愛知製鋼株式会社 2007年度の動向

ハイライト

2008年3月期のハイライト

業績
(単位:
百万円)
2008年
3月期
2007年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 253,462 235,637 7.6 最適生産体制の構築に取り組むとともに、生産性向上と原価低減活動の推進に努めた。
営業利益 10,884 10,610 2.6 原材料価格が値上がりしたが、販売価格改善と原価低減、海外子会社の利益増により増益を達成。
経常利益 9,332 10,109 (7.7) 急激な円高ドル安の影響を為替差損として営業外費用に計上。
当期純利益 5,692 4,922 15.7 -
部門別売上高
鋼材 140,282 128,078 9.5 販売数量の増加と販売価格の改善効果。
鍛造品 104,323 100,163 4.2 最適生産体制の構築への取り組みと、販売価格の改善効果。
電磁品 4,417 2,975 48.5 ネオジム系ボンド磁石「マグファイン」の販売数量増加。

電磁品事業

同社は電磁品事業の中核事業化を目指している。

-工場設立

日本

電磁品の事業拠点として、岐阜県関市に磁粉・磁石の新工場を建設する。2008年3月に着工、稼動開始は2009年5月の予定。

>>> 詳細は 設備投資 参照

チェコ

2007年9月、「Aichi Magfine Czech s.r.o.」を設立。資本金は約3億円で、同社の完全子会社であるAichi Europe GmbH (AE)、豊田通商(株)、Toyota Tsusho Europe S.A. (TTESA)の3社合弁による。出資比率はAE 65%、豊田通商 30%、TTESA 5%となっている。小型・軽量モータ用磁石の生産を行う。

「Aichi Magfine Czech s.r.o.」は、2008年2月よりネオジム系ボンド磁石「マグファイン」の生産を開始し、Robert Bosch GmbHに供給する。

>>> 詳細は 設備投資 参照

-事業計画

車載モーターの軽量・小型化を可能にするネオジム系ボンド磁石「マグファイン」の販売を拡大する。同社は電磁品事業を新規事業分野として育成中。2010年度には、2007年度売上見込みの10倍以上に相当する、500億円の売上を同事業で目指している。(2007年7月11日付日刊自動車新聞より)

開発動向

研究開発体制

2008年3月31日現在、研究開発人員が約190名。

研究開発費
(単位:百万円) 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
全社 2,001 2,446 2,456

事業別 研究開発活動 (2008年3月期)

事業 開発費
(百万円)
研究開発活動
鋼材 792 -自動車部品用の新しい特殊鋼の研究開発、ステンレス鋼の新しい製造方法等を行っている。

-今期は、土木鋼構造物の長寿命化に貢献するクロム系ステンレス形鋼の商品化を行った。
鍛造品 100 -自動車用部品として使用される鍛造品の開発を行っている。

-今期は、金型部分強化技術、金型潤滑技術等の要素技術を開発。
電磁品 1,108

-磁気インピーダンス(MI)センサの開発、モータ用の磁石の開発、車載電子機器用放熱部品の開発等を行っている。

-今期は、MIセンサの高感度・高性能化を行ったほか、モータ用耐熱磁石を開発。

設備投資

設備投資額
(単位:百万円) 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
全社 13,165 28,359 21,373

事業別 設備投資 (2008年3月期)
事業 設備投資額
(百万円)
設備投資の目的
鋼材 6,289 製造設備の合理化および老朽更新・機能アップ等
鍛造品 5,432 生産能力増強等
電磁品 1,239 生産能力増強等

国内投資

電磁品の事業拠点として、岐阜県関市に磁粉・磁石の新工場を建設する。自動車用小型モータ等に使用される「ネオジム系異方性ボンド磁石 (商品名:マグファイン)」の需要拡大が見込まれており、既存の知多工場と東浦工場の生産能力では供給に不足が生じるため。この関工場は2009年5月に稼動開始の予定で、操業初年度に月産200万個の生産能力を備える見込み。今回は第一期工事として約10億円を投資。今後の需要量を見ながら、生産規模を順次拡大していく計画。マグファイン磁石は従来のフェライト磁石に比べて、自動車用小型モータでは約50%の小型化、約40%の軽量化に寄与している。(2008年1月31日付プレスリリースより)

海外投資

-チェコ

「Aichi Magfine Czech s.r.o.」は、2008年2月よりネオジム系ボンド磁石「マグファイン」の生産を開始し、Robert Bosch GmbHに供給する。まず月産20万個の生産ラインを立ち上げ、2010年には月産200万個以上へ生産能力を増強する計画。小型・軽量マグファインモータの需要は、2010年に国内外合わせて月産500万個以上と予測され、同社ではそれに対応する生産能力の増強を図る計画。(2007年12月13日付プレスリリースより)

設備の新設

事業所名
(所在地)
事業の
種類
設備内容 投資予定
総額
(百万円)
着工 完了 完成後の
増加能力
知多工場
(愛知県東海市)
鋼材
製鋼設備、圧延設備 他 7,795 2006年
2月
2010年
3月
*
刈谷工場
(愛知県刈谷市)
鋼材

圧延設備 他

900 2006年
7月
2008年
10月
*

鍛造工場
(愛知県東海市)

鍛造品 鍛造品生産設備 3,033 2006年
3月
2010年
6月
*
東浦工場
(愛知県知多郡)
電磁品
磁石応用製品製造設備 他 638 2006年
3月
2010年
12月
*
岐阜工場
(岐阜県各務原市)
電磁品 電子機能材料、部品製造設備 152 2007年
9月
2008年
8月
*
関工場
(岐阜県関市)
電磁品 磁石応用製品製造設備 他 4,794 2005年
12月
2009年
6月
新設
* 設備完成後の生産能力は、2008年3月末とほぼ同程度となる見込み