旭硝子 (株) 2013年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2013年 12月期 |
2012年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 1,320,006 | 1,189,952 | 10.9 | - |
営業利益 | 79,894 | 101,751 | (21.5) | - |
経常利益 | 63,143 | 86,621 | (27.1) | - |
当期純利益 | 10,333 | 43,790 | (76.4) | - |
ガラス部門 | ||||
売上高 | 664,239 | 562,140 | 18.2 | 1) |
営業利益 | (13,068) | (662) | - | - |
要因
1) ガラス部門
-2013年12月期の売上高は、前年比10.9%の増加。日本では自動車生産台数の減少を受け出荷数が減少したが、欧州、アジア、北米の出荷が堅調に推移。円安効果も売上高増加に寄与した。
海外事業
-紫外線 (UV)・赤外線 (IR) をカットする自動車ドア用の強化ガラス販売で、海外での受注に注力する。同ガラスは日本国内で生産する車両での採用が広がっているものの、海外向けでは一部の輸出車両での採用にとどまっている。国内での好調な需要を受け、海外での需要を喚起し受注増につなげる。先進国のほか新興国での採用を目指し、受注拡大に従い海外工場で生産することも視野に拡販に注力する。(2013年3月2日付日刊自動車新聞より)<ブラジル>
-ブラジル子会社であるAGCガラス・ブラジルが、ガラスの商業生産を開始したと発表。工場立ち上げ時から建築用ガラスと自動車用ガラスを同時に量産して、順次出荷する予定。ブラジル工場は、サンパウロ州グアラティンゲタ市に、約400億円を投資して2011年11月に着工した。新工場の生産能力は2016年に自動車用ガラスが年間50万台分、フロートガラスが年間22万トンを計画している。従業員数は同年で約500人の予定。(2013年10月22日付日刊自動車新聞より)
<中国>
-2013年、中国蘇州市を拠点とする旭硝子特種玻璃蘇州で、太陽電池用カバーガラスを製造している製造設備を順次停止し、自動車用ガラスの製造拠点に転換すると発表。太陽電池用カバーガラスは供給過剰で販売価格が急落している。市場拡大が見込まれる自動車用ガラス生産拠点に事業転換することで、経営資源を有効活用する。設備投資額は約45億円。2015年第1四半期に量産を開始する予定で、同社の中国での自動車用ガラス工場としては3拠点目となる。
2014年12月期の見通し |
(単位:億円) |
2014年12月期 (予測) |
2013年12月期 (実績) |
増減 (%) |
|
売上高 | 14,000 | 13,200 | 6.1 |
営業利益 | 750 | 799 | (6.1) |
-2014年の自動車用ガラス事業は、新興市場での堅調な需要が牽引し出荷が増加すると見込む。
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2013年12月期 | 2012年12月期 | 2011年12月期 | |
グループ全体 | 46,882 | 48,360 | 46,442 |
-ガラス部門 | 8,529 | 8,053 | 8,466 |
-同社は、2014年12月期の研究開発費を45,000百万円と見込む。
研究開発体制
-全社の研究開発を統括する「技術本部」の傘下に、以下研究開発組織を保有:- 中央研究所:新材料・新商品開発および共通基盤技術開発
- 生産技術センター:生産技術に関する研究・開発・設備化
- エンジニアリングセンター:生産設備の建設・既存設備に関わる開発・メンテナンス等
- 知的財産センター:知的財産の分析・出願・権利化、知財戦略の策定・推進
- 事業部研究開発部署:現行事業およびその周辺に関わる新製品・新品種開発、生産技術改良等
技術供与契約 |
(2013年12月31日現在) |
相手先 | 国名 | 契約内容 | 契約期間 |
PT Asahimas Flat Glass Tbk | インドネシア | フロート板ガラス製造技術の提供 | 1993年1月1日より10年間 (以降1年毎に自動延長) |
製品開発
紫外線カットガラス-紫外線 (UV) を約99%カットする自動車用強化ガラス「UVベール・プレミアムシリーズ」と自動車用合わせガラス「ラミセーフ」の2製品が皮膚がんに関する代表的な国際組織である米国の皮膚がん財団の認証を取得。今回認証を取得した高性能コーティング膜により、世界で初めて紫外線カット率約99%を実現したUVベール・プレミアムシリーズは、2010年12月に日本で発売し、運転席・助手席の日焼け対策としてサイドガラスを中心に採用が進んでいる。日本ではすでに25車種に搭載されており、今後は北米をはじめとして海外展開を目指す。(2013年10月28日付日刊自動車新聞より)
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2013年12月期 | 2012年12月期 | 2011年12月期 | |
グループ全体 | 138,500 | 155,300 | 152,700 |
-ガラス事業 | 73,800 | 58,400 | 50,400 |
-2013年12月期のガラス部門における主な設備投資は、ブラジルにおける建築用ガラスおよび自動車用ガラス製造設備の新設等。
-同社は、2014年12月期の設備投資額を140,000百万円と見込む。
海外投資
<メキシコ>
-2013年、メキシコ・サンルイスポトシ州に自動車用ガラスの生産拠点「AGCオートモーティブ・メキシコ」を設立すると発表。投資総額は約6千万ドル (約59億円) で、合わせガラスの年産能力は150万台分。2016年に年間生産能力75万台分の設備で立ち上げ、需要動向に合わせて設備を増強していく。同社は2007年にメキシコ生産から一時、撤退しており、今回は9年ぶり、2度目の進出になる。