大同メタル工業 (株) 2015年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2015年
3月期
2014年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 85,015 77,350 9.9 -
営業利益 7,633 7,368 3.6 -
経常利益 8,129 8,063 0.8 -
当期純利益 4,459 4,735 (5.8) -
自動車用エンジン軸受事業
売上高 55,265 50,021 10.5 -欧州、北米ならびにアジア地域 (主に中国、タイ、韓国) での売上が伸長
-円安効果
営業利益 6,661 6,632 0.4
自動車用エンジン以外軸受事業
売上高 16,362 14,992 9.1 -国内および欧州を中心とした拡販活動の成果による受注増
営業利益 4,064 4,053 0.3

会社設立

-佐賀県武雄市に軸受け材料を加工する生産子会社「大同メタル佐賀株式会社」を新設すると発表。国内外で自動車用をはじめとする軸受けの需要増が見込まれるため、新工場と愛知県の犬山事業所の2カ所で軸受け材料の供給体制を整える。2016年6月に稼働し、今後2、3年で60億円を投資する。資本金1億円を同社が全額出資して子会社を設立する。地震などの災害リスクや人材確保のしやすさを踏まえて佐賀県を選んだ。

中期経営計画

-2014年秋までに中期経営計画 (2013年3月期~2018年3月期) を修正し、世界戦略を拡充する。2016年3月期から中期経営計画の第2ステージへ移行することに合わせ、ローリングプランを策定する。北米、中国市場の伸びが従来の想定以上で推移していることに対応し、メキシコと中国での生産基盤の拡充に向けたプランを練る。メキシコ工場は2017年3月期までにエンジン軸受の生産能力を年500万台分に引き上げることを決めているが、日米の自動車メーカーからの受注ペースが計画を上回っている。このため、もう一段の投資計画を策定する。中国では第3工場の建設を検討する。 (2014年5月14日付日刊自動車新聞より)

-チャレンジ目標

  • 連結売上高:111,000百万円
  • 営業利益額: 16,700百万円
  • 営業利益率:  15%以上

-第1ステージにおける生産拡大
2012年

  • Dyna Metal Co., Ltd. (タイ) の第3工場完成
  • 大同精密金属 (蘇州) 有限公司 [Daido Precision Metal (Suzhou) Co., Ltd.] (中国) の第2工場完成

2013年

  • Daido Metal Czech s.r.o. (チェコ) の第2工場完成
  • PT. Daido Metal Indonesia (インドネシア) の第2工場完成
  • Daido Metal Mexico S.A. de C.V. (メキシコ) の新工場完成
  • Daido Metal Russia LLC (ロシア) において、日系以外の自動車メーカーの本格生産やトラック市場を睨んだ生産対応を進める。

-第2ステージ (2016年3月期から2018年3月期) における主な課題

  • メキシコ事業の黒字化
  • BBL Daido Private Ltd. (インド) における自動車用エンジン軸受事業の立ち上げ
  • Daido Metal Russia LLC (ロシア) におけるトラック用軸受および外資系自動車メーカー向け軸受事業への取り組み
  • バイメタルの生産能力増強のため、2015年4月に設立した大同メタル佐賀株式会社での生産立ち上げ
  • 2016年までに韓国において自動車用エンジン軸受の生産能力増強

-同社グループの世界シェア

  第1ステージ
2014年 (暦年) 実績
第2ステージ
最終目標値
(2018年3月期)
自動車エンジン用半割軸受 31.5% 40%
ターボチャージャー用軸受
(スモールターボ)
34% 40%

2016年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2016年3月期
(予測)
2015年3月期
(実績)
増減率 (%)
売上高 85,500 85,015 0.6
営業利益 8,000 7,633 4.8
経常利益 8,600 8,129 5.8
当期純利益 5,300 4,459 18.9


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
合計 1,559 1,319 1,251

研究開発体制

-研究開発センター、生産技術センター、設計センターの3部門で研究開発を実施。

-2014年、チェコに欧州テクニカルセンターを開設。

研究開発活動

アイドリングストップおよびハイブリッド機構など低燃費対応エンジン用軸受の開発
-耐摩耗性、耐焼付性を向上させフリクションを低減させる新樹脂オーバレイを開発中。

新鉛フリーオーバレイ付軸受の開発
-欧州鉛規制に対応する、世界最高水準の軸受性能 (耐疲労性、耐焼付性、耐摩耗性) を有する自動車エンジン用アルミ合金軸受を開発し、提供中。
-劣悪環境下での使用に耐え得る新鉛フリーオーバレイおよび銅合金軸受材を開発し、提供中。

レース用軸受の開発
-F1レース等に使用される、超高速回転に対応する信頼性に優れた軸受を開発中。

新樹脂材系軸受材料の開発
-自動車用部品や一般産業用部品および発電機用部品などにおいて、さらなる性能向上を図るべく、新樹脂系軸受材料を開発中。

ショックアブソーバー用軸受乗り心地向上材料の開発
-自動車のショックアブソーバー用軸受における乗り心地 (操舵安定性、振動吸収など) 向上に寄与する鉛フリー樹脂系軸受材料を開発。さらに性能を向上させるため、継続して材料開発を推進している。

設備投資額

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 10,597 10,838 10,040
-自動車用エンジン軸受・自動車用エンジン以外軸受 6,947 8,502 6,574
-バイメタル (軸受材料) 製造設備 327 165 247

-2015年3月期の設備投資:

対象 内容
自動車用軸受事業
-加工専用設備 -同社および国内連結子会社 (大同プレーンベアリング (株) とエヌデーシー (株)) において生産能力増強を目的とした設備投資を実施。
-海外連結子会社では、アジア拠点、欧州拠点、北米拠点での生産能力を増強するための設備投資を実施。
-バイメタル (軸受材料) 製造設備 -国内および海外生産拠点で使用するバイメタルの大半を同社が供給。生産能力の増強を目的として、同社を中心に設備投資を実施。

海外投資

<インド>
-インド合弁会社のBBL Daido Private Limited (BBLD) において、自動車エンジン用軸受の生産工場を新設すると発表。新工場は、2015年中に操業を開始する予定。同子会社は、インドのAmalgamationsグループとの間で2001年に設立され、自動車ショックアブソーバー用ブシュを生産している。今回の工場増設を機に、大同メタル工業はBBLDへの出資比率を40%から50%へ引き上げた。(2014年6月10日付プレスリリースより)

設備の新設計画 (自動車用軸受メタル部門)

(2015年3月31日現在)
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資
予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
犬山工場
(愛知県 犬山市)
半割軸受製造設備 1,374 2013年1月 2015年9月
岐阜工場
(岐阜県 郡上市)
巻ブシュ製造設備 143 2015年5月 2016年4月
バイメタル製造所
(愛知県 犬山市)
バイメタル (軸受材料) 製造設備、工場用建物 8,727 2014年4月 2016年10月
生産技術センター、研究開発センター
(愛知県 犬山市ほか)
その他設備 475 2015年5月 2016年10月
本社
(名古屋市中区ほか)
システム投資 475 2014年4月 2016年1月
エヌデーシー(株)
(千葉県 習志野市ほか)
半割軸受製造設備 372 2014年3月 2015年4月
大同プレーンベアリング(株)
(岐阜県 関市)
半割軸受製造設備 1,002 2012年9月 2015年10月
同晟金属株式会社
[Dong Sung Metal Co., Ltd.]
(韓国 永同郡)
半割軸受製造設備 1,163 2014年5月 2016年1月
Dyna Metal Co., Ltd.
(タイ国 チャチョーンサオ)
半割軸受製造設備 676 2013年6月 2015年4月
Daido Metal U.S.A. Inc.
(米国オハイオ州、ミシガン州)
半割軸受製造設備 330 2014年12月 2016年4月
Daido Metal Kotor AD.
(モンテネグロ共和国 コトル市)
半割軸受製造設備 336 2013年8月 2015年5月
Daido Metal Czech s.r.o.
(チェコ共和国 ブルノ市)
半割軸受製造設備 1,012 2013年7月 2016年2月
Daido Metal Russia LLC
(ロシア連邦 ニズニーノヴゴロド州)
半割軸受製造設備 1,071 2013年3月 2015年10月
Daido Metal Mexico S.A. de C.V.
(メキシコ ハリスコ州)
半割軸受製造設備、巻ブシュ製造設備 2,199 2013年2月 2015年11月