日立電線 (株) 2012年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2012年
3月期
2011年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 432,540 419,279 3.2 -
営業利益 1,966 788 149.5 -事業構造改革や固定費圧縮による原価低減効果等が奏功し、増益。
経常利益 927 (1,765) - -
当期純利益 (22,758) (12,993) - -
電機・自動車部品
売上高 164,340 147,524 11.4 -自動車部品は、震災により停滞していた自動車メーカーの生産が第2四半期連結会計期間以降復旧し、その後は需要が堅調に推移したことから前年比で増収となった。
営業利益 2,405 3,039 (20.9) -

事業再編

-2012年4月1日付けで、米州地域統括会社であるHitachi Cable America Inc.(HCA)と、同社の100%子会社Hitachi Cable Automotive Products USA, Inc. (HCAM)およびHitachi Cable Manchester Inc. (HCM)を合併すると発表。HCAを存続会社、HCAMおよびHCMを消滅会社とする吸収合併方式。HCAMは自動車部品の製造・販売、HCMは電子機器用電線や光ファイバケーブル等の製造・販売を行っている。あわせて、同社グループの欧州地域統括会社であるHitachi Cable Europe Ltd. (HCE)は、同社連結子会社で自動車部品の製造・販売を行うHitachi Cable UK, Ltd. (HCUK)の株式を取得し100%子会社化するとともに、同社の全事業を譲り受ける予定。譲渡期日は2011年12月31日を予定している。(2011年11月1日付プレスリリースより)

-2012年3月末をもって日本国内における銅管の開発、製造および販売から撤退すると発表。2011年3月期における同事業の売上高は17,763百万円。茨城県土浦市に製造拠点を持つ。なお、当該部門に関わる資産に関しては、その一部を住友軽金属工業グループへの売却の検討を進める予定。(2011年10月28日付プレスリリースより)

-2011年11月28日付けで、連結子会社の日立電線販売株式会社を完全子会社とする株式交換契約を締結すると発表。また、本株式交換後、日立電線販売は同社の完全子会社である日立電線商事株式会社と、2012年1月1日付で合併する予定。なお、日立電線販売は、電線・ケーブル、伸銅品などの販売を行っている。(2011年10月25日付プレスリリースより)

中期経営計画

-2010~12年度を対象とする中期経営計画「プラン・ブリッジ」を見直し、新たな経営施策を追加した中期経営計画「リニューアル・プラン・ブリッジ」を策定した。12年度に売上高4400億円、営業利益180億円、経常利益200億円、最終利益150億円を目指す。自動車部品を製造する北米と欧州の拠点は、それぞれの販売会社や通信ケーブル会社と統合、会社数を米国に1社、英国に1社に集約する。産業インフラ分野では、高屈曲性や小型化などの特長を持つハイブリッド車用の電源ハーネスを欧米自動車メーカーに提案して受注拡大を狙う。電力インフラ・次世代エネルギーは、日立グループとの連携で中国でのスマートシティー市場向けに、電気自動車・ハイブリッド車用巻線、風力発電用巻線などの需要を取り込んでいく方針だ。(2011年9月13日付日刊自動車新聞より)

2013年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2013年3月期
(予想)
2012年3月期
(実績)
増減率 (%)
売上高 380,000 432,540 (12.1)
営業利益 12,000 1,966 510.4
経常利益 12,000 927 1,194.5
当期純利益 6,000 (22,758) -

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
全社 8,776 9,034 9,612
電機・自動車部品 1,003 - -

研究開発体制

-技術本部(技術研究所)と事業本部の開発部門で推進。
-(株)日立製作所をはじめとする日立グループの研究開発機関と密接な連携・協力関係を保つとともに、必要に応じ顧客および政府の研究開発機関とも共同研究を推進。

製品開発

世界最小クラスの小型コネクター
-次世代自動車向け電源ハーネスで独自の構造を採用した世界最小クラスの小型コネクターを開発したと発表した。メス端子、オス端子ともに平型形状として一つのばねで複数の端子に面圧を加える構造とした。従来品に比べコネクター部の体積を4割以上縮小した。今回開発した電源ハーネスはシンプルな構造にして小型化を図ったほか、用途に応じるためケーブル引き出しタイプとバスバータイプの2種類を設定した。(2011年8月31日付日刊自動車新聞より)

EV車・EV車向け耐インバーターサージ性平角ポリアミドイミドエナメル線
-巻線の製造を行うグループ会社である日立マグネットワイヤにおいて、HEV車・EV車向け耐インバーターサージ性平角ポリアミドイミドエナメル線を開発したと発表。2011年5月より量産を開始している。(2011年5月12日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
全社 12,933  10,153 13,862
電機・自動車部品 5,662 5,004 5,603

電機・自動車部品
-機器用電線・配線部品用製造設備および巻専用製造設備の拡充を中心に投資。