三桜工業 (株) 2015年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2015年
3月期
2014年
3月期
増減率
(%)
要因*
全社
売上高 130,627 104,786 24.7 -海外における自動車生産の増加傾向が堅調に推移した。
-樹脂製品はGeiger Automotive GmbHを連結対象としたため、大幅に増加。
-車輛配管製品、エンジンシステム向けのブレージング製品も増加。
-車輛安全製品 (シートベルト用) は売上が減少。
営業利益 5,840 4,612 26.6 -
経常利益 5,123 4,774 7.3 -
当期純利益 1,577 2,188 (27.9) -
セグメント別売上高
-日本 38,193 41,275 (7.5) -国内自動車販売台数の減少等
-北南米 41,861 34,488 21.4 -自動車需要の回復に伴う新規受注製品の増加および為替換算による影響等
-欧州 24,446 6,080 302.1 -Geiger Automotive GmbHを連結対象とした影響
-中国 10,345 8,987 15.1 -新工場の本格稼働が寄与。
-アジア 15,781 13,956 13.1 -インドおよびインドネシアにおける新規受注製品の立ち上げ等

* 樹脂製品:クイックコネクター、樹脂チューブ製品等
 車輛配管製品:ブレーキ・燃料配管用等
 ブレージング製品:燃料噴射用、冷却水循環用、オイル冷却用等

直噴エンジン用のフューエルインジェクション (FI) レールを増産

-直噴エンジン用のフューエルインジェクション (FI) レールを増産する。中国、メキシコに加え、2016年には日本でも生産を開始し、2020年には2015年の約6倍に当たる1千万個以上に生産数量を引き上げる。燃費性能の向上、排出ガス低減に効果のある直噴エンジンは、今後、世界的に搭載が広がる見通し。生産の拡大により、2020年に直噴用FIレールの世界市場で25%のシェア獲得を目指す。 (2015年6月3日付日刊自動車新聞より)

受注

-メキシコで独自動車メーカーから樹脂製の機能部品を受注した。2013年に買収した独Geiger Automotive GmbH (以下、ガイガー、バイエルン州) が持つ製品で、三桜のメキシコ工場で生産し、独メーカーの現地工場に納入する。同社は欧州の大手自動車メーカーとの取引拡大を狙い、樹脂部品専業のガイガーを買収した。買収後の新規受注が具体化し始めたことにより、買収効果を早期に創出しそうだ。受注したのは、ラジエーターグリルとラジエーターの間に配置し、必要に応じて走行風を遮断するエアーシャッターガイドという部品。走行風を遮断することにより空力性能を向上したり、エンジンの冷え過ぎを防止して暖機時間の短縮や暖房機能を向上する機能がある。 (2014年11月26日付日刊自動車新聞より)

受賞

-三菱自動車より2013年度「VFG (Vehicle Function Group) 優秀賞」を受賞したと発表した。原価低減活動への取り組みが評価されたもの。(2014年6月27日付プレスリリースより)

2016年3月期の見通し

(単位:百万円)
2016年3月期
(予測)
2015年3月期
(実績)
増減率
(%)
売上高 133,000 130,627 1.8
営業利益 6,100 5,840 4.5
経常利益 5,500 5,123 7.4
当期純利益 2,500 1,577 58.6

-売上高の変動要因:

  • 米州、アジアでの売上増
  • 日本、欧州での売上減

-営業利益の変動要因:

  • 米州での売上増、中国の新工場立上げ効果の刈り取り
  • 日本での売上減

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 2,965 2,394 2,094

研究開発活動

新中長期開発計画 (GOAL15)
-2012年度より、世界の情勢や今後の動向を考慮して新たな視点から中期計画を見直し、新中長期開発計画 (GOAL15) を策定。
-2015年3月期は、GOAL15の総括、および新規中期計画を見据える年度として、特に環境負荷低減のための軽量化自動車部品の開発、省エネルギー新工法開発、高付加価値創出と新規製品分野に参入するための製品技術開発、計30テーマを推進した。

軽量化自動車部品の開発
-欧州自動車メーカーを中心にフューエルインジェクションレール、燃料配管やフィラーパイプ、その他パワートレイン系・燃料系部品の樹脂化が加速。ドイツの樹脂成型メーカーGeiger Automotive GmbHを2013年10月に買収し、欧州に樹脂製品の営業・開発拠点を設立。

高付加価値の新製品開発
-直噴エンジン用の高圧フューエルインジェクションレール、ディーゼルエンジン用超高圧燃料噴射管、インバーターやバッテリー周辺の熱交換製品、燃料配管の樹脂化、エンジン冷却システム、EGRシステム等の複合部品の開発・量産を推進。

設備投資費

(単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
日本 2,205 2,158 1,953
北南米 2,964 2,466 2,838
欧州 721 263 200
中国 1,155 1,404 673
アジア 875 1,338 1,226
全社 7,919 7,629 6,889


2015年3月期の設備投資
-生産性向上・設備の更新等を中心に実施。