日信工業 (株) 2019年3月期の動向

業績

(IFRS、単位:百万円)
  2019年
3月期
2018年
3月期
増減率 (%) 要因
売上高 189,693 188,221 0.8 -為替換算および中国・北米における四輪車製品の販売減があったが、アジア・南米の二輪車製品およびアジア・日本におけるアルミ製品の販売増などにより増収
営業利益 16,301 13,162 23.8 -
税引前利益 16,556 (1,173) - -
親会社の所有者に帰属する当期利益 7,344 (8,717) - -
部門別売上
-日本 29,023 26,866 8.0 -アルミ製品の販売増などにより増収
-北米 40,688 42,045 (3.2) -四輪車製品の販売減およびメキシコ主要顧客の水害による生産休止の影響などにより減収
-アジア 105,994 106,171 (0.2) -インドネシア・インド・ベトナムの販売増はあったが、為替換算による影響および中国の販売減などによりほぼ横ばい
-南米・欧州 13,987 13,139 6.5 -為替換算による影響はあったが、ブラジル市場の回復および二輪車用前後輪連動ブレーキの適用拡大などにより増収

事業再編

-Autoliv傘下のVeoneerは同社との間で、合弁会社Veoneer Nissin Brake Systems(VNBS)の株式譲渡について合意に達する契約を締結したと発表した。契約に基づき、VeoneerはVNBSの米国事業に対する同社の持株を取得し、VNBSの米国事業はVeoneerの完全保有となる。日本と中国におけるVNBSの事業は引き続き合弁事業の一環となり、Veoneerが株式51%を、同社が49%を保有する予定。(2019617日付プレスリリースより)

最近の動向

-2019年4月末でブラジル・サンパウロ州のサンパウロ工場を閉鎖すると発表した。インフレや調達コストの上昇などで、事業の収益化が進まなかった。「体質改善に努めてきた」 (同社) ものの、今後の改善も困難と判断した。同工場は2008年10月に操業を開始した。四輪車用ブレーキやアルミ製品を生産する。ブラジルでは同工場のほか、マナウス工場で二輪車用部品を生産している。(2019年2月28日付日刊自動車新聞より)

2020年3月期の見通し

(IFRS、単位:百万円)
  2020年3月期
(予想)
2019年3月期
(実績)
増減率 (%)
売上高 187,000 189,693 (1.4)
営業利益 16,700 16,301 2.4
税引前利益 17,500 16,556 5.7
親会社の所有者に帰属する当期利益 9,500 7,344 29.4


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
  2019年3月期 2018年3月期 2017年3月期
全社 4,666 4,805 4,744

-2020年3月期の研究開発費は、4,800百万円を予定。

研究開発拠点

拠点名 所在地
日本 長野開発センター 長野県東御市
栃木開発センター 栃木県那須烏山市
タイ Nissin R&D Asia Co., Ltd. バンコク
中国 Nissin R&D China - Zhongshan 広東省中山
Nissin R&D China - Chongqing 重慶市
米国 Nissin R&D USA - East Liberty オハイオ州
Nissin R&D USA - Milwaukee ウィスコンシン州

主な研究開発成果 (四輪車用部品)

基本ブレーキシステム開発
-ブレーキキャリパーにおいては低燃費化の要望に応えるため、引き摺りトルク低減、アルミ技術の活用および形状最適化による軽量化を図っている。
-自動車の電動化に伴い、電動パーキングブレーキ (EPB) の適用車種が拡大してきた。各製品のコスト低減と現地生産化を推進する。

軽量化技術開発
-低燃費・軽量化の要望に応えるため、高い強度と優れた伸び特性を有するアルミ材料と高品質な鋳造技術の活用により、鉄製のサスペンション部品やブラケット部品に比べ約30%から40%の軽量化を実現。
-入力荷重が高く、一般的に鋳鉄製が採用されているフロントナックルにも、アルミ材料と鋳造技術を活用し適用拡大を図る。

設備投資額

(単位:百万円)
  2019年3月期 2018年3月期 2017年3月期
日本 2,630 2,993 2,149
北米 2,280 1,454 3,493
アジア 5,327 5,668 5,448
南米・欧州 216 319 29
調整額 (92) (175) (173)
合計 10,362 10,258 11,214


-2020年3月期の設備投資額は、11,500百万円を予定。

設備の新設

(2019年3月31日現在)
会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定額
(百万円)
着手 完了予定
東部工場
(長野県東御市)
生産設備 900 2019年3月 2019年8月
直江津工場
(新潟県上越市)
生産設備 1,384 2018年10月 2020年3月
開発センター
(長野県東御市)
開発用設備 1,303 2019年3月 2019年4月
(株) イシイコーポレーション
(新潟県聖籠町)
生産設備 176 2019年4月 2020年3月
Nissin Brake Ohio Inc.
(米国オハイオ州)
生産設備 2,009 2018年7月 2020年3月
Nissin Brake Georgia Inc.
(米国ジョージア州)
生産設備 1,805 2019年1月 2020年3月
Nissin Brake de Mexico, S.A. de C.V.
(メキシコ グアナファト州)
生産設備 290 2018年10月 2020年3月
Nissin Brake (Thailand) Co., Ltd.
(タイ ナコンラチャシマ県)
生産設備 2,184 2018年4月 2020年3月
P.T. Chemco Harapan Nusantara
(インドネシア チカラン郡)
生産設備 649 2018年4月 2020年3月
山東日信工業有限公司
[Shandong Nissin Industry Co., Ltd.]
生産設備 159 2018年7月 2020年3月
中山日信工業有限公司
[Zhongshan Nissin Industry Co., Ltd.]
(中国広東省)
生産設備 2,920 2019年1月 2020年3月
Nissin Brake Vietnam Co., Ltd.
(ベトナム ビンフック省)
生産設備 361 2019年1月 2020年3月
Nissin Brake India Pvt. Ltd.
(インド ラジャスタン州)
生産設備 570 2018年4月 2020年3月
Nissin Brake Do Brasil Ltda.
(ブラジル アマゾナス州)
生産設備 303 2018年7月 2020年3月