フタバ産業 (株) 2015年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2015年 3月期 |
2014年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 422,874 | 399,378 | 5.9 | -生産体制の見直し、生産効率の向上、原価改善の推進、サプライチェーンの見直し及び物流費の低減などの収益改善活動等に積極的に取り組んだ結果増収。 |
営業利益 | 4,367 | 2,784 | 56.9 | - |
経常利益 | 2,116 | 2,073 | 2.1 | |
当期純利益 | 1,039 | 2,954 | (64.8) |
-2015年3月期において、タイの関連会社であるYMPプレス&ダイ [YMP Press & Dies (Thailand) Co., Ltd.] の無形固定資産勘定に多額の生産準備費用等が計上されていることが判明。2012年3月期通期から2015年3月期第3四半期までの有価証券報告書及び四半期報告書について訂正報告書を提出した。
事業計画
-2016年度までに連結営業利益を13年度に対して約3倍の80億円に引き上げる新中期経営計画を策定したと発表した。世界規模でものづくり改革を推進して収益体質を強化する一方、コア技術の革新に取り組んで将来の成長の足場を築く。車体の軽量化と安全性能の向上を両立する熱間プレス技術、冷間プレスによる120キロ級ハイテン材の加工技術などを確立する。また、米国や中国を中心に世界展開を拡充し、競争力を高めるとしている。(2014年5月22日付日刊自動車新聞より)
-2014年、第2次中期経営計画 (2015年3月期-2017年3月期) を策定。最終年度の数値目標は売上高395,000百万円、営業利益は8,000百万円。基本方針は以下の通り:
基本方針 | 詳細 |
1. 「安全、品質」の深化・向上と安定供給 | - |
2. 「ものづくり改革」と「コア技術強化」による収益力の向上 | 車体の軽量化および衝突安全性の両立を実現するため、素材の薄肉化、超高度強度化を達成する「ホットプレス」、「冷間120Kハイテン材の加工」の積極的採用 -2015年度をめどにホットプレス (熱間プレス) 事業に本格参入する。ホットプレスは鋼板を熱してプレス成形する工法で、引っ張り強度1,500メガパスカル級の超高強度の車体骨格部品が生産可能になる。15年までに六ツ美工場 (愛知県岡崎市) に量産ラインを2本設置し、自動車メーカーへの供給を開始する。投資額は約16億円を見込む。衝突安全性能の向上と軽量化を両立する新工法を導入し、車体部品の競争力を高める。また次世代技術として高張力鋼板で1,200メガパスカル級の部品を成形する工法の確立にも取り組み、競合と差別化を図る。(2014年2月6日付日刊自動車新聞より) |
3. スピーディーなグローバル展開 | -米国、中国、欧州で現地調達を加速し、2017年度までに日本からの構成部品の供給を7割削減する。現在は3地域合計で年111億円強 (12年度実績) を輸出している。これに対し、各地域で仕入先の開拓や育成、自社工場での構成部品の内製などに取り組む。これにより、グローバル規模で為替に左右されない収益体質を構築する。為替相場は1ドル=104円まで円安に振れているが、中長期の備えとして地産地消の基盤づくりを推進する。特に経営課題となる北米地域の競争力向上に集中し、成長に向けた足場を築く。(2013年12月26日付日刊自動車新聞より) |
4. コア技術を活かした新しい価値の創出、商品化 | -ヒートマネジメント技術を活かした新型排気熱回収器: 排気熱回収器「パワレブ」を系列外取引の拡大に向けた戦略製品として拡販する。主力製品のマフラーは自動車メーカーとともに排気系全体を見た開発作業が必要となる分野だけに他系列への参入障壁が高い。これに対し、排熱回収器は燃費改善に貢献する部品としてコンポーネント単位で提案が可能。今後はトヨタ自動車以外の自動車メーカーに幅広く受注活動を展開し、2020年度までに現状の2倍以上となる年間売上高100億円規模のビジネスに育成する。これを突破口に日米欧のメーカーから排気系システムを一括受注することも目指す。(2013年12月3日付日刊自動車新聞より) |
-今後成長が見込まれるDPF等の環境関連製品、家庭用燃料電池関連を収益の柱として、積極的に開発・商品化を推進。 | |
5. 人材育成、組織活性化 | - |
2016年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2016年3月期 (予測) |
2015年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
全社 | |||
売上高 | 421,000 | 422,874 | (0.4) |
営業利益 | 3,800 | 4,367 | (13.0) |
経常利益 | 2,100 | 2,116 | (0.8) |
当期純利益 | 500 | 1,039 | (51.9) |
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2015年3月期 | 2014年3月期 | 2013年3月期 | |
全社 | 2,940 | 2,586 | 2,162 |
-同社の研究開発の大半は、自動車等車両部品事業が占める。
-先進国の衝突安全基準に対応しながら軽量化を実現するため、自動車メーカーが採用を拡大しようとしている超高強度 (1200~1500メガパスカル級) のプレス部品。トヨタ系部品メーカーの間では、部位ごとに熱間プレスと冷間プレスを使い分けて供給体制を構築する形が主流となりそうだ。フタバ産業、豊田鉄工、太平洋工業の3社は、2015年度から本格化する熱間プレス材の供給に備え、国内工場に投資する。一方で冷間プレスで1200メガパスカル級の高張力鋼板 (ハイテン材) をプレスする技術の確立も急いでいる。 (2014年6月11日付日刊自動車新聞より)
研究開発活動
-以下研究開発活動を推進している:
- 主力製品の排気系・ボディ系・シャシー系・燃料系の各部品:低燃費化への貢献を目指し、軽量かつ低コスト化に関する開発
- ハイブリッド車などの燃費向上のための排気熱回収装置:高性能・小型・軽量化に関する開発
- エネルギー効率を最大限に引き上げるためのヒートマネジメントシステムの開発
- 車体軽量化および衝突安全性向上への対応:ホットスタンプや1,180MPa級の高張力鋼板の新成形工法に取り組み、薄板かつ高強度なボディ骨格部品を開発
- 排出ガス対策:ガソリン車のCO (一酸化炭素) /HC (ハイドロカーボン) およびディーゼル車のPM (粒子状物質) / NOx (窒素酸化物) 処理装置の開発
- 環境機器分野:熱交換器の開発
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2015年3月期 | 2014年3月期 | 2013年3月期 | |
日本 | 9,828 | 8,998 | 11,379 |
北米 | 4,498 | 2,681 | 3,056 |
欧州 | 1,599 | 1,245 | 699 |
アジア | 4,552 | 8,548 | 1,531 |
合計 | 20,480 | 21,474 | 16,667 |
-2015年3月期、自動車等車両部品事業を中心に生産性向上のための合理化・省力化投資並びに製品切替に伴う生産設備投資 (主に組立溶接ライン、金型および治具) を実施。
-2016年3月期の設備投資額は、33,000百万円を計画。
設備の新設計画 (自動車部品関連) |
(2015年3月31日現在) |
事業所名 (所在地) |
設備内容 | 投資 予定総額 (百万円) |
着手 | 完了予定 |
フタバ産業(株) | ||||
本社・岡崎工場 (愛知県岡崎市) |
生産設備 | 1,900 | 2013年5月 | 2016年3月 |
緑工場 (愛知県豊田市) |
生産設備 | 350 | 2014年4月 | 2016年3月 |
知立工場 (愛知県知立市) |
生産設備 | 100 | 2014年9月 | 2016年3月 |
幸田工場 (愛知県額田郡) |
生産設備 | 1,000 | 2014年3月 | 2016年3月 |
研究設備 | 400 | 2015年2月 | 2016年3月 | |
六ッ美工場 (愛知県岡崎市) |
生産設備 | 4,750 | 2013年5月 | 2016年3月 |
田原工場 (愛知県田原市) |
生産設備 | 400 | 2013年4月 | 2016年3月 |
高橋工場 (愛知県岡崎市) |
生産設備 | 400 | 2012年10月 | 2016年3月 |
金型治具等 | 8,700 | 2014年3月 | 2016年3月 | |
連結子会社 | ||||
(株) フタバ九州 伊万里工場 (佐賀県伊万里市) |
生産設備 | 520 | 2015年3月 | 2016年3月 |
(株) フタバ九州 宮田工場 (福岡県宮若市) |
生産設備 | 150 | 2015年4月 | 2016年3月 |
(株) フタバ九州 直方工場 (福岡県直方市) |
生産設備 | 730 | 2015年3月 | 2016年3月 |
(株) フタバ平泉 (岩手県西磐井郡) |
生産設備 | 600 | 2015年3月 | 2016年3月 |
(株) アピックス (愛知県額田郡) |
生産設備 | 100 | 2015年3月 | 2016年3月 |
FIC America Corp. (米国イリノイ州) |
生産設備 | 800 | 2015年3月 | 2016年3月 |
Futaba Indiana of America Corp. (米国インディアナ州) |
生産設備 | 1,700 | 2015年3月 | 2016年3月 |
Futaba Industrial Texas Corp. (米国テキサス州) |
生産設備 | 2,650 | 2015年3月 | 2016年3月 |
FIO Automotive Canada Corp. (カナダ オンタリオ州) |
生産設備 | 1,000 | 2015年3月 | 2016年3月 |
Futaba-Tenneco U.K. Ltd. (英国ランカシャー州) |
生産設備 | 100 | 2015年3月 | 2016年3月 |
Futaba Industrial U.K. Ltd. (英国ダービシャー州) |
生産設備 | 250 | 2015年3月 | 2016年3月 |
Futaba Czech s.r.o. (チェコ ハブリチコフブラッド) |
生産設備 | 400 | 2015年3月 | 2016年3月 |
双叶金属制品 (深圳) 有限公司 [Shenzhen Futaba Metal Products Co., Ltd.] (中国広東省) |
生産設備 | 50 | 2015年1月 | 2015年12月 |
天津双協機械工業有限公司 [Tianjin Shuang Shye Mechanical Industrial Co.,Ltd.] (中国天津市) |
生産設備 | 400 | 2014年12月 | 2015年12月 |
天津双叶協展機械有限公司 [Tianjin Futaba Shye Chan Mechanical Industrial Co.,Ltd.] (中国天津市) |
生産設備 | 1,500 | 2014年12月 | 2015年12月 |
広州双叶汽車部件有限公司 [Guangzhou Futaba Auto Parts Co., Ltd.] (中国広東省) |
生産設備 | 1,000 | 2014年12月 | 2015年12月 |
東莞双叶金属制品有限公司 [Dongguan Futaba Metal Products Co., Ltd] (中国広東省) |
生産設備 | 100 | 2015年1月 | 2015年12月 |
長沙双叶汽車有限公司 [Chngsha Futaba Auto Parts Co., Ltd.] (中国湖南省) |
生産設備 | 150 | 2014年12月 | 2015年12月 |
重慶福達巴汽車部件有限公司 [Chongqing Futaba Automotive Parts Co., Ltd.] (中国重慶市) |
生産設備 | 150 | 2014年12月 | 2015年12月 |
FMI Automotive Components Ltd. (インド ハリヤナ州) |
生産設備 | 850 | 2015年3月 | 2016年3月 |
PT. Futaba Industrial Indonesia (インドネシア ブカシ県) |
生産設備 | 1,800 | 2015年3月 | 2016年3月 |