日本精機 (株) 2016年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2016年
3月期
2015年
3月期
増減率
(%)
備考
全社
売上高 243,606 226,956 7.3 -四輪車用計器が日本で前年比7,100百万円、米州で前年比6,400百万円増収。欧州で3,500百万円増収。
-海外売上高が前年比14,800百万円増収。米州でGM、クライスラー向け、欧州でホンダ、JLR向け、アジアで上汽GM向けが増加。
営業利益 18,083 16,436 10.0 -計器事業で増収による付加価値増。ただし、減価償却費の増加、設計開発費の増加があった。
経常利益 16,378 23,619 (30.7) -
親会社株主に帰属する当期純利益 9,143 14,467 (36.8) -
自動車および汎用計器事業
売上高 189,784 174,436 8.8 -二輪車用計器および汎用計器が減少したが、欧米向け等が好調により四輪車用計器が増加。
営業利益 15,876 13,856 14.6 -



ヘッドアップディスプレー (HUD) の受注拡大

2017年度HUD売上高拡大
-車速やカーナビの方向指示などの情報をフロントウインドーやコンバイナー(スクリーン)に映し出すヘッドアップディスプレー(HUD)の2017年度の売上高を、14年度実績の5割増にあたる230億円に拡大する。フロンドウインドータイプはBMW、ゼネラル・モーターズ(GM)、フィアット&クライスラーオートモービルズ(FCA)に納入しているほか、新たにアウディとの取引が決まり、「Q7」向けに納入を始めた。ユニットがコンパクトで低価格のコンバイナータイプはマツダに納入している。地域別では米国、欧州、中国を中心に供給先を広げており、14年度の売上高は13年度比3割増の156億円だった。17年度に向けては既存取引先で適用車種が増える。現在、日本と米国で生産しているが、新規で欧米メーカーの受注を獲得しており、他地域での生産も検討している。製品ラインアップは既存タイプに加え、1個のHUDユニットで遠近2画面を表示する「2-Plane HUD」を開発、早期の量産化を目指している。光源も現在の液晶に加え、より視認性を向上させたタイプを採用していくことで商品力を向上させる。 (2015年9月24日付日刊自動車新聞より)

HUD累計販売台数250万台超
-ヘッドアップディスプレー (HUD) の販売台数が、7月で累計250万台を超えたと発表した。1987年にHUDの開発をスタートし、1990年代後半から本格的に量産を開始した。15年3月期の生産台数は63万台で、累計生産台数は270万台を超えた。同社はHUDを計器に次ぐ事業拡大の柱と位置付け、開発、生産を強化してきた。2005年には、計器で培ったCAN通信などの関連技術をベースに広画角なカラーHUDを開発。BMW、ゼネラルモーターズ (GM)、マツダへの納入を始めた。今年はアウディ、中国・吉利汽車への納入を開始し、取引先を拡大している。(2015年8月8日付日刊自動車新聞より)

独アウディからHUDを受注
-2015年7月、独アウディからヘッドアップディスプレー (HUD) を受注し、納入を始めたと発表した。アウディには1990年代からメーターの納入実績があるが、HUDでの取引は今回が初めて。フォルクスワーゲンのスロバキア工場で生産する大型SUV 「Q7」 に搭載され、順次、アウディのその他の車種に搭載される。採用されたHUDはフロントガラスに投影するウインドシールドタイプのもので、TFT液晶を搭載している。ドライバーの視点から約2.1メートル先に車速、警告、ナビゲーションなどをフルカラーで表示する。光源には高輝度LEDを採用し、明るい太陽の下でも鮮明な画像表示を実現した。(2015年7月17日付日刊自動車新聞より)

2017年3月期の見通し

(単位:百万円)
2017年3月期
(予測)
2016年3月期
(実績)
増減率
(%)
売上高 240,000 243,606 (1.5)
営業利益 15,500 18,083 (14.3)
経常利益 17,000 16,378 3.8
親会社株主に帰属する当期純利益 10,500 9,143 14.8


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)



長期事業計画

-NSグループ長期事業ロードMAP: 2018年3月期に売上高2,700億円、将来的に3,000億円を目指す。

中期的成長に向けた事業方針

計器事業
-グループ全体の生産レイアウトの最適化・生産能力の拡充。
-グローバル開発拠点の拡充と開発コストの抑制。

ヘッドアップディスプレー (HUD)事業
-顧客別生産台数とHUD売上500億円に向けた生産体制の拡充。
-日本・米州・欧州の3国4拠点生産体制により顧客提案力の強化を図る。

センサー事業
-過酷な環境 (冷熱、防水、防塵、耐油、振動等)に対応可能な車載センサー製造のノウハウを生かし、今後成長が見込まれる領域に拡販。

民生事業
-市場拡大が見込まれる産業機器分野でのシェア拡大。

新規ビジネス
-他社との協業を視野に入れつつ、IoT分野や新たな表示システム等、新規事業領域へ参入。


研究開発費

(単位:百万円)
2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
全社 4,738 4,459 3,616
-自動車および汎用計器事業 4,395 4,146 3,416



研究開発体制

-研究開発活動は、R&Dセンター (新潟県長岡市)、NSテクニカルセンター (新潟県長岡市) を中核として、各事業分野を担当する量産製品の開発、設計組織および生産技術部門と連携して実施。

技術開発力の強化
-日本で設計開発技術を強化しつつ、顧客に近い場所での設計、低コスト国での設計も進め、設計能力の拡大と設計効率向上の両立を行う。

研究開発活動

自動車および汎用計器事業
-ヘッドアップディスプレイ (HUD) 等の運転支援型情報表示システムの開発、および次世代HMI (ヒューマン・マシン・インターフェイス) 機器の開発
-スマートフォン連携技術の開発
-車載用光学技術およびアクチュエーター技術の開発
-車載用センサー機器の開発

製品開発

要素技術の開発 (安全運転支援システム開発)
-DVAD(ドライバー挙動連携表示システム):ドライバーセンシングによりドライバーの意図を汲み取り、全周囲の車外画像からドライバーが欲するエリアの画像を操作なしに提供するシステム。
*画像表示例;
・交差点での右左折時の死角確認
・高速走行中の車線変更時の側後方確認
・後進時における死角確認

設備投資額

(単位:百万円)
2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
全社 10,901 12,027 12,061
-自動車および汎用計器事業 8,183 9,384 9,520


自動車および汎用計器事業
-新機種対応および生産能力拡大、設備更新を目的とし、基板実装設備、計器組立設備の投資を実施。

-日本・本社 2,100百万円:新機種対応
-米国 N.S. International, Ltd. 550百万円:試験設備増強

設備の新設計画 (自動車および汎用計器事業関連)

(2016年3月31日現在)
会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定

本社および本社工場
(新潟県長岡市)

基幹業務システム 2,200 2014年
12月
2019年
3月
エヌエスアドバンテック (株)
本社工場
(新潟県小千谷市)
成型および印刷設備 237 2016年
4月
2017年
3月
エヌエスアドバンテック (株)
長岡工場
(新潟県長岡市)
着色設備 362 2016年
4月
2017年
3月
エヌエスエレクトロニクス (株)
本社工場
(新潟県長岡市)
実装ライン 170 2015年
2月
2016年
4月
Nissei Advantech Mexico S.A. De C.V.
(メキシコ ヌエボレオン州)
成形設備 190 2016年
1月
2016年
7月
上海日精儀器有限公司
(中国 上海市)
実装ライン 150 2016年
2月
2016年
7月