(株) ユーシン 2012年11月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2012年
11月期
2011年
11月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 61,160 58,410 4.7 -
営業利益 2,618 3,817 (31.4) -
経常利益 2,208 3,025 (27.0) -
当期純利益 (1,537) 1,600 - -
自動車部門
売上高 40,752 38,129 6.9 1)
営業利益 1,132 1,863 (39.2) 2)

要因
1)
自動車部門
<日本>
-円高による完成車メーカーの輸出不振の影響を受ける一方で、エコカー減税制度の恩恵を受けて、国内需要は増加。

<海外>
-2011年の大洪水の影響を脱したタイや、東日本大震災によるサプライチェーン被災から回復した中国での生産・販売が増加した。

2)
自動車部門
-海外工場の稼働率アップや生産コスト低減が利益に寄与したものの、新工場への移転やグローバル展開に伴う諸費用の発生により、営業減益となった。

受注

納入開始 顧客 モデル 製品
2012年06月 三菱自動車工業 Mirage キーセットおよびヒーターコントロール
2011年12月 本田技研工業 N Box ヒーターコントロール
2011年10月 マツダ CX-5 オートヒーターコントロール、マニュアルヒーターコントロール、アウターハンドル、インナーハンドル、スマートスタートユニット、ドアラッチ、キーセット、リフトゲートオープンSW、ニュートラル・バックランプSW
2011年09月 ダイハツ工業 Mira e:S ESCLおよびリクエストスイッチ

買収

-2012年11月末にフランスのヴァレオ社のアクセスメカニズム事業の買収を決定し、2013年に同事業会社の株式を取得予定。これにより、ほぼ全ての欧米系自動車大手メーカーとの取引関係を有することとなり、新興国を含む海外での顧客基盤の拡大を図る。現状3割弱の海外売上高比率を早期に7割以上に引き上げる計画。既存売上高に匹敵する事業部門の買収に伴う規模拡大に加え、一部地域では既存拠点との再編や最適化を進めるなど、ローコスト生産体制を推進・拡大することにより価格競争力を高め、キーセット、ドアハンドル等の製品群で世界トップ3に入ることを目指す。

展望

<日本>
-広島呉市に新工場を建設し、2012年12月より本格稼働。新工場をグループのマザー工場と位置付け、国内の設備・技術・人材の集約を進め、国内の合理化と海外工場の技術支援体制の充実と研究開発力の強化を図る。

<米州>
-営業活動を強化し、GM、Ford、Chrysler、VolkswagenおよびFiatからの受注獲得を目指す。
-生産体制の強化として、2013年12月にメキシコに新工場を稼動させる計画。

<中国>
-新規顧客の獲得、特に中国のローカルメーカーの獲得を目指す。営業体制の強化および現地のニーズを製品へ反映すべく現地設計体制の強化を図る。
-現地調達部品および現地原材料での製品化を行うため、中国にR&Dセンターの設置、購買人員の強化を行う。
-2013年4月に中国広東省中山市に新工場稼働予定。生産体制の強化を行う。

<ASEAN>
-2011年にタイの新工場U-SHIN (THAILAND) CO.,LTD.を稼動させ、生産能力を増強中。

<欧州>
-現地設計人員を増強し、既存顧客であるBMW、VolkswagenおよびAudiの拡販を図る。
-新規顧客としてFiat、Renaultなどからの受注獲得を目指す。

<インド>
-R&Dセンターを新設し、現地設計の強化を行う。

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
2012年11月期 2011年11月期 2010年11月期
全社 1,831 1,728 1,624
売上高比 (%) 3.0 3.0 2.6
研究開発人員 (名) 200 203 203

研究開発体制

-日本国内において、東京・浜松の開発拠点を広島に集約し、堅牢性の高い付加価値を創造する開発を推進。
-既存の中国、ドイツ、米国、インドの各R&Dセンターと共に、世界各地における顧客の要求に迅速に対応する体制を構築。

製品開発

ドアラッチ
-強度、商品性、防盗性などの性能を維持したうえで、構造の最適化、樹脂化、高張力鋼板の採用による板厚低減等により小型軽量化を図り、既存モデル比で約30%の軽量化を実現した。

電動ステアリングロック
-高強度、静音化を実現した構造であるダイレクトネジ方式の標準化により、顧客要望に対応した小型タイプの開発。

メカニカルヒーターコントロールおよび複合スイッチ
-さらなる操作性の向上。小型軽量化製品の開発。

技術供与契約

(2012年11月30日現在)
相手先 国名 契約内容等 契約期間
儒億科技股份有限公司
[Elitech Technology Co., Ltd.]
台湾 自動車用キーセットに関するノウハウ・工業所有権の実施権の許諾 2003年6月13日 - 製造・販売終了
Magna Donnelly Corporation 米国 自動車用アウターハンドルに関する製造技術情報の供与 2002年2月1日 - 製造・販売終了
三龍産業股份有限公司
[San Long Industrial Co.,Ltd.]
台湾 自動車用アウターハンドルに関する製造技術情報の供与 2003年10月31日 - 製造・販売終了
三龍産業股份有限公司
[San Long Industrial Co.,Ltd.]
台湾 自動車用アウターハンドル・インナーハンドルに関する製造技術情報の供与 2005年2月1日 - 製造・販売終了
信昌機械廠股份有限公司
[Xinchang Machinery Co., Ltd.]
台湾 自動車用ラッチに関する製造技術情報の供与 2006年6月30日 - 製造・販売終了
三龍産業股份有限公司
[San Long Industrial Co.,Ltd.]
台湾 自動車用インナーハンドルカバーに関する製造技術情報の供与 2008年2月18日 - 製造・販売終了

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2012年11月期 2011年11月期 2010年11月期
全社 8,705 7,132 1,759
自動車部門 8,483 6,986 1,590

-自動車部門の内訳は、主に生産用の金型、機械設備等の他に、広島県呉市における新工場の建屋等の設備投資を実施。

設備の新設計画 (自動車部門)

(2012年11月30日現在)
会社名 所在地 設備の内容 投資
予定額
(百万円)
着工
年月
完了予定
年月
広島生産工場 広島県
呉市
次期車の金型、組立設備および加工機等 828 2012.11 2013.11
浜松生産工場 静岡県
浜松市
次期車の金型、組立設備および加工機等 727 2012.11 2013.11
U-SHIN (THAILAND) CO., LTD. タイ
ラヨーン県
次期車の金型、組立設備および加工機等 780 2012.11 2013.11
有信制造 (中山) 有限公司
[U-SHIN Manufacturing (Zhongshan) Co., Ltd.]
中国
広東省
次期車の金型、組立設備および加工機等 5,091 2012.11 2013.11
U-SHIN AUTOPARTS MEXICO,S.A DE C.V. メキシコ 
グアナファト州
電子電装機構部品の生産 設備、工場の新設等 2,846 2012.11 2013.11