八千代工業 (株) 2014年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2014年
3月期
2013年
3月期
増減率
(%)
備考
全社
売上高 251,171 238,967 5.1 1)
営業利益 9,323 5,421 72.0 -
経常利益 9,252 5,598 65.3 -
当期純利益 1,093 1,779 (38.6) -
日本
売上高 113,290 130,156 (13.0) 2)
経常利益 254 71 257.7 -
米州
売上高 59,644 45,507 31.1 3)
経常利益 2,231 397 462.0 -
中国
売上高 23,208 15,722 47.6 4)
経常利益 3,156 2,128 48.3 -
アジア
売上高 55,028 47,581 15.7 5)
経常利益 3,938 3,331 18.2 -

要因
1) 売上高
-国内、アジアでの自動車部品および自動車組立における受注の減少などはあったものの、為替換算上の影響により前年比5.1%の増収。

2) <日本>
-自動車部品および自動車組立における受注の減少により、前年比13.0%の減収。

3) <米国>
-Yachiyo Manufacturing of Alabama, LLCとUS Yachiyo Inc.における受注の増加や為替換算上の影響などにより売上高は、31.3%の増収。

4) <中国>
-八千代工業 (中山) 有限公司[Yachiyo Zhongshan Manufacturing Co., Ltd.]および八千代工業 (武漢) 有限公司[Yachiyo Wuhan Mfg. Co., Ltd.]における受注の増加や為替換算上の影響などにより、売上高は前年比47.6%増。

5) <アジア>
-Siam Goshi  Manufacturing Co., Ltd.における受注減少などはあったものの、為替換算上の影響などにより、同15.7%増。

事業再編

樹脂部品事業を強化
-樹脂部品事業を強化する計画。燃費向上に向け軽量化ニーズが高まっていることを受け、樹脂製のボディーパネル(外板)や内装部品を開発し、自動車メーカーに幅広く売り込む。自動車メーカーでは車体軽量化のため外板の一部に樹脂を採用するなど、樹脂部品の適用領域を広げている。同社は樹脂燃料タンクやバンパーで培った成形、塗装のノウハウを生かして樹脂化のニーズに対応し、2014年度からの次期中期経営計画で樹脂部品を部品事業の拡大に向けた柱の一つに育てる。(2014年2月7日付日刊自動車新聞より)

ホットスタンプ部品に参入
-ホットスタンプ (熱間プレス) 部品に参入する計画を発表。事業化を目指し、量産技術の開発に着手した。引っ張り強度が1500メガパスカルの高強度の車体骨格部品を低コストで生産する技術を確立する。ホットスタンプは設備投資が大きいものの、超ハイテン材を使った冷間プレスでは難しい、複雑な形状の部品も容易に成形できるメリットがある。同社は鋼板に電気を流して加熱する通電加熱方式を採用することにより低コスト化する。主要取引先であるホンダが、軽自動車などにホットスタンプ部品を採用し始めていることに対応し、生産技術の確立を急ぐ。(2013年12月13日付日刊自動車新聞より)

プレス部品事業をユニプレスに売却
-2014年、Yachiyo Manufacturing of Alabama, LLCで運営しているプレス部品事業をユニプレスに売却するとともに、米国ジョージア州に樹脂製燃料タンクとサンルーフの製造拠点を新設すると発表。新工場の樹脂製燃料タンクの生産能力は年産40万台で、主要顧客であるホンダのアラバマ工場向けに現地から全量供給する体制を整える。また、新工場では、北米でのサンルーフ事業拡大を見込んで、年産20万台規模のサンルーフ製造ラインを併設する。一方、ユニプレスは、八千代の板金事業を買収することで、北米での車体部品事業を強化するとともに、ホンダ向けの事業を開拓していく。(2014年3月14日付日刊自動車新聞より)

2015年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2015年3月期
(予測)
2014年3月期
(実績)
増減率
(%)
売上高 210,000 251,171 (16.4)
営業利益 7,100 9,323 (23.8)
経常利益 6,600 9,252 (28.7)
当期純利益 1,000 1,093 (8.5)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2014年3月期 2013年3月期 2012年3月期
全社 4,837 4,721 4,092

研究開発拠点

拠点名 所在地
第1研究開発部
(栃木研究所)
栃木県さくら市
第2研究開発部
(埼玉研究所)
埼玉県狭山市
合志技研工業 熊本県合志市
北米研究開発センター
(Yachiyo of America Inc.)
米国オハイオ州

研究開発活動

  • 新型車用の燃料タンクの量産化
  • 新型車用のサンルーフの量産化
  • 新型車用の燃料タンクの開発
  • 新型車用のサンルーフの開発
  • 国内・海外の排ガス規制対応の二輪車用メタルハニカム高密度セル担体の開発
  • 新構造樹脂製燃料タンクの研究と開発
  • 新型サンルーフおよび周辺技術の研究と開発
  • 自動車部品の環境対応技術の研究と開発
  • アルミ材の半凝固状態でのプレス成形技術の研究と開発
  • 福祉車両の運転補助装置の研究と開発
  • 新事業参入のための研究と開発

製品開発

燃料電池車用の樹脂製高圧水素タンクを開発中
-燃料電池車 (FCV) に搭載される高圧水素タンクの樹脂化に取り組む計画。タンク本体のアルミライナーを樹脂に置き換える技術を開発し、高圧水素タンクのコスト引き下げにつなげる。同社は主力製品である樹脂燃料タンクの開発を通じ、樹脂部品の製造技術を蓄積している。水素時代を見据えた技術として樹脂ライナーの開発に取り組み、将来の普及が見込まれるFCV用部品への参入を目指す。 (2014年1月24日付日刊自動車新聞より)

超低透過性の樹脂燃料タンク
-米カリフォルニア州の排出ガス規制「LEVIII」に対応する超低透過性の樹脂燃料タンクを開発。タンク本体をブロー成形する際、部品を一緒に内蔵する製法を開発。部品組み付けのための穴開けを不要にしたことにより、外部への炭化水素 (HC) 透過量を同社の従来品に比べ12%削減した。米カリフォルニア州のLEV (低排出ガス車) 規制は、自動車からの排出ガスや蒸発ガスの量を規制するもので、2014年には現在のLEVIIからIIIに移行し、規制が一段と強化される。新規制に対応する技術として、新システムを自動車メーカーに売り込む。(2013年12月10日付日刊自動車新聞より)

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2014年3月期 2013年3月期
日本 2,546 5,060
米州 3,720 4,451
中国 1,405 946
アジア 2,091 3,580
合計 9,763 14,038

<日本>
-主として新規受注対応、設備更新および試験装置導入等を実施。

<米州>
-新工場建設、設備更新および環境改善等に投資。

<中国>
-能力拡充、新規受注への対応等に投資。

<アジア>
-新規受注対応、新工場建設および能力拡充等に投資。

設備の新設計画

(2014年3月31日現在)
会社名・事業所名/
所在地
設備の内容 投資
予定総額
(百万円)
着手 完了予定 備考
柏原工場
(埼玉県狭山市)
生産関連設備 216 2014年
4月
2015年
1月
新規受注対応、設備更新等
四日市製作所
(三重県四日市市)
生産関連設備 1,186 2014年
3月
2015年
3月
新規受注対応、設備更新等
鈴鹿工場
(三重県鈴鹿市)
生産関連設備 1,391 2013年
12月
2015年
3月
新規受注対応等
亀山事業所
(三重県亀山市)
生産関連設備 235 2014年
4月
2015年
1月
設備更新等
栃木研究所
(栃木県さくら市)
研究開発設備 92 2014年
4月
2014年
10月
試験装置、設備更新等
埼玉研究所
(埼玉県狭山市)
研究開発設備 482 2014年
4月
2014年
12月
試験装置、新規受注対応等
合志技研工業株式会社
(熊本県合志市)
生産関連設備
研究関連設備
425 2014年
4月
2015年
3月
新規受注対応、設備更新等
US Yachiyo Inc.
(米国オハイオ州)
生産関連設備 486 2013年
4月
2015年
3月
省力・合理化、新規受注対応、設備更新等
Yachiyo Manufacturing of Alabama, LLC
(米国アラバマ州)
生産関連設備 3,067 2013年
8月
2014年
12月
能力拡充、新規受注対応等
Yachiyo Mexico Manufacturing S.A. de C.V.
(メキシコ グアナファト州)
生産関連設備 365 2014年
2月
2014年
11月
新規受注対応、能力拡充等
八千代工業 (中山) 有限公司
[Yachiyo Zhongshan Manufacturing Co., Ltd.]
(中国 広東省)
生産関連設備 1,714 2013年
1月
2015年
3月
新規受注対応、設備更新等
八千代工業 (武漢) 有限公司
[Yachiyo Wuhan Mfg. Co., Ltd.]
(中国湖北省)
生産関連設備 421 2013年
5月
2015年
3月
新規受注対応等
Siam Goshi  Manufacturing Co., Ltd.
(タイ ラヨン県)
生産関連設備 918 2014年
2月
2015年
3月
新規受注対応、省力・合理化、能力拡充等
Goshi-Thanglong Auto-Parts Co., Ltd
(ベトナム ハノイ)
生産関連設備 513 2014年
4月
2014年
12月
省力・合理化、能力拡充、設備更新等