日信工業 (株) 2015年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2015年
3月期
2014年
3月期
増減率 (%) 要因
売上高 227,836 220,868 3.2 -
営業利益 17,584 19,417 (9.4) -
経常利益 20,068 21,703 (7.5) -
当期純利益 10,446 12,200 (14.4) -
部門別売上
-日本 49,568 51,619 (4.4) 1)
-北米 65,594 57,184 14.7 2)
-アジア 97,294 96,388 0.9 3)
-南米・欧州 15,380 15,676 (1.9) 4)


要因
売上高
1) <日本>
-回生協調ブレーキの増量効果があったものの、四輪車用製品の減少影響などにより、前年比4.4%の減収。

2) <北米>
-メカトロ製品・二輪車用製品の拡大および為替換算による影響などにより、前年比14.7%の増収。

3) <アジア>
-タイの販売支援減税廃止による反動減と景気減速による影響などはあったものの、インドネシアでの二輪車市場の増加および客先四輪車生産の増加、並びに為替換算による影響などにより、前年比0.9%の増収。

4) <南米・欧州>
-欧州向け二輪車用製品の増加はあったものの、ブラジル四輪車市場の低迷および為替換算による影響などにより、前年比1.9%の減収。

海外事業

<中国>
中国、重慶市に支店開設
-日信工業は、中国現地法人である中山日信工業 [Zhongshan Nissin Industry] が新たに重慶市に分公司 (支店) を開設すると発表した。新たに開設する支店「中山日信工業有限公司 重慶分公司 (Nissin R&D China-Chongqing)」は、既存顧客への提案強化と新規顧客の開拓に向けたリサーチおよび営業活動を行う。また、中山日信工業の研究開発能力の向上のため、広州分公司を閉鎖し、中山日信工業の開発・営業部門である中国地区R&D統括部門 [Nissin R&D China-Zhongshan] に統合・集約する計画。(2014年7月31日付プレスリリースより)

受注

-2015年3月期の主な受注

自動車メーカー モデル 製品 納入開始時期 備考
マツダ 「Roadster」 アルミ製リアブレーキキャリパー 2015年04月 -マツダとの最初の取引。長野で全数生産し、広島へ供給する。
ホンダ

「Grace」 回生協調ブレーキ、VSA、フロントキャリパー、リアドラムブレーキ、アルミ製品 2014年12月 -
「Jade」 回生協調ブレーキ、リアキャリパー、リアドラムブレーキ、アルミ製品 2015年02月 -
「S660」 マスターシリンダー&マスターパワー、フロントキャリパー、アルミリアキャリパー、アルミエンジンマウントブラケット 2015年04月 -

新中期経営計画 (2015年3月期 - 2017年3月期)

-売上利益目標: 2017年3月期で、売上 253,000百万円 (2014年3月期比14.5%増)、営業利益率10%

-四輪ブレーキ事業の取り組み:「総合システムメーカーとして提案力・販売力を強化する」

  • ESC制御技術を核として、先進安全領域での高い技術力と開発力を構築
  • システム機能保証の信頼性強化
  • 新規拡販のためのリサーチ強化
  • 競争優位を確保するための体質強化
  • 注力商品: 2014年は回生協調等の環境商品、2015年は軽量キャリパー、2016年は先進安全商品

-中国とメキシコへの設備投資を重点的に増やす計画。現地で需要が拡大する四輪車用ブレーキシステムの生産能力を増強するほか、中国では滑り止め防止装置の現地生産を本格化する。2015年3月期から3年間の投資額は年150億-160億円を計画しており、3年間の合計では前中期経営計画を20%以上、上回る見通し。 (2014年4月9日付プレスリリースより)

2016年3月期の業績予想

(単位:百万円)
  2016年3月期
(予想)
2015年3月期
(実績)
増減率 (%)
売上高 220,000 227,836 (3.4)
営業利益 18,000 17,584 2.4
経常利益 19,000 20,068 (5.3)
当期純利益 14,500 10,446 38.8


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 8,605 8,041 6,853

-2016年3月期の研究開発費は、8,550百万円を予定。

研究開発体制

-研究開発施設:栃木開発センター (栃木県那須烏山市)、長野開発センター (長野県東御市)、北海道開発センター (北海道旭川市)

<日本>
-二輪・四輪車を主に、基本ブレーキシステム、メカトロ系自動制御システムおよびアルミ製品を軸として、軽量化、燃費向上、安全・快適性向上に貢献する商品開発、材料開発、製造工法開発等をグローバル視野で推進。

-CO2排出量低減に貢献できる商品開発、材料開発、製造工法開発等の開発を推進。

-2014年11月、四輪車・二輪車用ブレーキシステムの開発に向けて、北海道旭川市と上川郡にまたがる冬季用テストコースを開所した。「日信工業 (株) 北海道開発センター」の面積は約48万平方メートルで、第1期工事の投資額は約7億円。

<北米>
-主に北米地域のニーズに合わせた基本ブレーキシステム、メカトロ系自動制御システムおよびアルミ製品の開発を実施。

<欧州>
-2013年に開設したドイツ「Nissin R&D Europe, S.L.U., Niederlassung Deutschland」は、EUの交通状況の把握を開始し、EUニーズへの対応強化を図った。

<中国>
-中国現地法人である中山日信工業 [Zhongshan Nissin Industry] が新たに重慶市に分公司 (支店) を開設すると発表。新たに開設する支店「中山日信工業有限公司 重慶分公司 (Nissin R&D China-Chongqing)」は、既存顧客への提案強化と新規顧客の開拓に向けたリサーチおよび営業活動を行う。業務開始予定2014年7月。 (2014年7月31日付プレスリリースより)

-中山日信工業 [Zhongshan Nissin Industry] の研究開発能力の向上のため、広州分公司を閉鎖し、中山日信工業の開発・営業部門である中国地区R&D統括部門 [Nissin R&D China-Zhongshan] に統合・集約する。業務開始予定2014年9月。 (2014年7月31日付プレスリリースより)

主な研究開発成果 (四輪車用部品)

メカトロ系自動制御システム開発
-小型、軽量ESC (横滑り防止装置) が7機種に採用。特に中国、アジア諸国、南米の新型車への採用が目立った。
-EV・ハイブリッド車用の回生協調ブレーキシステムが3機種に採用。

基本ブレーキシステム開発
-低燃費化の要望に応えるため、ブレーキシステムの引き摺りトルク低減とプランジャー型マスタシリンダーなどの小型軽量タイプのブレーキ製品の適用拡大。並びに各製品のコスト低減、現地生産化を推進。
-新設計低引き摺りディスクブレーキは、シリーズ展開を行い、新たにフロント用12インチやリアブレーキのフルラインナップを揃え、採用された。
-リアブレーキは、パーキング機構内蔵タイプのアルミキャリパーを新規開発し、2機種に採用された。
-プランジャー型マスターシリンダーでは、ブラジル、メキシコ各拠点で生産展開が終わり、全世界供給体制が整った。

軽量化技術開発
-軽量化に寄与するため、鉄部品のナックルやブラケットをアルミ部品に代替し約40%の軽量化を実現。さらに高強度と伸びの特性を生かした薄肉化の開発を行っている。アルミ鋳造製エンジンマウントブラケット類が7機種、アルミ鋳造製リアナックルが4機種に採用された。

設備投資額

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
日本 2,384 2,185 1,683
北米 2,801 3,149 1,962
アジア 5,954 6,548 7,541
南米・欧州 837 1,346 456
調整額 (319) (268) (210)
合計 11,658 12,961 11,431


-2015年3月期の設備投資が前年を上回った地域は、日本、メキシコ、中国、インドの4カ国。
-2016年3月期の設備投資額は、16,000百万円を予定。

-新中期経営計画 (2015年3月期 - 2017年3月期) では、中国とメキシコへの設備投資を重点的に増やす計画。現地で需要が拡大する四輪車用ブレーキシステムの生産能力を増強するほか、中国では滑り止め防止装置の現地生産を本格化する。2015年3月期から3年間の投資額は年150億-160億円を計画しており、3年間の合計では前中期経営計画を20%以上、上回る見通し。 (2014年4月9日付日刊自動車新聞より)

設備の新設

(2015年3月31日現在)
会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定額
(百万円)
着手 完了予定
上田工場
(長野県上田市)
生産設備 972 2014年
3月
2016年
7月
東部工場
(長野県東御市)
生産設備 454 2014年
8月
2016年
2月
直江津工場
(新潟県上越市)
生産設備 290 2014年
11月
2016年
3月
開発センター
(長野県東御市他)
開発用設備 1,310 2013年
6月
2016年
3月
Nissin Brake Ohio Inc.
(米国オハイオ州)
生産設備 3,076 2014年
4月
2016年
3月
Nissin Brake Georgia Inc.
(米国ジョージア州)
生産設備 2,658 2014年
7月
2016年
3月
Nissin Brake de Mexico, S.A. de C.V.
(メキシコ グアナファト州)
生産設備 680 2014年
4月
2015年
12月
Nissin Brake (Thailand) Co., Ltd.
(タイ ナコンラチャシマ県)
生産設備 2,702 2014年
1月
2015年
12月
P.T. Chemco Harapan Nusantara
(インドネシア チカラン郡)
生産設備 1,108 2014年
10月
2015年
12月
山東日信工業有限公司
[Shandong Nissin Industry Co., Ltd.]
(中国山東省)
生産設備 106 2014年
4月
2015年
12月
中山日信工業有限公司
[Zhongshan Nissin Industry Co., Ltd.]
(中国広東省)
生産設備 5,454 2014年
7月
2015年
12月
Nissin Brake Vietnam Co., Ltd.
(ベトナム ビンフック省)
生産設備 298 2014年
10月
2015年
12月
Nissin Brake India Pvt. Ltd.
(インド ラジャスタン州)
生産設備 633 2014年
10月
2015年
12月
Nissin Brake Do Brasil Ltda.
(ブラジル アマゾナス州)
生産設備 902 2014年
7月
2015年
12月