers Co.SDN BHD |
シート・リクライニング装置及びシート・リフター装置の製造技術 | 2003年3月25日から5年間 (その後自動継続) |
中国 | 協富光洋(厦門)機械工業有限公司 (Shye Fu Koyo (Xiamen) Mechanical Industry Co., Ltd.) |
ステアリング・コラム及び中間シャフトの製造技術 | 2005年12月1日から5年間 (その後自動継続) |
米国 | Douglas Autotech Corporation | ステアリング・コラム及びATデバイスの製造技術 | 2006年4月1日から5年間又は該当車種の製造期間 |
米国 | Fuji Autotech U.S.A L.L.C. | シート・リクライニング、シート・リフター及びシート・スライド機構の製造技術 | 2006年4月1日から5年間又は該当車種の製造期間 |
チェコ | Fuji koyo Czech s.r.o. | ステアリング・コラム及び中間シャフトの製造技術 | 2006年4月1日から5年間又は該当車種の製造期間 |
フランス | Fuji Autotech France S.A.S. | シート・リクライニング、シート・リフター及びシート・スライド機構の製造技術 | 2006年4月1日から5年間又は該当車種の製造期間 |
インドネシア | PT. Autotech Indonesia | ステアリング・コラム及び中間シャフトの製造技術 | 2006年4月1日から5年間又は該当車種の製造期間 |
中国 | 広州富士機工汽車部件有限公司 (Fuji Autotech Guangzhou Co., Ltd.) |
シート・リクライニング、シート・リフター及びシート・スライド装置の製造技術 | 2007年1月1日から9年間 |
タイ | Summit Fujikiko Kurata Manufacturing Co., Ltd. | ステアリング・コラム及び中間シャフトの製造技術 | 2007年1月1日から5年間又は該当車種の製造期間 |
インド | Swarj Automotives Ltd. | ステアリング・コラム及び中間シャフトの製造技術 | 2008年2月28日から7年間又は該当車種の製造期間 |
台湾 | 信昌機械廠股份有限公司 (Hsin Chong Machinery Works Co., Ltd.) |
シート・リクライニング機構の製造技術 | 2008年3月18日から5年間又は該当車種の製造期間 |
設備投資
設備投資額 | (単位:百万円) |
2008年3月期 | 2007年3月期 | 2006年3月期 | ||
全体 | 9,581 | 7,165 | 6,940 | |
自 動 車 部 品 事 業 |
ステアリング部品 | 6,086 | 3,303 | 4,100 |
シート部品 | 1,286 | 3,234 | 2,164 | |
シフター部品 | 1,590 | 245 | 298 | |
機関駆動部品 | - | - | 8 | |
大型車部品 | - | - | - | |
その他自動車部品 | 618 | 382 | - |
設備の新設計画 (自動車部品生産設備) | (単位:百万円) |
会社名 事業所名 |
所在地 | 事業 | 投資予定金額 | 着手 | 完了 | 完成後の増加能力 |
富士機工 鷲津工場 |
静岡県 湖西市 |
シート部品事業、機関駆動部品事業 | 1,812 | 2007年 7月 |
2009年 3月 |
変動なし |
富士機工 新居工場 |
静岡県 浜名郡 |
ステアリング部品事業 | 1,286 | 2007年 7月 |
2009年 3月 |
約10%の能力増強 |
富士機工 本庄工場 |
埼玉県 本庄市 |
シフター部品事業、大型車部品事業 | 204 | 2007年 11月 |
2009年 3月 |
変動なし |
Summit Fujikiko Kurata Manufacturing Co., Ltd. | タイ ラヨン県 |
ステアリング部品事業 | 684 | 2008年 1月 |
2008年 12月 |
約30%の能力増強 |
Fuji Koyo Czech s. r. o. | チェコ ピルゼン市 |
ステアリング部品事業 | 662 | 2008年 1月 |
2008年 12月 |
約20%の能力増強 |
設備の改修 (自動車部品生産設備) | (単位:百万円) |
会社名 事業所名 |
所在地 | 事業 | 投資予定金額 | 着手 | 完了 | 完成後の 増加能力 |
富士機工 鷲津工場 |
静岡県湖西市 | シート部品事業、機関駆動部品事業 | 56 | 2008年 4月 |
2009年 3月 |
変動なし |
富士機工 新居工場 |
静岡県浜名郡 | ステアリング部品事業 | 141 | 2008年 4月 |
2009年 3月 |
変動なし |