(株) ハイレックスコーポレーション 2016年10月期の動向

業績

(単位:百万円)
2016年
10月期
2015年
10月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 235,710 239,131 (1.4) 主に中国、韓国及び欧州での販売が堅調に推移した一方で、円高の進展により海外連結子会社業績の邦貨換算額が減少。
営業利益 16,882 17,381 (2.9) -
経常利益 16,727 20,626 (18.9) -
当期純利益 10,922 13,432 (18.7) -



日本国内の動向

-同社は2016年10月に宮城県栗原市に新会社を設立。新会社の名称は「株式会社ハイレックス宮城」。資本金は18億円で、同社が100%出資する。新会社では、自動車用コントロールケーブルおよびウィンドウレギュレーターの製造・販売を行う。(2016年8月12日付プレスリリースより)

事業計画

1. グローバル生産・開発体制の構築
-「世界NO.1自動車用ケーブルメーカー」としての挑戦
 世界4極経営:日本 (アジア)、北米、欧州、中国

1) 日本

  • 株式会社ハイレックス宮城 新会社設立 (2017年3月工場建設着工、2018年4月完了予定)

2) 北米

  • HI-LEX CONTROLS INC. ハドソン工場拡張 (2017年10月着工、2018年1月完了予定)

3) アジア

  • HI-LEX INDIA PRIVATE LTD. グジャラート工場増設 (2015年11月着工、2017年1月出荷開始)

4) 欧州

  • HI-LEX Czech, s.r.o. 新会社設立 (2017年3月工場建設着工、2019年6月完了予定)


2. 新製品・新技術開発
1) ケーブルレス化に対応した電子化・電動化製品

  • パワースライドドアシステム
  • パワーリフトゲートシステム
  • 電動パーキングブレーキシステム
  • 車イス固定&乗降補助装置

2) 新技術開発

  • 異形インナーケーブル
  • 新構造ギヤードワイヤー
  • 高性能防振ケーブル
  • 分岐分割式シートケーブル
  • シートロック解除アクチュエーター



2017年10月期の見通し

-2017年10月期の売上高を237,300百万円と予測。同営業利益は、16,670百万円。

研究開発費

(単位:百万円)
2016年10月期 2015年10月期 2014年10月期
日本 1,774 1,780 975
北米 378 375 357
中国 676 760 429
アジア 700 628 294
欧州 317 - -
調整 2 134 70
合計 3,847 3,677 2,125



研究開発体制

<日本>
-日本においては、以下グループおよび拠点が研究開発を担当し、自動車関連、産業機器および住宅設備関連の新素材、新技術、新製品の開発を中心に実施。

  • 研究開発グループ
  • システム設計グループ
  • ケーブル設計グループ
  • 宇都宮技術センター

<北米>
-HI-LEX Controls Inc.のオートモーティブセンターが担当し、主に北米の自動車関連業界の顧客を対象とした、新技術、新製品の開発を実施。

<中国>
-重慶海徳世拉索系統集団有限公司 [Chongqing HI-LEX Cable System Group Co., Ltd.] が、主に中国の自動車関連業界の顧客を対象とした、新技術、新製品の開発を実施。

<アジア>
-大同ハイレックス株式会社が、主に自動車関連のドアモジュール製品を中心としたシステム製品の新技術、新製品の開発を実施。

研究開発活動

新素材
-スーパー繊維加え、炭素繊維等を活用し、軽量・高強度を特徴とした新分野への適応に向けて開発を推進。

新技術
-自動化・高寿命化するシステムに対応すべく、新構造を採用した高耐久インナーケーブルを研究。

新製品
-ウィンドレギュレーター:軽量・安価、かつ高剛性を有した新構造の製品を次世代車に搭載すべく開発を推進。
-次世代ドアモジュール:グローバルに展開すべく、他社を凌駕した素材・構造開発に取り組む。
-ドア開閉・電動パーキングなどのシステム:安全性を高めた制御を織り込むべくECU(コントローラー)制御開発力の強化。

設備投資額

(単位:百万円)
2016年10月期 2015年10月期 2014年10月期
日本 1,389 814 1,316
北米 1,262 1,781 2,123
中国 2,379 3,748 3,193
アジア 3,426 2,619 2,317
欧州 805 1,210 568
合計 9,263 10,174 9,519

-2017年10月期の設備投資額は、約123億万円を計画している。

設備の新設計画

(2016年10月31日現在)
会社名
事業所名
(所在地)
内容 予定金額
(百万円)
着手 完了 完成後の
増加能力
HI-LEX Controls Inc.
ハドソン工場
(米国ミシガン州ハドソン市)
工場の拡張および生産設備他 1,887 2015.07 2016.03 主として、設備の更新及び生産の合理化を図るものであり、生産能力の著しい増加はありません。
HI-LEX Hungary Cable System Manufacturing LLC
本社工場
(ハンガリーブダペスト市)
工場の拡張および生産設備他 1,214 2015.10 2016.09 62%増加



海外事業

<イタリア>
-2016年10月、同社はイタリアでウィンドレギュレーター、ドアモジュールの製造・販売を行っているLamesの全株式の取得が完了したと発表した。これによりLamesは、同社の特定子会社に該当することになり、あわせて11月に商号を「HI-LEX Italy S.P.A.」に変更する。(2016年10月14日付プレスリリースより)

-2016年1月、同社はイタリアのLames S.P.A.の発行済株式100%を取得し、子会社化すると発表した。取得手続きは2016年8月以降に完了する予定。取得金額は19百万ユーロ (24.3億円)。Lamesはウィンドウレギュレーターやドアモジュールの製造・販売を行っており、2015年7月にコンコルダット (日本でいう民事再生) を申請している。2015年の売上高は103億円。今回の買収により欧州自動車メーカーとの取引を増やし、欧州市場でのシェア拡大を見込んでいる。(2016年1月15日付プレスリリースより)

<チェコ>
-2017年3月、同社はチェコのMost市にドアモジュールの製造・販売を行う子会社の設立手続きが完了。設立時の資本金は110百万チェココルナ (500百万円相当額)。当初2016年10月の設立を予定していたが、設立準備手続きの都合上、2017年3月2日付に変更となった。また、2016年7月16日付適宜開示時点では、ハイレックスの子会社TKS of Americaと折半出資を予定していたが、ハイレックスが単独出資することになった。 (2017年3月9日付プレスリリースより)
同社は、2016年にウインドーレギュレーターを手がけるイタリアの部品メーカーであるラメス社も買収しており、欧州での事業拡大を加速させる。新子会社「ハイレックス・チェコ」は、モスト市に設置し、ドアモジュールを製造する。資本金は1億1千万チェココルナ(約5億円)。(2017年3月24日付日刊自動車新聞より)

-2016年7月、同社はチェコのPlzen市にドアモジュールの製造・販売を行う子会社を設立すると発表した。2016年10月に設立する予定。資本金は18百万ユーロ (約20億円) で、ハイレックスが50%、ハイレックス子会社のTSK of Americaが50%を出資する。欧州自動車メーカーからのドアモジュールの新規受注に対応する。(2016年7月16日付プレスリリースより)