愛三工業_2008年3月期の動向
ハイライト
業績
(単位: 百万円) |
2008年 3月期 |
2007年 3月期 |
増減率 | 主な要因 |
全社 | ||||
売上高 | 189,589 | 175,003 | 8.3% | 国内外での増産や積極的な拡販活動により、フューエルポンプモジュール、スロットルボデー、キャニスタの主力3製品を中心に売上増加。 |
営業利益 | 9,211 | 7,997 | 15.2% | 売上高の増加や合理化効果。 |
当期純利益 | 5,310 | 3,285 | 61.6% | 前年度の特別損失がなくなったことによる。 |
自動車部品 | ||||
売上高 | 182,041 | 167,627 | 8.6% | - |
地域別売上高
(単位: 百万円) |
2008年 3月期 |
2007年 3月期 |
増減率 | 要因 |
日本 | 132,889 | 129,351 | 2.7% | エンジンバルブやフューエルポンプモジュールの増加 |
北米 | 27,916 | 23,769 | 17.4% | フューエルポンプモジュールやスロットルボデーの増加 |
アジア | 26,740 | 21,021 | 27.2% | フューエルポンプモジュールやスロットルボデーの増加 |
欧州 | 16,645 | 13,908 | 19.7% | フューエルポンプモジュールやスロットルボデーの増加 |
国内動向
-デンソーとの協業
デンソーは同社の普通株式を公開買付(TOB)する。両社は2000年よりスロットルボディの共同開発・生産補完を開始し、その後インジェクター、フューエルポンプへと協業製品を拡大してきた。今後は、燃料噴射システムの製品構想段階から、開発および生産における緊密な連携を進めていく計画。そのため、デンソーが同社の株式550万株(9.94%)の取得を目指して本買付を実施する。また、同社もデンソーの株式を取得し、一層の関係強化を目指す。(2007年5月11日付プレスリリースより)
海外動向
-海外拠点の構造改革
チェコ
生産拠点「Aisan Industry Louny s..r.o.」において、アルミダイカスト事業を強化するため工場増築。
中国
「愛三(天津)汽車部件有限公司」で、フューエルポンプモジュールの生産準備を進行。
韓国
生産子会社「玄潭産業(株)」および「三愛精密(株)」への出資比率を95.0%に引き上げるなど、同社グループとして体質強化に向けたマネジメント体制の見直しを実施。
開発動向
(単位:百万円) | 2008年3月期 | 2007年3月期 | 2006年3月期 |
全社 | 7,208 | 6,592 | 6,267 |
研究開発活動 (2008年3月期)
-国内新長期規制に対応可能な、日本初の「LPガス(液化石油ガス)液体噴射システム」の製品化。
-ディーゼルエンジンの運転状態に応じて排気通路を閉じ、排気圧力を高めて排気温度を上昇させることでディーゼル排出ガス浄化フィルタ(DPF)の再生を可能にする「排気圧力制御バルブ」の製品化。
-電子スロットルボデー、フューエルポンプモジュール、キャニスタ等の主力製品に関して、消費電力軽減、軽量化、制御性向上およびバイオ燃料対応をはかるなど、環境を意識した活動を行った。
設備投資
(単位:百万円) | 2008年3月期 | 2007年3月期 | 2006年3月期 |
全社 | 10,890 | 13,674 | 10,857 |
-製品別・子会社別 (2008年3月期)
製品 | 会社名 | 国名 | 設備 投資額 (百万円) |
主力3製品 -フューエルポンプモジュール -スロットルボデー -キャニスタ |
同社 | 日本 | 1,911 |
玄潭産業(株) [Hyundam Industrial Co., Ltd.] |
韓国 | 879 | |
Franklin Precision Industry, Inc. |
米国 | 476 | |
愛三(天津)汽車部件有限公司 [Aisan (Tianjin) Auto Parts Co., Ltd.] |
中国 | 541 | |
P.T. Aisan Nasmoco Industri |
インドネシア | 394 | |
合計 | 4,888 | ||
エンジンバルブ | 同社 |
日本 | 1,295 |
愛三(佛山)汽車部件有限公司 [Aisan (Foshan) Auto parts Co., Ltd.] |
中国 | 685 | |
合計 | 1,980 |
設備投資 (2008年3月期)
- | 設備投資内容 |
日本 | -燃費・排出ガス規制に対応するため、ディーゼルエンジン関連製品の排気圧力制御バルブ、EGRクーラバイパスバルブ、LPガス燃料噴射システムなどの新製品対応。 -主力製品であるフューエルポンプモジュール、スロットルボデー、エンジンバルブの設備増強。 |
欧州 | -アルミダイキャスト事業強化のための設備増強。 |
中国 | -フューエルポンプモジュール、スロットルボデー、エンジンバルブ拡販のための設備増強。 |
-海外投資
エンジン用アルミ鋳造製品の外販を拡大。チェコ、中国・天津の工場を2008年に拡張し、生産能力を大幅に増強する。これにより、同製品の外販売上高を2007年度の20億円から、2010年度には60億円に引き上げる。トヨタなど、現地進出の日系自動車メーカーからの需要が増加していることに対応するもので、主力のスロットルボディーのアルミ鋳造技術を生かし、製品群を拡大する。チェコ工場は工場建屋を2008年2月に増築し、アルミ鋳造製品の生産能力を2007年の月産10万個体制から、2009年には同27万個に高める。中国・天津工場は、2008年夏に増築する計画。アルミ鋳造製品の生産能力は、2007年の月産10万個から、2010年に同25万個に引き上げる。チェコ、天津両工場を合わせ、2007年度に6億円、2008年度に7億円の設備投資を計画している。(2007年10月5日付日刊自動車新聞より)
ディーゼル車の排出ガスクリーン化に効果があるEGRクーラーバイパスバルブの生産を拡大する。同装置は、クールドEGR(冷却装置付きの排気再循環)の排出ガス温度を調整し、PM(粒子状物質)の増加を抑える装置。2010年度に現在の約4倍に当たる年間40億円強の売り上げを見込む。欧州や国内向けのほか、ASEANでの需要拡大が見込まれることから、インドネシア子会社でも生産する。(2008年3月31日付日刊自動車新聞より)
設備の新設
事業所名 (所在地) |
設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着工 | 完了 予定 |
同社 本社工場 (愛知県大府市) |
EGRバルブ製造設備 | 409 | 2007年 10月 |
2009年 2月 |
エネルギー棟更新 | 900 | 2007年 8月 |
2008年 9月 |
|
同社 安城工場 (愛知県安城市) |
エンジンバルブ製造設備 | 969 | 2008年 4月 |
2009年 3月 |
スロットルボデー製造設備 | 919 | 2007年 8月 |
2009年 3月 |
|
同社 豊田工場 (愛知県豊田市) |
フューエルポンプモジュール製造設備 | 1,035 | 2007年 11月 |
2009年 2月 |
Franklin Precision Industry Inc. (米国ケンタッキー州) |
スロットルボデー製造設備 | 487 | 2007年 5月 |
2008年 12月 |
Aisan Industry s.r.o. (チェコ ローニー市) |
スロットルボデー製造設備 | 661 | 2007年 10月 |
2008年 12月 |
ダイカスト製品製造設備 | 408 | 2007年 12月 |
2008年 11月 |
|
愛三(天津)汽車部件有限公司 [Aisan (Tianjin) Auto Parts Co., Ltd.] (中国 天津市) |
工場増築 | 700 | 2007年 10月 |
2008年 10月 |
フューエルポンプモジュール製造設備 | 598 | 2007年 12月 |
2008年 12月 |