(株) ジェイテクト 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 1,067,526 1,052,671 1.4 -東日本大震災からの復興需要やエコカー補助金のによる自動車販売の増加などにより、ステアリングの販売が増加し増収。
営業利益 29,158 35,657 (18.2) -売価水準の低下等により減益。
経常利益 34,240 38,649 (11.4)
当期純利益 13,862 13,303 4.2 -
機械器具部品
売上高 921,798 902,797 2.1 -ステアリングの販売が大幅に増加し増収。
営業利益 17,494 22,862 (23.5) -売上高増加による増益要因を、売価水準の低下が相殺。

標準化プロジェクト

-自動車メーカーのモジュール戦略に対応し、提案のプロセスを抜本的に見直す。従来は顧客や車両プロジェクトごとに専用設計に近い形で適合開発に取り組んできたが、標準品を軸に据えることで設計の無駄などを徹底的に省く。2012年度中にステアリング、駆動系ユニット、ベアリングの主力3分野で、標準品のカタログを作成。部品のコア部分は標準品、取り付け部分はメーカーごとの仕様を提案する。系列をまたいだ共通化を検討してもらう一方、量産効果によるコスト低減を訴求する。

部品の評価体制

-世界各地に自前の評価体制を構築、顧客の手を煩わせずに最適な仕様を提示できる環境を整える。これにより、開発分野のコスト低減や期間短縮を実現し、一層の受注拡大に結びつける。 (2012年10月19日付日刊自動車新聞より)

-2012年10月10日、三重県伊賀市に新設したテストコース「伊賀試験場」の開所式を実施した。従来、テストコースでの評価、試験はトヨタ自動車などの施設を借りて手がけていたが、国内では同社初となる自前のテストコースを設置した。総合周回路とともに、世界最高水準の平坦性を実現したダイナミクスパッド、新興国各国の路面を模した異音評価路などを用意した。製品の性能向上や開発期間の短縮に向けて大きな役割を担う。新たに設置したテストコースは敷地面積が約50万平方メートル、コース面積が約16万平方メートル。投資額は約30億円。 (2012年10月11日付日刊自動車新聞より)

吸収合併

-完全子会社の豊田工機トルセン (埼玉県狭山市) を10月1日付で吸収合併すると発表した。豊田工機トルセンは差動制限装置 (トルセン) を開発、製造している。ジェイテクトは自動車部品事業で商品の標準化、シリーズ化、モジュール化を推進しており、同子会社の吸収合併により商品力の向上と経営資源の効率化を図る。 (2012年8月1日付日刊自動車新聞より)

2014年3月期の見通し

(単位:億円)
  2014年3月期
(予測)
2013年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 11,200 10,675 4.9
営業利益 360 291 23.7
経常利益 340 342 (0.6)
当期純利益 155 138 12.3

2014年3月期 事業別売上高の見通し

(単位:億円)
  2014年3月期
(予測)
2013年3月期
(実績)
増減
(%)
機械器具部品計 9,650 9,217 4.7
-ステアリング 5,190 4,837 7.3
-ベアリング 3,240 3,184 1.8
-ドライブライン 1,220 1,196 2.0
工作機械等計 1,550 1,457 6.4
合計 11,200 10,675 4.9

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 36,355 34,704 31,938

日本の研究開発拠点

テクニカルセンター 自動車部品事業本部 -神奈川県 横浜市
-愛知県 岡崎市
-奈良県 橿原市
産機・軸受事業本部 -神奈川県 横浜市
-愛知県 豊田市
-大阪府 柏原市

研究開発

-株式会社豊田自動車研究所との共同研究により、トルセンの歯車表面をナノレベルで解析し、トルセンの信頼性・静粛性を向上させる摩擦制御技術を開発した (トルセンは、前後輪または左右輪へのトルク配分を走行条件に応じて瞬時に最適化する商品)。この技術により、ハイブリッド車などの高い静粛性を求められる車両にも搭載できるようになった。トライボロジーを基盤とする自動車部品の新技術として画期的であることが認められ、日本トライボロジー学会技術賞と自動車技術会論文賞を受賞した。

製品開発

ステアリング部門
-ステアリングの中で環境貢献度が最も高い電動パワーステアリング (EPS) を中心に、各種ステアリングシステムの小型化・軽量化に取り組み、コラムアシスト式パワーステアリングの新シリーズとして、「ECU・モーター合体タイプC-EPSシステム」を開発。従来品より約30%の小型化と35%の軽量化を実現。さらに約10%の消費電力削減を実現した。

ベアリング部門
-世界トップクラスの低トルク性能 (当社従来ベアリング比80%のトルク低減) を誇るディファレンシャル用超低トルク円すいころ軸受「LFT-III」が国産スポーツ車等へ採用された。駆動系部品のトルセンとの組み合わせにより、車の走行安定性向上と低燃費化の両面に貢献する。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 109,602 65,864 30,850
機械器具部品 95,771 59,289 27,321

全社

-各地域の需要に対応するための生産拠点の増強。
-伊賀試験場の開設。
-コア技術の内製化、革新工法・設備の開発、グローバル標準ラインの構築。

機械器具部品
-新興国地域の需要増加に対応するための生産拠点の増強整備。
-テクニカルセンターや伊賀試験場の開設等。

設備の新設

(2013年3月31日現在)
事業所名 所在地 設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
国分工場 大阪府
柏原市
機械器具部品
製造設備等
3,800 2013年
4月
2014年
3月
香川工場 香川県
東かがわ市
機械器具部品
製造設備等
3,700 2013年
4月
2014年
3月
花園工場 愛知県
岡崎市
機械器具部品
製造設備等
3,300 2013年
4月
2014年
3月
ダイベア (株)
本社・和泉工場ほか
大阪府
和泉市
機械器具部品
製造設備等
1,280 2013年
4月
2014年
3月
JTEKT (Thailand) Co., Ltd. タイ
バンパコン郡
機械器具部品
製造設備等
7,800 2013年
4月
2014年
3月