日本ピストンリング (株) 2013年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2013年 3月期 |
2012年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 47,018 | 49,168 | (4.4) | - |
営業利益 | 2,225 | 3,847 | (42.2) | - |
経常利益 | 2,184 | 3,336 | (34.5) | - |
当期純利益 | 2,013 | 4,118 | (51.1) | - |
自動車関連製品事業 | ||||
売上高 | 41,284 | 42,532 | (2.9) | -震災やタイの洪水影響からの生産挽回やエコカー補助金等の効果から受注が増加したものの、中国における日系自動車メーカーの生産減の影響等を受けた。 |
営業利益 | 1,995 | 3,447 | (42.1) | - |
新会社
<中国>-江蘇省にバルブシートの製造子会社「日環粉末冶金製造 (儀征) 有限公司」を12月に設立すると発表した。2013年7月の操業を予定し、日系を始め欧州や現地ローカルの自動車メーカーへの供給能力を高める。新会社の資本金は、880万ドル (約7億円) で、総投資額は2200万ドル (約17億円) を予定する。新工場の建設により、日環汽車零部件製造 (儀征) 有限公司のバルブシート事業を新会社に移管する。生産能力は16年に月産約300万個を見込んでいる。(2012年11月30日付日刊自動車新聞より)
中期経営計画
-2012~14年度の中期経営計画を策定した。14年までの3年間で約100億円の設備投資を実施し、新規開発部品の事業化とグローバルで生産能力の増強を図る。コスト構造改革を引き続き推進するほか、ものづくりを高めるための人材育成を強化する。代替燃料や低燃費といった環境対応型製品の技術開発に注力し、自動車メーカーからの受注拡大に結びつける。(2012年6月21日付日刊自動車新聞より)
2014年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2014年3月期 (予測) |
2013年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
売上高 | 48,000 | 47,018 | 2.1 |
営業利益 | 2,400 | 2,225 | 7.9 |
経常利益 | 2,200 | 2,184 | 0.7 |
当期純利益 | 1,400 | 2,013 | (30.5) |
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2013年3月期 | 2012年3月期 | 2011年3月期 | |
全社 | 1,526 | 1,361 | 1,280 |
-自動車関連製品事業 | 1,152 | 1,306 | 1,229 |
研究開発体制
-米国で自動車用エンジンバルブとバルブシートの性能評価を開始する。業務提携関係にある独KSコルベンシュミット社の試験施設に計測機器などを導入し、2013年夏をめどにエンジン実機による性能評価を行う。北米では欧米メーカーからの新規受注がさらに増える見通し。これまで日本で行っていたエンジンを使用した性能評価を現地化することにより開発期間を短縮し、欧米メーカーの受注をさらに増やして北米での事業規模拡大に結びつける。(2012年12月28日付日刊自動車新聞より)研究開発活動
次世代溶射ボア用ピストンリング-欧州顧客との溶射ボア向けピストンリングの開発、量産実績を通して培われた技術ナレッジを背景として、欧州・国内顧客との間で各種次世代溶射ボア技術に対する製品仕様の最適化開発を推進中。
耐久性にすぐれたディーゼルエンジン用ピストンリング
-Euro-VI、US10等の排ガス規制および重量車燃費規制として、ナノレベルの皮膜特性制御技術を適用した、耐摩耗性、耐剥離性に優れたPVD皮膜付TOPリング、および低張力でも高い潤滑油調整機能を持つ新形状のOILリングの開発を完了し、クリーンな排ガスと低燃費が両立できる製品として量産化し、市場シェア拡大に向けた取り組みを展開中。
バルブシート
-ガソリン機関のダウンサイジング、過給直噴や特殊燃料 (ガス、エタノール) に対応可能な高機能材の開発に取り組んでいる。また、高機能な仕様だけでなく新興国向け最適仕様も開発中であり、あらゆる地域の顧客ニーズに対応することを目指し、グローバルな技術サービスを展開している。
-中国など新興国の自動車メーカー向けに、耐摩耗性と低価格を両立したエンジン用バルブシートを新たに開発し、中国の広州汽車とインドの二輪車メーカーに納入を開始した。同社は、2012年に独アウディから代替燃料に対応するバルブシートの新規受注を獲得するなど、非日系メーカーからの受注が増える見通し。自動車メーカーの品質要求に沿ったバルブシートの提案を積極的に展開し、グローバルでの受注獲得を目指す。(2012年12月14日付日刊自動車新聞より)
組立式焼結カムシャフト
-直噴エンジンには、高い耐ピッチング性、耐摩耗性が求められ、耐久性に優れる焼結カムロブの採用が拡大している。また、燃費向上のため質量低減要求も高まっており、組立式焼結カムシャフトの更なる軽量化の追求に取り組んでいる。
MIM (金属粉末射出成形) 製品
-優れた磁気特性を持つ材料技術を活かし、燃料噴射部品の採用拡大を狙い開発に取り組んでいる。一方、プラスチック成形技術との融合により、従来困難とされてきた大型・薄肉部品の成形技術の向上に取り組んでいる。
新規焼結製品
-断熱・放熱性に優れた高機能多孔質金属に関する研究、マーケティング活動を進めており、既に非自動車エンジン分野を含めた複数の市場ニーズの具現化に対する取り組みに着手。
シリンダーライナー
-ポスト・ポスト新長期排ガス規制対応で懸念される高温摩耗対策ディーゼルエンジン用ライナーの量産化開発を推進中。また、2015年の重量車燃費規制に対応するため、同社固有のトライボロジー技術に基づく、燃費低減技術を開発中。
技術供与契約 |
(2013年3月31日現在) |
相手会社名 | 国名 | 契約年月 | 内容 | 契約期間 |
株式会社瑞進カム [Seojin Cam Co., Ltd.] |
韓国 | 2000年7月1日 | 焼結カムシャフトの製造法 | 2016年6月末日まで |
Henan Zhongyuan Engine Fitting Co., Ltd. | 中国 | 2005年9月2日 | シリンダーライナーの製造法 | 製品供給終了まで |
IP Rings Ltd. | インド | 2008年2月21日 | スチールリングの製造法 |
契約更改交渉中 |
2008年4月1日 | クロームメッキリングの製造法 | 契約更改交渉中 | ||
2008年12月22日 | スチールリングの製造法 | 6年 | ||
2010年3月1日 | 窒化リングの製造法 | 5年 | ||
2010年4月1日 | オイルリングの製造法 | 5年 | ||
2012年4月1日 | 組合せオイルリングの製造法 | 5年 |
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2013年3月期 | 2012年3月期 | 2011年3月期 | |
全社 | 4,068 | 2,169 | 1,642 |
-自動車関連製品事業 | 3,850 | 1,963 | 1,466 |
-自動車関連製品事業は、維持更新を主たる目的として設備投資を実施。
設備の新設計画 |
(2013年3月31日現在) |
会社名 | 所在地 | 設備内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着工 年月 |
完了 年月 |
完成後の 能力 |
NPR Auto Parts Manufacturing India Pvt. Ltd. | インド カルナタカ州 |
工場新設 | 1,800 | 2012年 7月 |
2015年 6月 |
300万個/月 |
日環粉末冶金製造 (儀征) 有限公司 [NPR Powdered Materials Manufacturing (Yizheng) Co., Ltd.] |
中国 江蘇省 |
工場新設 | 1,700 | 2012年 12月 |
2016年 6月 |
300万個/月 |