株式会社フコク 2006年度の動向
ハイライト
単位:百万円 | 2007年3月期 | 2006年3月期 |
増減率 (%) |
要因 |
全社 | ||||
売上高 | 51,848 | 48,008 | 8.0 | 受注拡大による増収 |
営業利益 | 2,948 | 3,157 | (6.6) | 前年度の退職給付引当金に係る差異が500百万円発生し、退職給付費用が大幅に減少 |
経常利益 | 3,082 | 3,363 | (8.3) | |
当期純利益 | 1,778 | 1,657 | 7.3 | 投資有価証券の一部売却による特別利益が発生 |
工業用ゴム製品 | ||||
売上高 | 44,184 | 41,092 | 7.5 |
大型トラックや建機メーカーからの受注増加及び乗用車メーカー向けの新規拡販を軸に防振機能製品の売上が増加。また、高機能ワイパーブレードラバーの受注も好調 |
営業利益 | 2,665 | 2,934 | (9.2) | 前年度の退職給付引当金に係る差異による費用が大幅に減少 |
国内事業
フラットブレードワイパー向けのラバー生産を本格化する。同社はワイパーブレード向けラバーの世界シェアは33%でトップ。国内ではほぼ100%のシェアを確保している。今後国内の自動車メーカーが新車装着を増やすのに対応し供給責任を果たせるよう体制を整える。(2007年1月29日付日刊自動車新聞より)
今後の課題
戦略商品の充実を図ると同時に、グローバル企業としてのさらなる体制拡充を中長期的な経営戦略として、海外拠点の整備に注力。その支援体制及び管理体制を確立するために本部制を中核に据え、本社機能の強化も推進。
<海外拠点の増強>
米中2ヶ国の営業力強化に重点をおいた戦略を推進。
1. 中国
上海フコク有限公司(SHANGHAI FUKOKU RUBBER & PLASTIC INDUSTRY CO., LTD.)、フコクゴム(上海)有限公司(FUKOKU RUBBER & PLASTICS (SHANGHAI) CO.,LTD.)、東莞フコク有限公司(Dongguan Fukoku Rubber Co., Ltd.)、青島フコク有限公司(Qingdao Fukoku Korea Auto Fittings Co., Ltd.)、貴州CFAゴンマ有限公司((C.F.A.GOMMA CO.,LTD.))と集中的に工場を整備したほか、販売拠点として、上海及び北京に事務所を擁するフコク(上海)貿易有限公司(Fukoku International Trading (Shanghai) Co., Ltd.)を開設。
2. 米国
デトロイトにオフィスを開設
3. タイ
2006年、コラートで新工場建設に着手
開発動向
2007年3月期の研究開発費931百万円
工業用ゴム製品の開発動向
自動車部品の開発
①国内乗用車メーカー向け小型ディーゼルエンジン用アイソレーションプーリー1点を開発
②海外及び国内メーカー向け商用車用ダンパープーリー2点の新規受注が決定。国内メーカー向け乗用車用ダンパープーリー5点を開発。
③国内メーカー向け商用車用ビスカスダンパー1点の新規受注が決定。新たにビスカスダンパー4点を開発。
④海外の大手ブレーキメーカーとゴム部品の共同開発を開始
⑤可変吸気圧力調整用のダイアフラム、バルブの量産開始。また、軽量化を目的とした排気系樹脂一体型バルブの量産受注が決定。
海外生産品の支援事業(自動車部品)
①中国の日系カーメーカー及び日系部品メーカー向け等速ジョイント用ブーツの量産を準備中。
②アジア地区で生産する、日本の大手自動車メーカー向け商用車用ダンパープーリー2点と日本及び米国の大手自動車メーカー向け乗用車用ダンパープーリー1点を開発し、量産を準備中。
③国内大手部品メーカーの海外(中国・米国)調達向けブレーキブースター用ダイアフラムの量産を準備中。
要素技術
①ナノ素材をゴム・エラストマーへ応用、配合した材料にて製品化検討中。
②断熱性、耐久性良好なOAロール用シリコーン材料を開発中。
技術導入契約 (2007年3月現在)
相手先 | 内容 | 有効期間 |
ロード(Rood)(米国) | トーションブッシュ及びサーフェスエフェクトの設計製造技術 |
2001年10月23日- 2011年10月23日 |
CFゴンマ(C.F. Gomma S.p.A.)(イタリア) | エアスプリングの設計製造技術 |
2003年7月2日- 2013年7月1日 |
技術供与契約 (2007年3月現在)
相手先 | 内容 | 有効期間 |
ロード(Rood)(米国) | ビスカスマウントの製造技術 |
2001年10月23日- 2011年10月23日 |
CFゴンマ(C.F. Gomma S.p.A.)(イタリア) | CVJブーツの製造技術 |
2002年12月1日- 2012年11月30日 |
設備投資
工業用ゴム製品事業は合理化投資および情報化投資を中心に4,428百万円
海外投資
タイの生産体制を大幅に拡充する。タイ東北部で建設中の新工場が5月に操業を開始するのに伴い、ブレーキ関連部品の能力増強と集中生産を進め、東南アジア各国や米国などへのグローバル供給力を高める。新工場が立地する工業団地では、設備機器や原材料などへの課税に関して、タイ国内では最大の恩典が設定されているため、こうしたメリットを生かして事業体制を強化する。タイ拠点の売上高で、2007年度は前年比3割増の21億円以上を目指す。新工場は、タイの最新工業団地の一つである、ナワナコン工業団地ナコンラチャシマー(=コラート)で建設中。現地法人であるサイアムフコクとしては3番目のコラート工場として開設する。敷地面積は2万7600平方メートル、投資額は約5億円。(2007年3月22日付日刊自動車新聞より)
設備の新設、改修計画(抜粋) (2007年3月現在)
会社名、事業所名 (所在地) |
設備の内容 |
投資予定 総額 (百万円) |
着手年月 | 完了予定年月 |
完成後の 生産能力 |
上尾工場 (埼玉県上尾市) |
シール製品の生産設備 | 229 | 2007.03 | 2008.03 | シール機能製品変化なし |
群馬工場 (群馬県邑楽町) |
防振製品及びゴム生地の生産設備等 | 1,242 | 2006.11 | 2008.03 | 防振機能製品微増 |
群馬第二工場 (群馬県邑楽町) |
ワイパーブレードラバー、樹脂ブーツの生産設備及び試験研究設備等 | 1,017 | 2006.06 | 2008.03 | ワイパーブレードラバー5%増加 |
末吉工業 (埼玉県北足立郡) |
金属加工板金製品の生産設備 | 338 | 2006.01 | 2007.12 | 生産能力の増加は微増 |
韓国フコク [Fukoku Korea Ltd.] (韓国京畿道) |
防振機能製品及びワイパーブレードラバーの生産設備 | 819 | 2006.10 | 2007.12 | 防振機能製品13%増加 |
Siam Fukoku Co., Ltd. (タイ・サムトプラカン県) |
シール機能製品の生産設備 | 750 | 2006.08 | 2007.12 |
シール機能製品7% 増加 |