愛知製鋼 (株) 2014年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
2014年
3月期
2013年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 237,420 217,279 9.3 -主力の鋼材・鍛造品の生産・販売数量は、自動車向け需要が高水準で推移、非自動車分野の鋼材需要が第4四半期以降回復
営業利益 9,627 7,332 31.3 -
経常利益 9,810 7,929 23.7 -
当期純利益 5,503 4,898 12.3 -
部門別売上高
鋼材事業 114,669 104,223 10.0 -販売数量の増加により増収
鍛造品事業 106,140 98,030 8.3 -販売数量の増加により増収
電磁品事業 12,644 11,242 12.5 -マグファイン磁石および電子部品の販売数量の増加により増収

<2015年度中期経営計画の方針>
全事業の収益力を徹底的に強化
-ZZ100 (平成26年度末までに年間100億円の利益を上げられる体質にする活動) など全社一丸での原価低減
-電磁品事業の新ビジネスモデル確立による安定黒字化で収益へ貢献

鋼材・鍛造品事業ともに国内マザー機能を強化し、グローバルに展開
-国内リエンジ (ものづくり改革) による「ものづくり力」の強化
-海外拠点の自律化の推進
-海外メーカへの積極的な技術支援・業務提携などによるグローバル化

全社営業、マーケティング力強化による新市場開拓
-営業から技術まで、全社一丸となった拡販強化
-輸出戦略、ブランド戦略の検討を促進
-鋼材・鍛造品一貫生産の強みで高採算性商品の開発・拡販の促進

連結経営の強化⇒アイチグループの価値創出

目標とする経営指標
-創立80周年の節目の年となる2020年に連結売上高3,000億円以上、連結営業利益200億円以上達成を目指す。

高強度研削材「ASショット」

-2013年秋をめどに高強度研削材「ASショット」の本格販売を開始すると発表。ASショットは従来製品に対して粉じんが発生しにくく、繰り返し使用することもできる環境対応型の研削材。自動車分野では金型の洗浄が主な用途となる。このほど知多工場 (愛知県東海市) に量産体制を構築し、現状に比べ約4百倍となる年4千トンの生産能力を確保した。今後は自動車や橋梁、造船、塗装業など幅広い業種に販売する。2015年度をめどに年4千トンを販売する計画。(2013年7月19日付日刊自動車新聞より)

技術支援契約

-2013年、インドのUsha Martin Ltd. (UML) に対して特殊鋼の品質向上のための生産技術を指導することに合意し、技術支援契約を締結したと発表。UMLは特殊鋼棒鋼の製造・販売を行っており、Jamshedpurに製鋼工場を保有している。愛知製鋼の技術支援を受けて、今後インドにおける自動車用特殊鋼棒鋼の需要拡大に対応する計画。(2013年5月30日付プレスリリースより)

2015年3月期の見通し

(単位:百万円)
2015年3月期
(予測)
2014年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 238,000 237,420 0.2
営業利益 8,000 9,627 (16.9)
経常利益 7,200 9,810 (26.6)
当期純利益 4,600 5,503 (16.4)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
2014年3月期 2013年3月期 2012年3月期
鋼材事業 2,049 2,416 2,378
鍛造品事業 177 167 205
電磁品事業 1,244 1,013 753
合計 3,471 3,597 3,337

研究開発体制

-2014年3月31日現在、研究開発人員は約220名。

研究開発活動

鋼材事業
-主な開発の成果は以下の通り:
  • エンジンの軽量化や燃費向上に貢献するクランクシャフトやコンロッド用鋼の研究開発
  • 駆動伝達ユニットの軽量化や高出力化に貢献する高強度歯車用鋼および低コスト化に貢献する省合金歯車用鋼 (モリブデン含有量を低減) や浸炭熱処理時間を画期的に短縮する歯車用鋼の研究開発
鍛造品事業
-主な開発の成果は以下の通り:
1) 熱間鍛造プロセスの高効率製造・低コスト化

  • CVTシャフトの高速自動鍛造化と更なる製造サイクル短縮化
  • 小型クランクシャフト専用4500Tプレスの建設と高速自動多数個取り化
  • 省エネルギー・低CO2排出熱処理炉の本格稼動
2) 冷間鍛造の高精度・低コスト化
  • 高精度インナースプライン成形、パーキングロックギヤ成形のラインナップ拡大
  • アップセッタ代替工法であるスクリュ成形によるリアアクスルシャフト生産体制構築
  • 部品の小型軽量化を目的とした中空クランクシャフトの製造工法開発
  • 高精度・低コスト化を目的とした金型加工用5軸加工機の導入と開発
  • 鍛造金型の長寿命化を目的とした表面処理技術開発
電磁品事業
-主な開発の成果は以下の通り:
  • MIセンサー、モーター用磁石、歯科用磁性アタッチメント、車載電子機器用放熱部品の開発
  • 経済産業省からの補助金を受け、「エアコンコンプレッサーおよび電動パワーステアリングモーター用Dyレスネオジム系ボンド磁石ローターの実用化研究」、「農機具およびEV用Dyレスネオジム系ボンド磁石ローターの実用化研究」、「Dyフリーネオジム系ボンド磁石活用によるEVモーター実用化技術の開発」の3つの事業を完了
  • 次世代自動車向け高効率モーター用磁性材料技術の開発

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
2014年3月期 2013年3月期 2012年3月期
鋼材事業 3,199 3,952 6,361
鍛造品事業 7,730 5,995 3,480
電磁品事業 1,960 227 793
その他 41 98 15
合計 12,930 10,272 10,649

鋼材
-製造設備の合理化および維持更新・環境対応等に投資。

鍛造品
-生産能力増強および製造設備の合理化および維持更新等に投資。

電磁品
-生産能力増強等に投資。

設備の新設計画

(2014年3月31日現在)
事業所名
(所在地)
事業の
種類
設備内容 投資予定
総額
(百万円)
着工 完了 完成後の
増加能力
知多工場
(愛知県東海市)
鋼材他 製鋼設備、圧延設備ほか 5,097 2013年
2月
2018年
12月
*
刈谷工場
(愛知県刈谷市)
鋼材 圧延設備ほか 265 2013年
3月
2015年
9月
*
鍛造工場
(愛知県東海市)
鍛造品 鍛造品生産設備 1,921 2011年
11月
2016年
12月
*
電子部品工場
(愛知県東海市)
電磁品 電子機能材料、部品製造設備 160 2013年
12月
2016年
3月
*
*設備完成後の生産能力は、2014年3月末とほぼ同程度となる見込み。