東プレ (株) 2015年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2015年
3月期
2014年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 120,567 111,630 8.0 -
営業利益 13,305 13,605 (2.2) -雪害が影響したため
経常利益 16,576 15,676 5.7 -
当期純利益 10,347 11,577 (10.6) -
プレス関連製品事業
売上高 77,365 70,616 9.6 1)
営業利益 9,538 10,670 (10.6) 2)


要因
1) プレス関連製品事業:売上高
<日本>
-自動車生産・販売は、消費増税にともなう駆け込み需要による反動減からの回復が大きく遅れている。会計年度前半は好調であった軽自動車・小型車においても勢いに陰りが見えており、売上は前年同期を下回る水準で推移した。

<海外>
-米国の好調に加えて、2014年1月より「Topre Autoparts Mexico, S.A. de C.V.」、4月より「東普雷 (襄陽) 汽車部件有限公司 [Topre (Xiangyang) Autoparts Corporation]」の2拠点が稼働を開始したことにより、海外売上が前年同期を上回った。

2) プレス関連製品事業:営業利益
-主に海外拠点において受注が好調だったものの、雪害の影響や、海外新工場の立上りにともなう初期費用などのため減益。

八千代工業よりプレス部品事業を取得

-八千代工業と同社は2015年5月、八千代工業の国内のプレス部品事業を東プレへ譲渡することで基本合意したと発表した。10月の譲渡を目標に協議を進める。八千代工業は北米で同事業を終了している。経営資源を樹脂燃料タンクとサンルーフに集中させるため、国内での事業も終了することにした。八千代工業は、連結子会社のワイジーテック(三重県東員町)と、四日市製作所(三重県四日市市)のプレス部品工場を譲渡する。軽自動車の受託生産の減少や受注競争の激化を背景に、同事業の採算確保が難しくなっていた。一方、プレス部品専業の同社は昨年、三重県鈴鹿市にホンダ向けの工場を稼働させ、軽自動車向けビジネスの拡大を目指している。(2015年5月12日付日刊自動車新聞より)

国内事業

-鈴鹿工場 (三重県鈴鹿市) で今秋に生産を開始するホンダ向けの軽自動車部品で売上高の早期拡大を目指す。「Nシリーズ」の一部に供給するテールゲートの追加採用を目指し、受注規模を引き上げる考えだ。2014年度の新工場の売上高見通し2億円に対して、16年度には20億円レベルにまで高めたいとしている。(2014年4月9日付日刊自動車新聞より)

-子会社の東プレ九州 (福岡県久留米市) が自動車用プレス部品の金型工場を新設すると発表した。今後拡大が予想される海外市場での新規車両の受注・生産に対応するため、金型製作の能力を増強する。工場は東プレ九州の本社隣接地に建設する予定で、用地面積は約1万3,500平方メートル。総投資額は約25億円。2015年10月の稼働を計画している。新工場の売上高は、17年度に約15億円を見込んでいる。(2014年3月18日付日刊自動車新聞より)

海外事業

<タイ>
-2016年度にタイでの車体骨格部品の売上高を年80億円に引き上げる。15年に同国で自前の生産拠点を立ち上げることを契機に、日系自動車メーカーからの受注を拡大する。14年度の売上高見通しの20億円に対し、16年度は4倍増を目指す構えだ。4年前から行っている地元メーカーへの生産委託は続け、上積み分の60億円は新工場による純増目標として位置づけていく。新工場では、ピラーやルーフなどキャビン周りの骨格部品を生産する。総投資額は、用地取得費の拡大で当初の想定よりも40億円多い約100億円に膨らむ見通し。15年9月に量産を開始する予定で、立ち上げ直後から早期に稼働率を高める考えだ。(2014年4月4日付日刊自動車新聞より)

-日産自動車のタイ工場のサプライヤーパーク内にプレス部品の組み立てを行うサテライト拠点を建設する。東プレが2015年7月に稼働を予定している同国新工場で製造した部材を同パーク内で組み立てることにより、物流効率を大幅に高める計画だ。着工や稼働の時期は未定としているが、用地の割り当てが決まり次第、建設の準備を進めたいとしている。(2014年12月8日付日刊自動車新聞より)

<北中米>
-同社の100%子会社Topre America CorporationおよびTopre Autoparts Mexico, S.A. de C.V.に追加設備投資を行うと発表した。両子会社では自動車用プレス部品および金型の製造・販売を行っている。米国アラバマ州にあるTopre Americaには、土地 (約100,000平方メートル)、工場建屋 (約12,000平方メートル)、大型プレス機などの設備を追加する。投資金額は約50億円 (42.1百万ドル)。一方、メキシコのケレタロ州に位置するTopre Autoparts Mexicoには、約40億円 (33.7百万ドル) を投じて工場建屋 (約12,000平方メートル) や大型プレス機などの設備を追加する。両拠点の新工場は2017年4月に稼働を開始する予定。

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

2016年3月期の見通し

(単位:百万円)
2016年3月期
(予想)
2015年3月期
(実績)
増減率
(%)
売上高 135,000 120,567 12.0
営業利益 13,000 13,305 (2.3)
経常利益 13,500 16,576 (18.6)
当期純利益 9,000 10,347 (13.0)

研究開発費

(単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 1,019 1,053 1,006

研究開発活動

プレス関連製品事業
-1180MPa級冷間ハイテン製品の北米での量産を開始。今後、各市場における現地材の採用および骨格部品全体への適用開発を推進する。
-ホットスタンプ (熱間プレス製品) と同等の強度となる1470MPa級冷間ハイテンプレス製品の実用化を推進。競争力向上の為の応用開発を進める。
-軽量化ニーズに答えるため、アルミプレス製品の量産化に向けた開発を推進している。

技術供与契約

(2015年3月31日現在)
相手方の名称 国名 契約品目 契約内容 契約期間
広州東昇機械有限公司
[Sunrise Machinery Co., Ltd.]
中国 自動車用プレス製品・金型 技術情報の提供およびノウハウの実施承諾 2012年8月31日から2019年2月17日まで

設備投資額

(単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
プレス関連製品事業 13,242 11,445 15,073
-同社 2,301 2,452 2,938
-子会社 10,934 8,925 12,016
全社 14,491 11,838 17,477


プレス関連製品事業 (2015年3月期)
-設備投資14,491百万円を実施。

  • 同社自動車用プレス部品金型を中心に2,301百万円。
  • 子会社の東プレ九州、Topre America Corporation、および東普雷 (佛山) 汽車部件有限公司 [Topre (Foshan) Autoparts Corporation]、東普雷 (襄陽) 汽車部件有限公司 [Topre (Xiangyang) Autoparts Corporation]、Topre Autoparts Mexico, S.A. de C.V.において自動車用プレス部品の生産設備を中心に13,242百万円。

設備の新設計画 (プレス関連製品事業)

(2015年3月31日現在)
事業所名 設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
完成後の
増加能力
相模原事業所
(神奈川県相模原市)
自動車プレス部品用金型新設 1,303 2015年
3月
2016年
3月
同程度
Topre Autoparts Mexico, S.A de C.V.
(メキシコ ケレタロ州)
自動車プレス部品生産工場等新設 4,000 2015年
7月
2017年
4月
-
Topre America Corporation
(アメリカ アラバマ州)
自動車プレス部品生産工場等新設 5,000 2015年
4月
2017年
4月
-
Topre (Thailand) Co., Ltd.
(タイ バンコク)
自動車プレス部品生産工場新設 8,000 2014年
5月
2015年
7月
-
東プレ九州
(福岡県久留米市)
自動車プレス部品金型工場新設 2,500 2014年
3月
2015年
10月
-