(株) 今仙電機製作所 2010年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2010年
3月期
2009年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 74,012 86,936 (14.9) -
営業利益 5,185 3,687 40.6 -
経常利益 5,281 2,759 91.4 -
当期純利益 3,064 1,505 103.5 -
自動車部品関連事業
売上高 69,994 81,615 (14.2) -一部の地域を除いて自動車生産台数が前年を下回った。
営業利益 5,056 3,346 51.1 -固定費の削減効果などにより増益。

受注

<得意先系列別>
-最大の得意先であるホンダ系列向けが平均並みの減少率にとどまっており、米国で大きく減少したものの、中国では受注が好調に推移した。
-日産系列向けは、中国における採用車種の販売が好調となり、日本の輸出車種が回復した結果、三菱系列向けを上回る売上規模に成長している。
-三菱系列向けは大幅に落ち込んだが、徐々に回復傾向となっている。

<機種別>
-メインのシートアジャスタが日産系列向けの受注増などにより平均以下の減少となり、構成比が一層高まった。
-リレーについては、マツダ向けの電子ユニットの新規受注などにより、唯一、増加に転じている。
-ランプ、その他の製品などは大幅に減少しており、主な納入先である三菱系列の減産が影響した。

海外事業

<中国>
-2001年に現地法人GICO(広州今仙電機有限公司)を設立。現在では同社最大の海外拠点に成長した。現在の主な製品は、広汽本田(広州市)のアコード、オデッセイ、フィット、シティー、東風本田(武漢市)のCR-V、シビック、スピリアなどの車種に向けて、パワー及びマニュアルのシートアジャスタの生産を行っている。

<インド>
-インドの部品生産子会社の増資を実施すると発表した。同国市場が回復基調に入ってきたことを受け、凍結していた工場を2010年春稼働を開始することを決定、生産設備、金型などの設備投資を進める。増資するのはイマセン・マニュファクチャリング・インディア・プライベート・リミテッド(IMIP)。1億5千万ルピー(約3億円)を増資し、3億1670万ルピーと資本金をほぼ倍増させる。(2010年1月18日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

2011年3月期業績見通し

-減税打ち切りによる国内需要の落ち込みが予想されるが、海外では大幅な生産調整がなくなり、需要・生産が回復するとみている。
-海外の受注増加が収益改善要因となるが、緊急措置の緩和や円高の影響などから、若干の減益を予想している。
-得意先系列別売上高については、多くの系列向けで増加に転じるとみている。
-ホンダ系列向けは、北米の回復により前期比5.2%増を見込む。
-日産系列向けは、ほぼ前期並みを予想している。
-三菱系列向けでは、輸出車種の生産回復による受注増を見込んでいる。
-機種別の構成比には大きな変化はない。ランプの増加率が高くなっているが、これは主に三菱系列向けの生産回復と新規受注による。
-中国は、当社グループの収益を支える重要な拠点となっているため、受注の拡大、現調化、内製化に対応すべく、第4期拡張工事を実施しており、2010年6月に設備レイアウトまでを完了する予定である。
-インドでは、2010年4月よりホンダ向けマニュアルシートアジャスタ量産を開始した。

新中期経営計画「Proud 2nd Stage (Recovery 1-2-3)」への取り組み

  目標 年度 施策
Step 1. スリム 縮小した市場でも利益確保できる体制への絞込み 2009年度 -資材費低減と生産性向上
-業務効率改善と労務費削減(組織変更を2009年3月より実施)
-改善活動の専門部門として経営体質改革チームを新設
Step 2. シンプル 生産体制、事業構成を最適化 2010年度 -工場間の生産移管、工場の統廃合を含む国内生産拠点の再編
Step 3. スピード 業務効率革新による高い生産性の実現 2011年度 <製品開発>
-安全性向上:シートアジャスタ機構にて頚部衝突衝撃緩和を図る製品開発
-環境対応:燃費性能の向上に役立つ軽量化
-快適性向上:シートアジャスタ機構と電子ユニットなどの電子技術の融合により製品開発

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2010年3月期 2009年3月期 2008年3月期
全社 118 136 146
対売上高比率(%) 0.16 0.16 0.16

研究開発活動

自動車部品関連事業
<シートアジャスタ>
-衝突時の乗員保護を目的とした高強度製品や衝撃を吸収する製品の開発を実施。
-低燃費を実現させるために部品の削減、新素材、新加工による小型軽量化製品の開発を実施。
-乗り心地の良い製品や疲れにくいシート製品の研究開発を実施。
-CAE解析技術を活用した製品開発期間の短縮と、シートスライドアジャスタ、シートリクライニングアジャスタなどの機能性向上、小型軽量化、低コスト化を目指した研究開発活動を実施。
-音・振動といった感覚的に性能に優れたパワーシートアジャスタの開発及びパワー作動時の挟み込み防止技術などのシートの動作を制御する電子ユニットとの融合開発を行い、自動車メーカー、シートメーカーへの提案と新製品の共同開発活動を実施。

<ウィンドレギュレータ>
-更なる小型化、軽量化を図るため、新構造の提案活動を実施。

<電子ユニット>
-各種装置の複合制御を可能にした統合ユニットの製品化をはじめ、メモリーシートECUやシートベルトプリテンション制御ECUを製品化し、更に各種シートアレンジ制御など、機構と電子を融合したメカトロニクス製品の研究開発を実施。

<ランプ>
-LED素子を採用したリアコンビネーションランプ、ルームランプなどの多種の新規ランプを開発。
-制御ユニット、ランプ、ロック機構を組み合わせたオーバーヘッドコンソールは、モジュール化の研究開発中。

<ホーン>
-更なる小型化、低価格化の実現と高品質化を両立した新製品開発を推進中。

<その他の製品>
-トラックのエア系統を制御するマグネチックバルブや、エアコン用ダクトの開閉制御を行うアクチュエーターの小型化、軽量化、高性能化、複数のマグネチックバルブの一体モジュール化の研究開発や、大型二輪車用の電動スクリーン(風防の電動調整装置)を開発、製品化するなど、機構・電動技術を応用した新製品の開発を展開中。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2010年3月期 2009年3月期 2008年3月期
全社 1,844 5,731 7,599
自動車部品 1,752 5,656 7,514

-主なものは、ラウンドリクライニングアジャスタ及びシートアジャスタの製品生産設備。

海外投資

-凍結していたタイでの新工場建設を再開した。シートアジャスターを生産し、現地のいすゞ自動車やホンダの工場に納入する。約2億円を投資し、タイ子会社Imasen Manufacturing (Thailand) Co., Ltd.の隣接地に建設。2011年3月期前半に着工し、2012年3月期中に稼働開始の予定。当初計画では、稼働時期を2009年半ばとしていたが、昨秋以降の景気低迷や取引先の減産により凍結していた。しかし、現地での受注量が回復しつつあり、現工場が手狭になる見通しとなったため、建設の再開を決定した。(2009年12月各種リリースより)

設備の新設計画(自動車部品関連事業)

(2010年3月31日現在)

会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
今仙電機名古屋工場
(愛知県犬山市)
生産設備 1,325 2010年
4月
2011年
3月
今仙電機岐阜工場
(岐阜県加茂郡)
生産設備 684 2010年
4月
2011年
3月
今仙電機八百津工場
(岐阜県加茂郡)
生産設備 272 2010年
4月
2011年
3月
今仙電機岡山工場
(岡山県倉敷市)
生産設備 137 2010年
4月
2011年
3月
今仙電機可児工場
(岐阜県可児市)
生産設備 129 2010年
4月
2011年
3月
今仙電機春里工場
(岐阜県可児市)
生産設備 98 2010年
4月
2011年
3月
今仙電機広島工場
(広島県東広島市)
生産設備 206 2010年
4月
2011年
3月
広州今仙電機有限公司
[Guangzhou Imasen Electric Industrial Co.,Ltd.]
(中国 広東省)
建物、生産設備 600 2010年
1月
2010年
12月
Imasen Bucyrus Technology Inc.
(米国 オハイオ州)
生産設備 950 2010年
1月
2010年
12月
Imasen Manufacturing India Pvt. Ltd.
(インドラジャスタン州)
生産設備 250 2010年
1月
2010年
12月
Imasen Manufacturing (Thailand) Co., Ltd.
(タイ アユタヤ県)
建物、生産設備 600 2010年
1月
2010年
12月
Imasen Philippines Mfg. Corp.
(フィリピン ラグナ州)
生産設備 40 2010年
1月
2010年
12月