ボッシュ株式会社 2008年12月期の動向

ハイライト

近年の動向

Robert Boschによる完全子会社化

-2008年4月、Robert Bosch GmbH ("Robert Bosch")は、日本法人ボッシュ株式会社にTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化すると発表。TOB価格は1株600円 (約3.65ユーロ)。Robert Boschは現時点でボッシュ株を59.7%保有。ボッシュの経営権を完全に掌握することにより日本メーカーのニーズに、より機動的に対応し、日本市場における事業基盤強化を図る狙い。(2008年4月23日付プレスリリースより)

-2008年7月、TOB終了の結果を受け、Robert Boschによる完全子会社化手続きの実施を決定、2008年10月中旬をもってすべての手続きを完了し、上場廃止となった。

事業方針

-2008年11月、独ボッシュグループは、商用車向けのトランスミッション事業を強化すると発表。これまでの大・中型トラック向けに加え、2010年にも日本で小型トラック用の自動制御式マニュアルトランスミッション(AMT)部品の生産に乗り出し、日系商用車メーカーへの納入を目指す。小型トラック用のAMTはこれまでドイツの工場で生産を行っていた。しかしここにきて日系メーカーでも小型トラック用AMTに対する需要が高まっていることから生産に着手する。これにより現状年間60億円規模となっている同事業の売り上げ増につなげる。(2008年11月19日付日刊自動車新聞より)

受注

-2008年12月、日系自動車メーカーにガソリンエンジンの燃料直噴システムの供給を開始。 2009年から輸出向けの直噴ターボ車に搭載される見通し。ガソリンの直噴ターボエンジンは、高出力と低燃費を両立可能で、ディーゼルエンジン(DE)と比べ割安なことから、欧州を中心に販売が増えつつある。独ボッシュ・グループが同システムの開発・供給で先行した利点を生かし新規受注につなげた。こうした実績を活用しながら、さらなる日系メーカーのニーズの吸収を目指す。ボッシュの燃料噴射システム事業は現在、ディーゼル車用がメーンとなっており、ガソ リン車向けの販売比率は少ない。今後は次世代環境エンジンとして注目度が高まりつつあるガソリン直噴ターボ向けを軸に、ガソリン車向けの開拓を活発化す る。(2008年12月25日付日刊自動車新聞より)

開発動向

研究開発体制

-2008年7月、ブレーキ系の電子制御システムESC(横滑り防止装置)及びABSの開発体制を増強すると発表。2011年までに6千万ユーロ(約1100億円)を投資、女満別テクニカルセンター(北海道)のテストコースを現在の2倍に広げるとともに、エンジニアリング拠点である横浜事務所を増築、スタッフと開発設備を拡充する。海外でESCの装着義務化が本格化しているほか、アジアでは新興国でABSの搭載が活発化しており、同分野の新規ニーズが見込まれる。このため、日系自動車メーカーが中期に投入する新型車用のユニットの受注獲得に向けて、開発体制を整える。(2008年7月8日付日刊自動車新聞より)

-2008年12月、自動車メーカーの原価低減策に対応し、開発体制を強化すると発表。新車関連の部品については、プロジェクトの先送りに伴い業務の減少が見込まれるが、既存部品をコストダウンするための設計変更に関する要望は増加する見通し。そのため当初の予定通り、2009年春、100人弱の新卒者を 加え開発人員を1500人に拡大する。同時に一部分野については、さらなる増員を検討する。(2008年12月2日付日刊自動車新聞より)