(株) ユタカ技研 2017年3月期の動向

業績

(IFRS、単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 増減率
(%)
要因
全社
売上収益 157,176 165,315 (4.9) -海外市場における顧客からの堅調な受注に加え合理化効果等のプラス要素はあったものの、為替相場が前年に対し円高で推移したことに加え競合による影響や経費負担増もあり減収減益。
営業利益 12,096 14,637 (17.4)
税引前利益 11,336 13,451 (15.7)
親会社の所有者に帰属する当期利益 5,455 7,194 (24.2) -
日本
売上収益 21,762 21,996 (1.1) -固定費削減や合理化効果はあったものの、円高影響に加え試作売上及びサービスパーツ売上減影響や新機種立ち上げ費用の発生もあり減収、営業損失。
営業利益 (379) 774 -
北米
売上収益 52,288 62,083 (15.8) -売上収益は円高影響により減収、利益面では円高影響に加え、競合による利益の低下や新機種対応に伴う費用の発生もあり減収、減益。
営業利益 1,711 3,571 (52.1)
アジア
売上収益 25,986 26,186 (0.8) -顧客からの受注増による増収効果はあったものの、円高影響により減収、利益面ではインドネシア四輪事業やタイ新工場の立上げ費用の減少により減収、減益。
営業利益 3,347 2,923 14.5
中国
売上収益 49,437 47,816 3.4 -競合の拡大による利益の低下や経費の増加等に加え、円高影響はあったものの、顧客からの受注増による増収効果により減収、増益。
営業利益 8,141 7,689 5.9
その他 (英国、ブラジルの現地法人含む)
売上収益 7,703 7,233 6.5 -ブラジルにおける新機種立ち上げ費用の発生や英国でのポンド安影響があったものの、顧客からの受注増による増収効果により増収、営業損失。
営業利益 (444) (559) -



事業計画

-2014年4月から第12次中期事業計画を推進中。スローガンは「躍進」 (Breakthrough to the next stage)

-2020年ビジョン: 常に新しい製品と技術を創造し、「さすがYutaka」の価値を提供する企業となる

  • 主幹製品の競争力を「世界一」に高める
  • 新しいモビリティ時代を切り開く「次世代製品事業」を確立する
  • 全員がグローバルに「創造へのリーダーシップ」を発揮する
  • 2015年3月期、豊製作所 (静岡県浜松市) にトルクコンバーターの最強製造ラインを設置。一貫同期生産ラインを確立し、要員効率は3.8倍となった。これを改善の第一段として、全生産拠点へ広げて行く計画。



受注

-2017年3月期の主な受注案件

納入部品 車名 生産工場
排気触媒コンバータ及びサイレンサー ホンダ「CR-V」 Cardington Yutaka Technologies Inc.
ヒートコレクター ホンダ「Accord Hybrid」 同社豊製作所
タービンダンパートルクコンバータ ホンダ「Step wgn」「Civic」「CR-V」 同社豊製作所
Yutaka Technologies de Mexico S.A. de C.V.
佛山市豊富汽配有限公司 [Foshan Fengfu Autoparts Co., Ltd.]
ステータコアやステータホルダー、マグネットプレート、マグネットプレートカラー ホンダ「Freed Hybrid」 同社豊製作所
排気触媒コンバータ及びサイレンサー ホンダ「Ridgeline」 Alabama Cullman Yutaka Technologies LLC.



2018年3月期の見通し

(IFRS、単位:百万円)
2017年3月期
(予測)
2017年3月期
(実績)
増減率
(%)
売上収益 162,000 157,176 3.1
営業利益 11,700 12,096 (3.3)
税引前利益 12,000 11,336 5.9
親会社の所有者に帰属する当期利益 6,000 5,455 10.0



>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
日本 2,751 2,547 2,746
北米 139 134 120
合計 2,890 2,681 2,865

研究開発体制

<日本>
-栃木開発センターの開発本部および生産本部技術開発室が主体となり、研究開発活動を推進。

<北米>
-Cardington Yutaka Technologies Inc. (米国オハイオ州) が主体となり、主に北米市場向け製品の研究開発を実施。

研究開発活動

<日本>
排気系部品
-排気ガス浄化性能、燃費、静粛性向上の環境対応技術をより進化させ、生産性向上と併せ製品競争力を高める排気システムの研究開発、生産技術開発を実施。

熱マネージメント系部品
-燃費性能、環境技術を高める研究開発、生産技術開発を実施。

駆動系部品
-更なる小型軽量化、燃費向上等および生産性向上など製品競争力を高める研究開発、生産技術開発を実施。

<北米>
-北米市場向け製品のうち、主に四輪車用排気系製品に関する製品開発を行っている。

製品開発

排熱をより効率良く活用する熱マネジメント製品
-ヒートコレクター (排熱回収器) の開発に成功し、2016年4月より量産を開始した。ヒートコレクターは寒冷時エンジンの暖機時間を短くすることで暖機時の燃費を向上させ、また、暖房効率も向上させる。特にハイブリッド車では、モーターのみで走るEVモードをより早く開始させることができ、さらなる燃費の向上が期待できる。関連特許が7件出願されている。

主な特徴

  • 精密プレスと精密接合技術による高密度フィンをコアとしたコンパクトで高効率な熱交換器
  • ロングストロークのサーモアクチュエーターを使用し排気抵抗低減を実現した、高開度流路切り替えバルブ
  • 車両搭載性能に優れたコンパクト設計

性能の向上

  • 暖機中の熱回収:他社製品比5%向上
  • 暖機後の遮熱:他社製品比44%向上
  • 排気圧損:他社製品比72%向上
  • 寸法:他社製品比31%コンパクト
  • 重量:他社製品比5%軽量

設備投資額

(単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
全社 11,722 14,072 14,789
地域別設備投資額
-日本 4,015 2,157 3,960
-北米 3,073 5,187 3,510
-アジア 2,107 2,060 3,577
-中国 2,321 2,972 2,950


<日本>
-同社を中心に新機種投資のための生産設備投資、原価低減のための合理化投資。

<北米>
-Cardington Yutaka Technologies Inc.とYutaka Technologies de Mexico S.A. de C.V.を中心に、自動車(四輪) 用製品の新機種投資ならびに合理化投資。

<アジア>
-アジア地域の市場拡大に対応するため、YS Tech (Thailand) Co., Ltd. を中心に、生産能力拡大および新機種投資。

<中国>
-佛山優達佳汽配有限公司 [Foshan Yutaka Auto Parts Co., Ltd.] を中心に、自動車 (四輪) 用製品の新機種投資ならびに生産能力拡大のために投資。

海外投資

<メキシコ>
-メキシコでトルクコンバーター (トルコン) を増産する。これまで2ラインで生産していたが、2016年度中に米国から1ラインを移設し、合計3ラインで生産する体制に移行する。メキシコは米国に比べ労務費が安いため、組み立て作業が多い製品では生産コストの面で有利になる。メキシコ国内での自動車生産の拡大や、米国での需要の増加を見込んで生産の配置を一部変更し、北米でのコスト競争力を高める。同社はホンダのメキシコ新工場の稼働に合わせ14年に同国グアナファト州に進出し、排気系部品とトルコンを生産している。トルコンは2ラインが稼働中で、現地のホンダ工場向けに納入している。新たに米オハイオ工場から1ラインを移設し、生産能力を増強する。(2016年4月1日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画

(2017年3月31日現在)
会社名/事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定総額
(百万円)
着手 完了予定
本社・豊製作所
(静岡県浜松市)
自動車部品等生産設備
その他の設備
2,087 2016年4月 2018年3月
三重製作所
(三重県津市)
自動車部品等生産設備 437 2016年4月 2018年3月
嵐山製作所
(埼玉県比企郡)
自動車部品等生産設備 526 2016年8月 2018年3月
栃木開発センター
(栃木県さくら市)
研究開発設備 913 2017年4月 2018年3月
Cardington Yutaka Technologies Inc.
(米国オハイオ州)
自動車部品等生産設備 1,429 2017年4月 2018年3月