パイオニア (株) 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 451,841 436,753 3.5 -光ディスクドライブ関連製品や、市販カーナビゲーションが減少したが、OEMカーナビゲーションシステムや市販カーオーディオの増加に加え、円安効果もあり、増収。
営業利益 5,997 12,514 (52.1) -為替の影響、販売費および一般管理費の増加や原価率の上昇があったことから、減益。
経営利益 812 9,863 (91.8) -
当期純利益 (19,552) 3,670 - -事業構造改善費用等の特別損失を計上。
カーエレクトロニクス
売上高 312,568 270,785 15.4 1)
営業利益 9,786 10,292 (4.9) -

要因 - 売上高
1)
カーナビゲーションシステム
-市販市場向け売り上げは、市況の低迷により主に国内で減少。
-OEM向けは、国内や北米で増加したことから増収。

カーオーディオ
-市販市場向け売り上げは、海外各地で増加。
-OEM向けは、国内で減少したが、主に北米で増加したことから、増収。

-カーエレクトロニクス全体の売上高に占めるOEMの売上構成比は51%に増加 (2012年3月期は43%)。

新会社

-東北パイオニア (山形県天童市) の米沢事業所 (山形県米沢市) で生産している有機EL (エレクトロ・ルミネッセンス) パネル事業について、有機EL照明パネルの開発と生産を行う新会社パイオニアOLEDライティングデバイスを設立したと発表した。本社は川崎市幸区、工場は山形県米沢市に置いた。新会社は、有機EL照明パネルの大幅な原価低減のため、発光層を塗布プロセスで成膜し量産することを目的とする。 (2013年2月13日付日刊自動車新聞より)

海外事業

<インドネシア>
-2012年10月上旬にインドネシアで駐在員事務所を設立し、2013年春から車載用オーディオの委託生産を開始することを正式発表した。需要が増えている市販向け製品の生産からスタートし、初年度は年間100万台の生産を予定する。自動車メーカーの現地調達ニーズに対応するための受注活動を展開するほか、市販製品の拡販により、順次、生産規模を引き上げる計画だ。委託生産の開始により、現地での車載用オーディオの販売体制を強化する。また、委託先企業と提携し、日系自動車メーカーを始めとして提案活動を展開する。現地での供給体制を整え、車載用オーディオの需要増に対応する。インドネシアでの委託生産開始により、タイでの一極集中生産体制によるリスクを分散するとともにコスト競争力を高めて、東南アジアでの事業規模拡大につなげる。 (2012年9月21日付日刊自動車新聞より)

中期事業計画 (2014年3月期 - 2016年3月期)

カーエレクトロニクス
主要戦略 施策
1. 今後の自動車環境を見据えたビジネスモデル変革による新価値創出 -三菱電機株式会社との車両情報連携による、次世代車載機器での競争力確立。
-株式会社NTTドコモとのクラウド情報と連携した車利用者向けサービスでの地位確立。
2. 抜本的なコストダウンによる強力な原価低減の推進と収益力強化 -モジュラーデザインの本格導入による開発・生産効率アップ。
-国内外生産拠点の再編・スリム化によるコストダウン。
-提携先との経営資源を相互活用することによる効率化推進。
3. 市販・OEM両事業の着実な伸長による売上拡大 -市販:主力市場での顕在需要獲得と、新たな需要・市場創造による事業拡大。
-OEM:主要取引先との関係強化による堅実な事業拡大。
-地域ごとに異なる経済状況・市場環境に適応した新興国での地域戦略を推進。

-中期事業計画における財務数値達成目標 (単位:億円)
2015年3月期
(予測)
2016年3月期
(目標)
売上高 5,150 5,400
営業利益 (率) 150 (2.9%) 200 (3.7%)
当期純利益 60 110

2014年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2014年3月期
(予測)
2013年3月期
(実績)
増減率 (%)
売上高 515,000 451,841 14.0
営業利益 15,000 5,997 150.1
経常利益 10,000 812 1131.5
当期純利益 6,000 (19,552) -

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 33,671 34,590 33,040
カーエレクトロニクス 19,266 19,920 17,965

研究開発拠点

施設名称 所在地
研究開発部 / ベリフィケーションラボ 神奈川県川崎市
研究開発部 (甲府) 山梨県甲府市
東北パイオニア米沢事業所内 山形県米沢市
中国研究開発部
R&D Division,
Pioneer China Holding Co., Ltd.
中国北京市

共同開発

-同社はと三英社製作所 (東京都品川区) は2013年1月、電気自動車 (EV) やプラグインハイブリッド車 (PHV) 用の普通充電器を共同開発したと発表した。パイオニアはEV・PHV用充電器の分野で主に非接触給電技術の開発に取り組んでいる。プラグ付き充電器の製造・販売を行う三英社と協力することにより、充電器設置・保守のノウハウ、充電システム・駐車場に関する市場情報などを得てEV・PHV関連事業の展開につなげる。 (2013年1月30日付日刊自動車新聞より)

製品開発

カラー調色・調光有機EL照明モジュール
-従来製品より高輝度と高発光効率を実現した「カラー調色・調光型有機EL (エレクトロ・ルミネッセンス) 照明モジュール」の出荷を2012年10月上旬に開始すると発表した。同社は2011年7月に、世界初となるカラー調色・調光型有機EL照明モジュールの量産を東北パイオニア米沢事業所 (山形県米沢市) で開始している。新製品は発光材料を見直すことで従来パネルと比べて、輝度を1千カンデラ/平方メートルから2倍となる2千カンデラ/平方メートルへ、発光効率を31ルーメン/ワットから約1.5倍の51.6ルーメン/ワットへそれぞれ向上した。また、従来の14センチ角に加え7センチ角の製品を用意、自動車の室内照明などを始めとするさまざまな用途で使用が可能としている。 (2012年10月3日付日刊自動車新聞より)

技術導入契約

(2013年3月31日現在)
提携先
(所在地)
内容 期間
Dolby Laboratories Licensing Corporation
(米国)
デジタルサラウンド装置および雑音低減装置に関する製造技術の特許権実施の許諾 1971年12月21日から
特許権満了日まで
MPEG LA, L.L.C.
(米国)
MPEG-2ビデオ規格製品に関する製造技術の特許権実施の許諾 1994年1月1日から
2015年12月31日まで

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 24,089 26,975 20,635
カーエレクトロニクス 16,791 20,324  14,062
-主な投資は製品組込ソフトウェア、金型および生産設備。

設備の新設 (カーエレクトロニクス)

(2013年3月31日現在)
会社名・
事業所名
所在地 設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
川越事業所 埼玉県
川越市
カーエレクトロニクス製品生産設備、
販売目的ソフトウェア
11,725 2013年
4月
2014年
3月
東北パイオニア (株) 山形県
天童市、
米沢市
カーエレクトロニクス製品生産設備 428 2013年
4月
2014年
3月
インクリメント・ピー (株) 神奈川県
川崎市
地図ソフト等 1,720 2013年
4月
2014年
3月
Pioneer Technology
(Malaysia) Sdn. Bhd.
マレーシア
ジョホール
カーエレクトロニクス製品生産設備 434 2013年
4月
2014年
3月
Pioneer Manufacturing
(Thailand) Co., Ltd.
タイ
アユタヤ
カーエレクトロニクス製品生産設備 2,512 2013年
4月
2014年
3月
Tohoku Pioneer
(Thailand) Co., Ltd.
タイ
アユタヤ
カーエレクトロニクス製品生産設備 271 2013年
4月
2014年
3月
Tohoku Pioneer
(Vietnam) Co., Ltd.
ベトナム
ハイフォン
カーエレクトロニクス製品生産設備 452 2013年
4月
2014年
3月
Shanghai Pioneer Speakers, Co., Ltd. 中国
上海
カーエレクトロニクス製品生産設備 376 2013年
4月
2014年
3月
Pioneer Technology
(Shanghai) Co., Ltd.
中国
上海
カーエレクトロニクス製品生産設備 959 2013年
4月
2014年
3月
Pioneer Electronics (Shanghai Export Zone) Co., Ltd. 中国
上海
カーエレクトロニクス製品生産設備 733 2013年
4月
2014年
3月
Pioneer do Brasil Ltda. ブラジル
マナウス
カーエレクトロニクス製品生産設備 600 2013年
4月
2014年
3月