太平洋工業 (株) 2017年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2017年 3月期 |
2016年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 103,669 | 106,886 | (3.0) | - |
営業利益 | 8,662 | 7,869 | 10.1 | -販売物量の増加や原価改善効果により増益。 |
経常利益 | 9,957 | 9,013 | 10.5 | |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 7,524 | 7,114 | 5.8 | - |
プレス・樹脂製品事業 | ||||
売上高 | 70,876 | 74,461 | (4.8) | -自動車生産は日本、米国および中国において比較的堅調に推移。 -円高による為替換算影響があり減収。 |
営業利益 | 2,542 | 1,769 | 43.7 | -海外工場の立ち上げ費用の減少や原価改善の成果等により増益。 |
バルブ製品事業 | ||||
売上高 | 32,620 | 32,032 | 1.8 | -TPMS製品の販売が順調に推移。 |
営業利益 | 6,120 | 6,114 | 0.1 | -円高に伴う為替差損があったが、販売物量の増加や原価改善の成果により、増益。 |
受注・受賞
-アルミ材の摩擦攪拌接合 (FSW) の開発で2016年"超"モノづくり部品大賞「自動車部品賞」、2016年日本アルミニウム協会賞「技術賞」受賞。
-「新ポップアップフードシステム」でトヨタプロジェクト表彰を受賞
-「薄板ハイテン鋼材による歯型部品」を開発し、トヨタ自動車の「新型プリウスPHVプロジェクト表彰」を受賞。
中期経営計画 OCEAN-18
OCEAN-18 数値計画 | 2019年3月期 (目標) |
2017年3月期 (実績) |
2016年3月期 (実績) |
連結売上高 | 1,200億円 | 1,036億円 | 1,068億円 |
-製品別売上高比率 | プレス・樹脂67%、バルブ32% | プレス・樹脂68%、バルブ32% | プレス・樹脂70%、バルブ30% |
連結経常利益率 | 8%台 | 9.6% | 8.4% |
海外売上高比率 | 50%以上 | 44% | 48% |
総資産回転率 | 1.05回転以上 | - | - |
-中期経営目標を達成するための主な施策は以下の通り。
プレス事業
超ハイテン材プレス採用拡大と量産体制増強
・1180MPa級部品がTNGAボデーに採用・グローバル生産体制を拡充
・2019年3月期売上高増加見込:2016年3月期比約90億円
アルミ摩擦攪拌接合(FSW)の開発
・板厚の違うアルミ材を摩擦熱で接合する技術
・軽量化と歩留り向上による原価低減・日米で展開
・2019年3月期売上高増加見込:2016年3月期比約40億円
樹脂事業
オールウレタンエンジンカバーの開発
・基材とウレタンの二層構造から基材を廃止し、ウレタンのみのエンジンカバーを開発
・2016年から日本と米国で量産開始
TPMS事業
各国順次法制化に伴い、開発・生産・販売体制を拡充
・グローバルで生産・販売体制を構築
・全世界で2,800万個/年の生産能力
・2018年3月期から韓国の自動車メーカーへ納入開始
・2017年より常熟の生産能力増強
鍛圧事業
鍛圧事業は板鍛造技術を活かし拡販
・17年度は国内での養老工場拡充、北米での生産開始
・2019年3月期売上高増加見込:2016年3月期比約7億円
ダイカスト事業
アルミダイカスト事業の生産能力増強
・カーエアコン用コンプレッサー部品の一貫生産体制を構築
・エンジン補機部品・電動コンプレッサー部品への拡大
・2019年3月期売上高増加見込:2016年3月期比約20億円
2018年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2018年3月期 (予測) |
2017年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
売上高 | 110,000 | 103,669 | 6.1 |
営業利益 | 8,700 | 8,662 | 0.4 |
経常利益 | 9,500 | 9,957 | (4.6) |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 6,700 | 7,524 | (11.0) |
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2017年3月期 | 2016年3月期 | 2015年3月期 | |
全社 | 1,004 | 943 | 905 |
-プレス・樹脂製品事業 | 203 | 214 | 162 |
-バルブ製品事業 | 562 | 575 | 618 |
-全社共通 | 232 | 149 | 120 |
研究開発体制
-顧客に密着した研究開発を行う各事業部の技術部門・生産技術部門と、将来を見据えた研究開発を行う技術企画センターで構成。
-社内関連部門間の相互連携を図り、 専門メーカー・大学・研究機関など産学官を含めた開発体制により、新製品開発および競争力向上のための新材料、新工法の開発を進めるとともに、開発スピードの向上を図っている。
-ソフトウェアの研究開発は、子会社のピーアイシステム株式会社が実施。
研究開発活動
事業セグメント | 担当部門 | 研究開発内容 |
プレス製品 | -技術企画センターの技術開発部 -プレス樹脂事業部のプレス技術部と樹脂技術部 |
-摩擦撹拌接合 (FSW) 工法によるアルミテーラードブランクを用いた自動車ボデー部品 -新ポップアップフードヒンジ -オールウレタンエンジンカバー |
バルブ製品 | -バルブ・TPMS事業部の技術部および生産技術部 | -タイヤ空気圧・温度デジタルゲージ -CO2カーエアコン用リリーフバルブ・チェックバルブ |
全社共通 | -技術企画センター | -金属塑性加工技術、接合技術の研究開発 -複合材料の研究開発 -無線通信応用製品の開発 -環境負荷物質削減および使用材料低減による環境にやさしい製品・工法の開発 |
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2017年3月期 | 2016年3月期 | 2015年3月期 | |
プレス・樹脂製品事業 | 12,294 | 7,808 | 12,876 |
-国内 | 6,700 | 5,292 | 6,284 |
-海外 | 5,593 | 2,516 | 6,592 |
バルブ製品事業 | 4,391 | 4,220 | 2,529 |
-国内 | 2,347 | 2,104 | 1,443 |
-海外 | 2,043 | 2,116 | 1,085 |
その他 | 17 | 40 | 63 |
消去 | (69) | (82) | (80) |
合計 | 16,633 | 11,988 | 15,390 |
<プレス・樹脂製品>
-国内では、東大垣工場におけるプレス設備導入や自動車の新型モデル用金型等の新製品対応・増産を中心に投資。
-海外では、米国・オハイオ州における工場拡張やプレス設備導入を中心に投資。
<バルブ製品>
-国内では、鍛圧プレス事業に関する工場拡張や切削設備導入を中心に投資。
-海外では、韓国におけるアルミダイカスト新製品・増産対応を中心に投資。
-2018年3月期の設備投資額は18,510百万円を計画。
設備の新設計画 |
(2017年3月31日現在) |
会社名・ 事業所名 (所在地) |
事業 セグメント |
設備の 内容・目的 |
投資 予定額 (百万円) |
着手 | 完了 予定 |
完成後の 増加能力 |
西大垣工場 (岐阜県大垣市) |
プレス・樹脂製品事業 | 新製品対応等 | 10,441 | 2016年1月 | 2019年3月 | プレス製品の生産能力20%増加。 |
東大垣工場 (岐阜県大垣市) |
プレス・樹脂製品事業 | 新製品対応等 | 2,425 | 2016年4月 | 2019年8月 | - |
養老工場 (岐阜県養老郡) |
プレス・樹脂製品事業およびバルブ製品事業 | 新製品対応等 | 3,122 | 2016年2月 | 2018年9月 | 高精度プレス製品の生産能力100%増加。(前年からの継続) |
栗原工場、若柳工場 (宮城県栗原市) |
プレス・樹脂製品事業 | 合理化等 | 110 | 2017年2月 | 2018年10月 | - |
九州工場 (福岡県鞍手郡) |
プレス・樹脂製品事業 | 新製品対応等 | 1,577 | 2018年10月 | 2019年5月 | - |
北大垣工場 (岐阜県安八郡) |
バルブ製品事業 | 新製品対応等 | 2,547 | 2015年1月 | 2019年10月 | TPMS製品の生産能力20%増加。 |
美濃工場 (岐阜県美濃市) |
バルブ製品事業 | 維持更新等 | 831 | 2016年3月 | 2017年10月 | - |
同社 本社等 (岐阜県大垣市) |
全社 | 維持更新等 | 149 | 2017年3月 | 2018年7月 | - |
Pacific Manufacturing Ohio, Inc. (米国 オハイオ州) |
プレス・樹脂製品事業およびバルブ製品事業 | 新製品対応等 | 7,447 | 2016年4月 | 2018年3月 | プレス製品の生産能力20%増加。 |
Pacific Manufacturing Tennessee, Inc. (米国 テネシー州) |
プレス・樹脂製品事業 | 新製品対応等 | 3,432 | 2014年6月 | 2018年3月 | プレス製品生産設備の導入。 (前年からの継続) |
太平洋汽門工業股份有限公司 [Pacific Valve (Taiwan) Co., Ltd.] (台湾 台中市) |
プレス・樹脂製品事業およびバルブ製品事業 | 新製品対応等 | 948 | 2017年1月 | 2018年3月 | - |
太平洋バルブ工業株式会社 [Pacific Valve Industrial Co., Ltd.] (韓国 梁山市) |
バルブ製品事業 | 新製品対応等 | 288 | 2017年2月 | 2018年3月 | - |
太平洋エアコントロール工業株式会社 [Pacific Air Controls Co., Ltd.] (韓国 牙山市) |
バルブ製品事業 | 新製品対応等 | 2,268 | 2016年11月 | 2018年3月 | アルミダイカスト製品の生産能力30%増加。 |
Pacific Industries (Thailand) Co., Ltd. (タイ チャチョンサオ県) |
プレス・樹脂製品事業およびバルブ製品事業 | 維持更新等 | 156 | 2015年1月 | 2018年3月 | - |
天津太平洋汽車部件有限公司 [Tianjin Pacific Auto Parts Co., Ltd.] (中国 天津市) |
プレス・樹脂製品事業 | 新製品対応等 | 882 | 2017年1月 | 2017年12月 | - |
長沙太平洋半谷汽車部件有限公司 [Changsha Pacific Hanya Auto Parts Co., Ltd.] (中国 長沙市) |
プレス・樹脂製品事業 | 新製品対応等 | 898 | 2017年1月 | 2017年12月 | - |
太平洋汽車部件科技 (常熟) 有限公司 [Pacific Auto Parts Technology (Changshu) Co., Ltd.] (中国 常熟市) |
バルブ製品事業 | 維持更新等 | 3 | 2017年1月 | 2017年12月 | - |