(株) リケン 2016年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2016年 3月期 |
2015年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 73,292 | 72,486 | 1.1 | -円安効果の下支えもあり、増収。 |
営業利益 | 5,579 | 5,615 | (0.6) | -システム構築費用などにより販管費が膨らみ減益。 |
経常利益 | 6,163 | 6,812 | (9.5) | -為替差損等により減益。 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,524 | 4,042 | (12.8) | -電波暗室事業で今後発生が予想される補修工事に係る費用を引当金として計上したこと等により減益。 |
自動車・産業機械部品事業 | ||||
売上高 | 60,572 | 60,438 | 0.2 | - |
セグメント利益 | 4,257 | 4,024 | 5.8 | - |
事業提携
-海外で展開している独コルベンシュミット(KS)との合弁事業を強化し、2020年度までにKS製パワーシリンダーユニット向けピストンリングの供給量を2倍以上に増やす。現在はKSが調達するピストンリングの1割強をリケンが占めているが、4、5年後をめどに25%にまで引き上げる。リケンは、中国とインドでKSとの合弁事業を展開しており、KSが製造するパワーシリンダーユニット向けに高性能ピストンリングを納入している。欧州自動車メーカーの上級車向けが主力だが、最近は量販モデルにも採用が増え始めている。ただ、現地生産車向けが中心のため、KS製パワーシリンダーユニット全体に占めるリケンのシェアは1割強にとどまる。今後、KSとの連携を強化して環境性能向上や長寿命化に貢献するパワーシリンダーユニットの共同開発に力を入れることで、KSから高性能ピストンリングの受注量を増やしていく。リケンの日系自動車メーカー向けピストンリングのシェアは50%とトップだが、グローバルでのシェアでは20%にとどまる。日系以外の自動車メーカー向けのシェアは8%と1割以下で、事業の成長に向けては外資系への拡販が大きな課題となっている。中期経営計画の目標とするグローバルシェア30%に向けて外資系自動車メーカー向け需要を積極的に開拓、日系以外の自動車メーカー向けシェアを18%以上に引き上げる計画だ。(2016年9月13日付日刊自動車新聞より)
合弁会社
同社の中国合弁会社が操業開始
-KSPGは、完全子会社であるKolbenschmidtと同社の中国合弁会社が操業を開始したと発表した。同合弁会社は湖北省に位置し、ピストンリングの生産を行う。Kolbenschmidtは今回、理研汽車配件 (武漢) 有限公司 [Riken Automobile Parts (Wuhan) Co. Ltd.] の株式30%を取得し、合弁会社化した。リケンが2004年に武漢 (Wuhan) 市で設立したこの理研汽車配件 (武漢) は、12,000平方メートルの生産工場を保有しており、従業員数は300名。中国に拠点を持つ自動車関連の顧客向けに納入する。(2016年3月21日付プレスリリースより)
経営計画
中期経営計画「プラン2020」
-2020年度に非連結会社を含むグループ売上高で1,400億円超を目指す中期経営計画「プラン2020」を発表した。中計では、最終年度の業績目標を15年度比26.0%増の売上高1400億円とした。まず18年までのステージ1終了時点で売上高1300億円を達成し、ステージ2の目標達成に向けて弾みをつける。具体的には、チルド鋳鉄製の超薄肉カムシャフトやダウンサイジングエンジン向けの小型部品などの受注拡大を目指す。また、耐熱性や耐摩耗性を高めたバルブガイド、バルブシート、ターボ用ブッシュなどの高付加価値製品のポートフォリオを拡充し、売上高を底上げする。主力のピストンリングでは、15年度に独ピストンメーカー・コルベンシュミットと提携強化したことを背景に、日系以外の自動車メーカーからの受注開拓に注力する。特に、合弁事業を展開している中国での受注を伸ばし、同部品のグローバル シェアを現在の20%から30%に引き上げる計画。中計期間中の設備投資総額は450億円。(2016年6月23日付日刊自動車新聞より)
非日系自動車メーカー向けへの取り組み
-非日系自動車メーカー向けのピストンリングの売上高を2020年度に14年度比で3倍に引き上げる。海外の顧客に対する営業活動を強化するとともに、これまでインドで展開してきた独ピストンメーカーのコルベンシュミットとの協業をグローバル化し、欧米メーカー向けのビジネスを拡大する。主力のピストンリング事業を伸ばしていくため、これまでウエートが低かった海外メーカー向けの販売に注力していく。現在15~20%の同製品の非日系向けの売上高比率は、日系向けの増加分を組み入れると20年度は40%前後になる見通しだ。 (2015年6月22日付日刊自動車新聞より)
2017年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2017年3月期 (予想) |
2016年3月期 (実績) |
増減率 (%) | |
売上高 | 73,000 | 73,292 | (0.3) |
営業利益 | 5,200 | 5,579 | (6.8) |
経常利益 | 5,800 | 6,163 | (5.9) |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 3,600 | 3,524 | 2.2 |
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2016年3月期 | 2015年3月期 | 2014年3月期 | |
全社 | 1,603 | 1,550 | 1,550 |
-自動車・産業機械部品事業 | 1,555 | 1,498 | 1,527 |
研究開発体制
-ハイブリッド自動車、電気自動車等の新たな発展分野向けの新製品創出を目的に新製品開発部が開発を行う。
-自動車・産業機械部品事業に関しては、研究開発部、リング製品技術部、リング生産技術部および各製造部門の製品開発・生産技術部門が実施。
研究開発活動
自動車・産業機械部品事業
1. 低燃費を実現する低フリクション・長寿命ガソリンエンジン用ピストンリングの開発
2. 低燃費、排気ガス規制に対応するディーゼルエンジン用ピストンリングの開発
3. 燃費低減に寄与する低フリクション自動車・産業機械用シール部品の開発
4. 軽量、低フリクション、高耐久自動車・産業機械用動弁部品の開発
5. 摺動特性、耐久性に優れる各種表面処理技術の開発
6. 軽量化、高強度化を実現する足回り部品の開発
7. 耐久性に優れた高強度アルミ製品の開発
技術供与契約 |
(2016年3月31日現在) |
会社名 | 国 | 内容 | 契約年月日 | 契約期間 |
台湾理研工業股份公司 [Taiwan Riken Ind. Co, Ltd.] |
台湾 | ピストンリング、シリンダライナー、ブロック、カムシャフト、ナックルおよび各種鋳物製品の製造法 | 2008.08.22 | 9年 |
Siam Riken Ind. Co., Ltd. | タイ | ピストンリングの製造法 | 2015.01.18 | 5年 |
P.T. Pakarti Riken Indonesia | インドネシア | 管継手および自動車用鋳造部品の製造法 | 2016.01.01 | 5年 |
Shriram Pistons & Rings Ltd. | インド | ピストンリングの製造法 | 2014.03.01 | 7年 |
Amtek Riken Casting Private Limited | インド | カムシャフト、ナックルおよび各種鋳物製品の製造法 | 2015.07.03 | 合弁契約終了まで |
Allied Ring Corporation | 米国 | ピストンリングの製造法 | 2014.01.01 | 2017.05.31まで |
Grede Holdings LLC | 米国 | ナックルおよびダンパーフォークの製造法 | 2010.08.17 | 6年 |
ロアーコントロールアームの製造法 | 2010.08.17 | 6年 | ||
Korea Piston Ring Inc. | 韓国 | ピストンリングの製造法 | 2015.03.01 | 5年 |
廈門理研工業有限公司 [Xiamen Riken Ind. Co., Ltd.] |
中国 | ピストンリングの製造法 | 2013.07.01 | 10年 |
カムシャフトの製造法 | 2013.07.01 | 10年 | ||
理研汽車配件 (武漢) 有限公司 [Riken Automobile Parts (Wuhan) Co., Ltd.] |
中国 | ピストンリング、シールリング、動弁製品およびその他鋳物製品の製造法 | 2015.03.01 | 5年 |
理研密封件(武漢)有限公司 (RIKEN SEALING PARTS (WUHAN) CO.,LTD.) |
中国 | シールリングの製造法 | 2015.07.01 | 5年 |
Riken Mexico, S.A. De C.V. | メキシコ | バルブリフターの製造法 | 2013.09.01 | 5年 |
シールリングの製造法 | 2014.07.01 | 2018.08.31まで | ||
ピストンリングの製造法 | 2015.09.01 | 3年 |
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2016年3月期 | 2015年3月期 | 2014年3月期 | |
全社 | 9,185 | 5,904 | 5,943 |
自動車・産業機械部品事業 | 7,254 | 4,725 | 5,610 |
自動車・産業機械部品事業
-同社における機械加工・表面処理設備やメキシコ子会社における機械加工設備等に投資。
-剣工場(新潟県柏崎市)のピストンリング生産設備にコンパクトラインを導入し、8月から日系自動車メーカー向けに量産を開始する。月数十万個といった小規模の製品需要への対応を目的としたもので、ラインの省スペース化とともに設置費用や人件費の低コスト化を図る。柔軟性の高い生産体制を整備して、少量でも受注しやすい環境を整えるのが狙い。将来的には海外拠点にも波及させ、生産現地化への対応力を高める。(2015年6月29日付日刊自動車新聞より)
設備の新設計画 |
(2016年3月31日現在) |
会社名 事業所名 |
所在地 | 設備の 内容 |
投資予定 金額総額 (百万円) |
柏崎事業所 | 新潟県柏崎市 | ピストンリング、自動車部品等生産設備 | 2,375 |
熊谷事業所 | 埼玉県熊谷市 | ピストンリング、自動車部品等生産設備 | 693 |
Riken Mexico, S.A. De C.V. | メキシコ アグアスカリエンテス州 |
自動車部品等生産設備 | 711 |
理研汽車配件 (武漢) 有限公司 [Riken Automobile Parts (Wuhan) Co., Ltd.] |
中国武漢市 | 自動車部品等生産設備 | 702 |
P.T. Pakarti Riken Indonesia | インドネシア シドアルジョ県 |
自動車部品等生産設備 | 549 |