株式会社ユーシン 2009年11月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2009年
11月期
2008年
11月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 50,964 78,842 (35.4) -
営業利益 1,166 4,766 (75.5) -
経常利益 564 3,909 (85.6) -
当期純利益 (927) 1,331 - -
自動車部門
売上高 37,163 56,863 (34.6) 1)
営業利益 458 2,457 (81.4) -

要因
1)
自動車部門
<国内>
-マツダ、ホンダ向けがエコカー減税の効果で売上目標を達成したが、軽自動車の販売が伸び悩んだスズキ向けは目標未達で終った。

<海外>
-米国ではCAMI向けの量産終了に伴い売上が大きく減少したことや、北米自動車マーケットの大幅な生産調整を受け、売上高は前期比82%減。
-ハンガリーは前期比42%減の大幅な減収。
-タイでは前期比29%減。
-自動車需要が回復した中国は販売が好調で、日本向け輸出の減少をカバーし、有信制造(中山)有限公司は前期比7%減で留まった。

受注

キーセット
-VW(北米工場)
-BMW
-Audi

メカヒーコン
-日野(小型トラック用)

ツールボックスラッチ
-MAN

リフトゲートハンドル
-BMW

電動ステアリングロック
-マツダ
-ホンダ
-スズキ
-三菱自動車

ステアリングロックボデー
-Ford(欧州、北米)

-スズキがインドで生産開始した新型リッターカー「Aスター」のヒーターコントロールパネルやキーセットを受注。2009年初頭にもマネサール工場で増産に入る。(2008年12月11日付日刊自動車新聞より)

国内事業

-国内の下請け企業を3年間で半減させる。自動車生産数量の減少に加え、自動車メーカーからの原価低減要請も強まる見通し。調達企業数を絞り発注数量を束 ねることで、2011年11月期までに既存部品で20%のコストダウンを目指す。デュアルソーシング(複数社発注)品目は1社に絞り増量効果を図るが、原 則としてこれまでの取引先に対し企業合併などによる競争力向上策を促し、システム化・ユニット化を推進する。同社に構成部品や素材を供給するティア2企業 群は国内だけで450社。住宅用キーセットなど住宅関連事業を除く、自動車・産業機器事業が対象となる。これらの取引先を3年間で200-250社程度に 削減し調達網を再編する。(2008年12月12日付日刊自動車新聞より)

海外事業

<米国>
-2009年2月、デトロイト事務所を独立させ、U-Shin America Inc.を設立。依然北米マーケットの規模が大きいことから今後の売上拡大が必須と考え、北米の営業拠点を強化して拡販を図ったもの。営業と開発設計の窓口として活動を開始した。

<ドイツ>
-2009年3月、U-Shin Deutschland GmbHをドイツ ミュンヘンに移転。BMWやVolkswagenなど欧州メーカーへの窓口として営業活動を開始。

<タイ>
-2009年半ばにも着工予定だったタイ第2工場の建設を延期。
>>>詳細は、設備投資へ

<中国>
-2011 年度までに中国に新工場を建設し現在の生産拠点を統合することで検討に入った。日系メーカー各社が進出する華南地区を最有力候補として今後、用地の選定な ど建設準備に入る。同社の中国工場は世界不況が始まる直前に操業度が100%近くに達し、リセッション後も回復基調が目覚しいことから、近い将来は再びフ ル操業を迎える見通し。生産設備の刷新や稼働率拡大を視野に、大規模な新工場への集約を図る。(2009年11月16日付日刊自動車新聞より)

展望

<米国>
-2011年初めの米国Volkswagen向けキーセットの量産開始までは、厳しい状況が続く見込み。
-北米に生産拠点を持つ日米欧の自動車メーカーへの売込みを更に強化。

<ハンガリー>
-今後は、BMW、Volkswagen及びAudiとのビジネスの獲得を足掛かりにヨーロッパの自動車メーカーからの受注拡大に努力する。

<中国>
-今後も中国国内の需要増大が予測されることから、生産能力の増強のため、第二工場の計画を推進。
-現地材料、現地部品を使った設計ができる環境を整えるために、中山に「中国開発センター」を開設。
-将来的には、現地で開発・設計できる体制を目指す。

<タイ>
- スズキのタイ工場の稼動時期に合わせ、第二工場の建設計画を進め、生産能力を増強する。第二工場は規模の拡大だけではなく、プレス品の生産も可能な工場と して、ドアラッチの生産も計画。今後は、日本国内で生産している製品をタイ工場に移管し、より低コストで生産する動きも加速させる。

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2009年11月期 2008年11月期 2007年11月期
全社 1,414 1,591 1,481
売上高比(%) 2.8% 2.0% 2.0%
研究開発人員(名) 208 165 134

製品開発

電動ステアリングロック
-小型軽量のコンセプトに基づき、世界最小のものを開発。これは、ステアリングロックにエレクトロニクス技術を導入したもので、安全性とセキュリティ性を実現している。

ヒーターコントロール
-グローバル市場での小型車へのシフトに伴い、メカニカルヒーターコントロールの需要が増加。ワイヤーケーブルの構造やダイアル操作部の構造などの改良を継続している。

ドアラッチ
-ドア閉まり音、重量、コストの改良を推進。

技術供与契約

(2009年11月30日現在)

相手先 国名 契約内容等 契約期間
儒億科技股份有限公司
[Elitech Technology Co., Ltd.]
台湾 自動車用キーセットに関するノウハウ・工業所有権の実施権の許諾 2003年6月13日 - 製造・販売終了
Magna Donnelly Corporation 米国 自動車用アウターハンドルに関する製造技術情報の供与 2002年2月1日 - 製造・販売終了
三龍産業股份有限公司
[San Long Industrial Co.,Ltd.]
台湾 自動車用アウターハンドルに関する製造技術情報の供与 2003年10月31日 - 製造・販売終了
三龍産業股份有限公司
[San Long Industrial Co.,Ltd.]
台湾 自動車用アウターハンドル・インナーハンドルに関する製造技術情報の供与 2005年2月1日 - 製造・販売終了
信昌機械廠股份有限公司
[Xinchang Machinery Co., Ltd.]
台湾 自動車用ラッチに関する製造技術情報の供与 2006年6月30日 - 製造・販売終了

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2009年11月期 2008年11月期 2007年11月期
全社 1,572 3,065 5,402
自動車部門 1,333 2,861 4,925

-自動車部門の内訳は、主に生産用の金型、機械設備等。

海外投資

<タイ>
-2009年半ばにも着工予定だったタイ第2工場の建設を延期する。日米欧主要市場の急速な需要減退が堅調だったアジア各国 にも波及し始めており、日系メーカー各社も同国での増産投資を凍結しつつあることが背景にある。このため2009年11月期に計上する予定だった新工場へ の投資額約18億円も2010年度以降に先送りし、2009年度の設備投資を30億円規模に圧縮する。(2009年12月24日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画(自動車部門)

(2009年11月30日現在)

会社名 所在地 設備の内容 投資
予定額
(百万円)
着工
年月
完了予定
年月
技術センター 広島県
安芸郡
開発部門の各種試験機等 106 2009年
11月
2010年
11月
広島生産工場 広島県
安芸郡
次期車の金型、組立設備及び加工機等 765 2009年
11月
2011年
4月
浜松生産工場 静岡県
浜松市
次期車の金型、組立設備及び加工機等 690 2009年
11月
2011年
5月
大和精工(株) 広島県
呉市
次期車の金型、組立設備及び加工機等 435 2009年
11月
2010年
11月
U-Shin (Thailand) Co., Ltd. タイ
ラヨーン県
次期車の金型、組立設備及び加工機等 111 2009年
11月
2010年
6月
有信制造(中山)有限公司
[U-Shin Manufacturing (Zhongshan) Co., Ltd.]
中国
広東省
次期車の金型、組立設備及び加工機等 114 2009年
11月
2010年
7月
U-Shin Europe Ltd. ハンガリー
キスベル市
次期車の金型、組立設備及び加工機等 261 2009年
11月
2011年
7月
- - 2,789 - -