大同メタル工業 (株) 2012年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2012年 3月期 |
2011年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 70,327 | 63,451 | 10.8 | 1) |
営業利益 | 9,524 | 7,714 | 23.5 | 2) |
経常利益 | 8,948 | 6,715 | 33.3 | |
当期純利益 | 5,436 | 8,123 | (33.1) | 3) |
自動車用エンジン軸受事業 | ||||
売上高 | 41,084 | 37,567 | 9.4 | 4) |
営業利益 | 6,192 | 5,242 | 18.1 | |
自動車用エンジン以外軸受事業 | ||||
売上高 | 15,226 | 13,638 | 11.6 | 5) |
営業利益 | 4,245 | 3,907 | 8.7 |
要因
1)
-海外では、中国での需要拡大ペースの大幅鈍化や欧州市場での需要減速、およびタイでの大幅減産などがあったが、北米市場の回復や新興国市場の需要拡大により、世界全体では堅調に推移。
-国内では、上半期は、東日本大震災の影響等を受けて前年を大きく下回ってたが、下期以降は、自動車メーカー各社による挽回生産や商品投入に加え、エコカー補助金再開による需要喚起等により急回復した。
2)
-収益体質が改善されたこと、国内外の関係会社の増収効果など。
3)
-前連結会計年度の当期純利益に米国子会社清算結了に伴う法人税等調整額が計上されていたため。
4)
-海外では、特に欧州をはじめとする海外メーカー向け販売が順調に推移した。
-国内では、自動車メーカー各社の挽回生産等を受けて当期の後半は大きく販売が回復し、特にトラック向け受注が好調に推移した。
5)
-海外向け販売の増加に加え、当期の後半は国内自動車部品メーカー向けも回復したため。
中期経営計画
-2017年度を最終年度とする新たな中期経営計画「トゥゲザー・トゥ・ザ・トップ(ともにトップを目指そう)」を策定し発表した。すべり軸受の全分野において世界市場でトップシェア獲得を目指すもので、17年度には売上高で今期見込み(690億円)に比べ60%超増となる1110億円を、営業利益率で15%超を狙う。グローバル規模での生産・販売・開発体制の確立のほか、地域環境に優しい製品づくりを前面に計画の実現を目指す。(2012年2月16日付日刊自動車新聞より)
新会社設立
-メキシコにエンジン用軸受けの生産子会社を設立すると発表した。北米地域における顧客ニーズへの対応と需要拡大への対応が目的。新会社の大同メタルメキシコ(仮称)は2012年1月の設立予定で、ハリスコ州アカトラン・デ・ファレス市に立地する。資本金は1億メキシコペソで、大同グループの全額出資。(2011年9月28日付日刊自動車新聞より)
-北米地域にエンジン用軸受を生産する子会社を設立することの検討を始めたと発表した。立地などの詳細は未定。同社は北米での取引を拡大しており、今後のさらなる需要増に対応するために現地生産子会社を設立することが必要と判断した。(2011年5月14日付日刊自動車新聞より)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2012年3月期 | 2011年3月期 | 2010年3月期 | |
全社 | 1,214 | 1,128 | 1,069 |
研究開発体制
-中央研究所、生産技術室、技術本部トライボグループの3部門による体制。-2012年3月31日現在、研究員76名が在籍。
研究開発実績
新鉛フリーオーバレイ付、銅合金軸受の開発-欧州鉛規制およびクリーンディーゼルエンジンに対応する、ビスマス系オーバレイおよび銅合金のさらなる性能向上を目指す。
レース用軸受の開発
-F1レース等に使用される、超高回転に対応するすぐれた耐久性と耐焼付性に優れた軸受を開発し提供した。
新PEEK材料の開発
-自動車用部品や一般産業用部品などにおいて、主に欧州でニーズの高いPEEK材料の軸受構成を研究し、更なる性能向上を図りました。
ショックアブソーバー用軸受乗り心地向上材料の開発
-自動車のショックアブソーバー用軸受における乗り心地性(操舵安定性、振動吸収など)向上に寄与する鉛フリー樹脂系軸受材料を開発した。
動荷重下におけるすべり軸受の摩耗進展解析
-弾性流体潤滑理論に基づくすべり軸受性能解析に対して、接触圧力から摩耗が発生するモデルを想定し、解析プログラムに追加することにより、動荷重下のすべり軸受における摩耗進展挙動をシミュレートするプログラムを開発した。
アイドリングストップおよびハイブリッド機構用の耐摩耗エンジン用軸受の開発
-従来製品に比べ軸受が摩耗する量を3分の1以下に抑えた高耐久性の自動車用エンジン軸受(表面層およびアルミ合金軸受)を開発した。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2012年3月期 | 2011年3月期 | 2010年3月期 | |
自動車用軸受事業 | 5,596 | 2,763 | 2,943 |
-加工専用設備 | 2,768 | 1,832 | 1,076 |
-バイメタル製造設備 | 1,861 | 589 | 1,190 |
設備投資状況
対象 | 内容 |
自動車用軸受事業 | |
-加工専用設備 | -国内生産体制の再構築における設備投資を、大同プレーンベアリング(株)とエヌデーシー(株)を中心に実施。 -海外連結子会社では、アジア拠点を中心に生産能力増強のための設備投資を実施。 |
-バイメタル製造設備 | -国内および海外生産拠点で使用するバイメタルの大半を同社から供給。生産能力の早期拡大を目的として、同社を中心に設備投資を実施。 |
設備の新設計画 (自動車用軸受メタル部門)
事業所名 (所在地) |
設備の内容 | 投資 予定 総額 (百万円) |
着手 | 完了 予定 |
完成後の 増加能力 |
前原工場 (愛知県犬山市) |
中型半割軸受製造設備 | 250 | 2011年2月 | 2012年6月 | 中型半割軸受生産能力が約70%増加 |
バイメタル製造所 (愛知県犬山市) |
バイメタル(軸受材料)製造設備 | 1,500 | 2008年1月 | 2012年10月 | バイメタル(軸受材料)生産能力が約5%増加 |
2,300 | 2008年10月 | 2012年6月 | バイメタル(軸受材料)生産能力が約8%増加 | ||
295 | 2008年10月 | 2012年4月 | バイメタル(軸受材料)生産能力が約5%増加 | ||
269 | 2010年7月 | 2012年7月 | バイメタル(軸受材料)生産能力が約8%増加 | ||
DYNA METAL CO., LTD. (Chachoengsao, Thailand) |
半割軸受製造設備 | 270 | 2011年5月 | 2012年4月 | 半割軸受生産能力が約17%増加 |
工場用建物 | 365 | 2011年1月 | 2012年4月 | 工場用建物が6,955㎡増加 | |
大同精密金属(蘇州)有限公司 [Daido Precision Metal ( Suzhou ) Co., Ltd.] (中国江蘇省) |
工場用建物 | 283 | 2011年8月 | 2012年7月 | 工場用建物が6,600㎡増加 |
前原工場 (愛知県犬山市) |
中型半割軸受製造設備 | 425 | 2011年10月 | 2012年9月 | 中型半割軸受生産能力が約260%増加 |
工場用土地・建物 | 381 | 2011年12月 | 2012年8月 | - | |
中型半割軸受製造設備 | 300 | 2012年1月 | 2012年10月 | 中型半割軸受生産能力が約41%増加 | |
中型半割軸受製造設備 | 200 | 2012年1月 | 2012年10月 | 中型半割軸受生産能力が約77%増加 | |
同晟金属株式会社 [Dong Sung Metal Co. Ltd.] (韓国忠清北道永同郡) |
半割軸受製造設備 | 143 | 2011年9月 | 2012年8月 | 半割軸受生産能力が約12%増加 |
犬山工場 (愛知県犬山市) |
半割軸受製造設備 | 291 | 2012年4月 | 2012年12月 | 半割軸受生産能力が約147%増加 |
半割軸受製造設備 | 143 | 2012年5月 | 2012年11月 | 半割軸受生産能力が約30%増加 | |
前原工場 (愛知県犬山市) |
工場用建物 | 250 | 2012年6月 | 2012年10月 | 工場用建物が1,500㎡増加 |