中央発條 (株) 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 82,050 76,693 7.0 -
営業利益 1,204 1,202 0.2 -生産性向上や材料・部品の現地調達化の推進など、原価低減活動に取り組んだため増益。
経常利益 2,504 1,584 58.1
当期純利益 1,288 717 79.6

地域別要因
<日本>
-東日本大震災からの復興需要やエコカー補助金等により自動車販売台数が増加した結果、売上高は前年度比0.8%増、営業利益は同1.1%増となった。

<北米>
-自動車販売台数の増加により売上高は41.2%増となったが、為替の影響、原材料費および労務費の増加などにより損失を計上した。

<中国>
-自動車販売台数の増加により売上高は3.3%増となったが、反日デモの影響や労務費の増加などにより損失を計上した。

<アジア>
-インドネシアや台湾市場の好調により自動車販売台数が増加した結果売上高は38.3%増となったが、原材料費および労務費の増加などにより同18.4%減となった。

合弁事業

-中国湖北省の孝感 (Xiaogan) 市において、上海中国弾簧製造有限公司 [China Spring Corporation Limited] と折半出資による合弁会社を設立することで合意したと発表した。新会社「孝感中星汽車零部件有限公司」 [Xiaogan Zhongxing Automotive Components Co., Ltd.]は、中国の華中、華南地域の自動車メーカー向けに懸架ばねを供給する。資本金は60百万元 (約8億円)。工場の建屋面積は約6,900平方メートルで、生産開始は2014年5月を予定している。 (2013年2月8日付プレスリリースより)

企業買収

-米国の製造子会社、ACKコントロールズ (ケンタッキー州グラスゴー市) を完全子会社化したと発表した。共同出資していた米自動車部品メーカー、デュラ社 (ミシガン州) から保有株売却の申し出があり、2012年7月11日付でデュラ社の保有分12.7%分を取得した。これにより、ACKに対する持ち株比率は従来の87.3%から100%になった。ACKは1989年に設立し、自動車用コントロールケーブルを生産している。主な販売先はトヨタ自動車、ホンダ、アイシングループで、2011年度の売上高は41億円だった。完全子会社化により北米での戦略の自由度が増すと判断し株の引き受けに応じた。 (2012年7月31日付日刊自動車新聞より)

受賞

-トヨタより4年連続となる技術開発賞を受賞したと発表した。(2013年2月25日付プレスリリースより)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 293 307 305

研究開発拠点

-技術センター (愛知県みよし市)

研究開発活動

シャシーばね事業
-環境負荷低減に対応したゼロ・エミッション塗装工程を有するスタビライザー生産ラインの増設を昨年行い量産中。
-上記の工法を応用した冷間成形コイルばね用ラインも昨年より量産を開始し、ハイブリッドカーを中心に多くの乗用車向けに、車両操縦安定性と乗心地向上を両立させる横力制御技術を用いた懸架用コイルばねを提供している。
-開発された工法は、コイルばねのみならず他の品種へも順次展開。
-国内を中心に軽量化や高強度化のための高強度材料や強化処理の開発、海外を中心に競争力確保のため低コスト材料の開発および採用も継続。

精密ばね事業
-商品力および競争力向上を目指し、設計素性向上活動を継続的に行っている。これらは安価な海外材や廉価材の活用を可能とし、工法面での革新とともに成果を出しつつある。
-トヨタ技術開発賞受賞の新工法・コンパクトラインにて1個単位流しにより性能・品質を向上させたリング製品が拡大、来年度から海外でも展開する。
-特殊材料に新工法を追加することで性能向上と軽量化を実現する開発も推進。
-新製品開発として、低燃費技術関連に使用される新用途ばね開発を手掛け、一部量産段階移行しつつある。

ケーブル事業
-小型・軽量かつ安全な製品をタイムリーに提供することに注力。
-早期設計段階での図面完成度向上を狙ったCAE予測技術を保有。
-新コンセプトのコンパクトでスリムな組付ラインは効率性を有し、安価で高品質な製品を提供。
-海外展開においては、部品の現地調達化、廉価な素材を活かした伸線や撚り線技術、上記コンパクトラインと合わせてグローバルなコスト競争力を実現。

技術提携

-同社とニッパツは、自動車用懸架装置に使用されるコイルばねとスタビライザーに関する特許の一部について相互に利用することに合意し、クロスライセンス契約を締結したと発表した。(2013年1月17日付プレスリリースより)

技術援助

(2013年3月31日現在)
供与先 国名 契約品目 契約年月 契約期間
Supreme Spring
(A Division of Metindustrial (Proprietary) Ltd.)
南アフリカ 自動車および
鉄道車両用シャシーばね
1984.03.31 5年
(自動延長)
Metal Textiles Corporation 米国 ニットメッシュ 1994.06.01 5年
(自動延長)
Knitmesh Limited 英国 ニットメッシュ 1991.04.01 5年
(自動延長)
Dura Automotives Systems, Inc. 米国 コントロールケーブル 1995.06.02 10年
(自動延長)
Mubea, Inc. 米国 自動車用シャシーばね 2005.06.30 対象プロジェクトの終了まで
Rozmas Celik Sanayi Ve Ticaret A.S. トルコ 自動車用シャシーばね 2010.02.20 対象プロジェクトの終了まで
Muhr Und Bender KG ドイツ 自動車用シャシーばね 2008.06.10 対象プロジェクトの終了まで

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 6,661 3,835 3,411

 

新設および改修計画

(2013年3月31日現在)
計画金額 (百万円) 設備等の主な内容・目的
日本 1,800 シャシーばね製造設備、精密ばね製造設備、ケーブル製造設備、型、治工具
北米 450 ケーブル製造設備、精密ばね製造設備
中国 900 シャシーばね製造設備、精密ばね製造設備、ケーブル製造設備
アジア 1,550 シャシーばね製造設備、精密ばね製造設備、ケーブル製造設備
合計 4,700 -