大同メタル工業 (株) 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 70,886 70,326 0.8 1)
営業利益 6,286 9,523 (34.0) 2)
経常利益 6,935 8,947 (22.5)
当期純利益 4,385 5,435 (19.3)
自動車用エンジン軸受事業
売上高 44,364 41,084 8.0 3)
営業利益 5,345 6,191 (13.7)
自動車用エンジン以外軸受事業
売上高 13,769 15,225 (9.6) -
営業利益 3,480 4,245 (18.0)

要因
1) 売上高
-既存顧客からの新規受注獲得にも注力したことから自動車分野全体での売上は増加したが、外部環境の変化を受けて船舶、建設機械向けなど非自動車分野の売上が減少した。

2) 利益
-付加価値の高い製品の割合が大きい非自動車分野 (船舶・建設機械向け等) の売上減少、およびメキシコ工場建設をはじめチェコ、中国、インドネシアの工場増設等、事業拡大に伴う初期費用負担の増加などにより減益。

3) 自動車用エンジン軸受事業
-海外では、特にタイ、韓国などアジア地域での販売が大きく伸びた。欧州では域内需要の落込みが続いているが、当期においてユーロ安に支えられた輸出需要により欧州の自動車メーカー向け販売は順調に推移した。
-国内は、秋以降は補助金制度終了の反動や、欧州・中国向け輸出の減少等が見られたが、年度を通じてはエコカー補助金効果等により販売は好調に推移した。

新会社設立

-愛知県犬山市に新会社「大同インダストリアルベアリングジャパン株式会社」 (DAIDO INDUSTRIAL BEARING JAPAN CO., LTD.) を設立したと発表。資本金は8,000万円。100%出資の子会社で、中高速エンジン軸受の機械加工などを行う。 (2012年7月6日付プレスリリースより)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
合計 1,251 1,214 1,128

研究開発体制

-研究開発センター、生産技術センター、設計センターの3部門による体制。
-2013年3月31日現在、研究員75名が在籍。

研究開発活動

アイドリングストップおよびハイブリッド機構用の耐摩耗性に優れたエンジン用軸受の開発
-耐摩耗性を向上させた樹脂オーバレイを開発した。また、耐摩耗性・耐疲労性を兼ね備えた高耐久性の自動車エンジン用アルミ合金軸受を開発。

新鉛フリーオーバレイ付軸受の開発
-欧州鉛規制に対応する、オーバレイおよび銅・アルミ合金の更なる性能向上を目指し引き続き開発中。

低フリクション軸受の開発
-エンジンの低燃費化の加速に対応すべく、軸受のフリクションを極限まで低減させる表面処理方法の研究開発。

レース用軸受の開発
-F1レース等に使用される、超高回転に対応するすぐれた耐久性と非焼付性に優れた軸受を開発し提供。

新PEEK材料の開発
-自動車用部品や一般産業用部品および発電機用部品などにおいて、PEEK材料の軸受構成を研究し、更なる性能向上を図った。

ショックアブソーバー用軸受乗り心地向上材料の開発
-自動車のショックアブソーバー用軸受における乗り心地 (操舵安定性、振動吸収など) 向上に寄与する鉛フリー樹脂系軸受材料を開発。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 10,040 5,596 2,763
自動車用軸受加工専用設備 6,574 2,768 1,832
バイメタル製造設備 247 1,861 589

設備投資状況

対象 内容
自動車用軸受事業
-加工専用設備 -同社および国内連結子会社 (大同プレーンベアリング (株) とエヌデーシー (株)) において生産能力増強を目的とした設備投資を実施。
-海外連結子会社では、アジア拠点、欧州拠点での生産能力を増強するための設備投資を実施。
-Daido Metal Mexico S.A.de C.V.で新工場を建設中。
-バイメタル製造設備 -国内および海外生産拠点で使用するバイメタルの大半を同社から供給。生産能力の増強を目的として、同社を中心に設備投資を実施。

海外投資

海外工場設立
-2013年3月期にタイの第3工場、中国の第2工場が完成し、2014年3月期に入りチェコの第2工場が完成した。またインドネシアの第2工場が完成予定。

北米向けエンジン用軸受生産、メキシコに集約
-2014年度までに北米向けに供給しているエンジン用軸受の生産をメキシコ工場に全面的に集約する。10年度に米国の生産子会社2社を清算して以降、米国などへの供給は日本、欧州、東南アジアの生産拠点から実施している。これに対し、13年稼働のメキシコ新工場を北米向けの中核拠点として活用する。メキシコはブラジル向けの供給拠点としても候補にあがるが、足元ではブラジル政府の輸入制限や日系メーカーのエンジン工場が少ない点がネックになる。「南米向けには15年度以降、ブラジル新工場を設置することを検討する」(同社首脳)。 (2012年12月3日付日刊自動車新聞より)

ロシア工場、生産能力増強
-2015年度までにロシア工場の自動車用軸受の生産能力を3割拡大し、日欧の自動車メーカー向けの供給を本格化する。日本国内で確立した最新鋭の生産技術を導入し、生産ラインを2本新設する。現在、生産子会社「大同メタルロシア」の能力は完成車年200万台分。地場メーカー向けの供給を主体としている。ただ、足元ではロシア経済の復調とともに先進国のメーカーが増産計画などを推進している。このため、同子会社の能力を260万台分に引き上げ、供給体制を確立する。既存ラインの改良や、15年度にかけて生産ラインを2本設置するための総投資額は5億~10億円規模になると見込んでいる。 (2012年11月6日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画 (自動車用軸受メタル部門)

事業所名
(所在地)
設備の内容 投資
予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
完成後の
増加能力
バイメタル製造所
(愛知県犬山市)
バイメタル(軸受材料)製造設備 268 2010年7月 2013年9月 バイメタル(軸受材料)生産能力が約8%増加
犬山工場
(愛知県犬山市)
半割軸受製造設備 290 2012年4月 2013年5月 半割軸受生産能力が約147%増加
半割軸受製造設備 142 2012年5月 2013年5月 半割軸受生産能力が約30%増加
半割軸受製造設備 318 2013年4月 2014年3月 半割軸受生産能力が約60%増加
半割軸受製造設備 190 2013年4月 2014年5月 現状維持のため設備増加能力は無い
半割軸受製造設備 604 2013年1月 2014年3月 適地生産移行のため増加能力は無い
大同プレーンベアリング(株)
(岐阜県関市)
半割軸受製造設備 247 2012年9月 2014年3月 半割軸受生産能力が約5%増加
半割軸受製造設備 500 2012年12月 2013年12月 半割軸受生産能力が約20%増加
半割軸受製造設備 130 2013年1月 2014年3月 半割軸受生産能力700千Pcs/月
Daido Metal Czech s.r.o.
(チェコ ブルノ市)
工場用建物 1,085 2012年7月 2013年6月 工場用建物が12,600m2増加
半割軸受製造設備 680 2012年7月 2013年6月 半割軸受生産能力が約25%増加
大同精密金属 (蘇州) 有限公司
[Daido Precision Metal (Suzhou) Co., Ltd.]
(中国江蘇省)
工場用建物 283 2011年8月 2013年1月 工場用建物が6,600m2増加
半割軸受製造設備 189 2012年8月 2013年4月 半割軸受生産能力が約27%増加
半割軸受製造設備 240 2013年2月 2013年12月 半割軸受生産能力が約25%増加
同晟金属株式会社
[Dong Sung Metal Co., Ltd.]
(韓国忠清北道)
工場用土地・建物 217 2012年6月 2013年5月 半割軸受生産能力が約21%増加
Dyna Metal Co., Ltd.
(タイ チャチョーンサオ)
半割軸受製造設備 307 2012年4月 2013年4月 半割軸受生産能力が約13%増加
半割軸受製造設備 263 2013年4月 2014年5月 半割軸受生産能力460千Pcs/月
半割軸受製造設備 239 2012年11月 2013年10月 半割軸受生産能力約406%増加
半割軸受製造設備 272 2013年4月 2014年4月 半割軸受生産能力が約11%増加
PT. Daido Metal Indonesia
(インドネシア ブカシ)
半割軸受製造設備 286 2012年12月 2013年12月 半割軸受生産能力が約29%増加
Daido Metal Mexico S.A.de C.V.
(メキシコ ハリスコ州)
工場用建物 2,192 2012年5月 2013年6月 工場用建物新設延床面積24,795m2
その他設備 222 2012年8月 2013年4月 排水能力 40m3/h
半割軸受製造設備 279 2012年11月 2013年6月 半割軸受生産能力700千Pcs/月