スタンレー電気 (株) 2015年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2015年 3月期 |
2014年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 359,840 | 329,292 | 9.3 | -グローバルでの市場ニーズを的確に捉えた製品開発 -受注拡大を目指した営業力強化や生産能力の増強 -生産工程や間接部門の徹底的なムダ取りといった生産革新活動による生産性向上 等 |
営業利益 | 38,054 | 36,864 | 3.2 | |
経常利益 | 40,610 | 40,097 | 1.3 | - |
当期純利益 | 25,198 | 24,345 | 3.5 | - |
自動車機器事業 | ||||
売上高 | 270,223 | 244,030 | 10.7 | -自動車の米州における売上増加 -二輪車のアジアにおける売上増加 |
営業利益 | 24,780 | 26,889 | (7.8) | -中国の一部拠点における新規立ち上げ車種集中による生産混乱の影響 -インドネシアにおけるルピア安に伴う材料費高騰 -日本、中国における得意先減産 等 |
コンポーネンツ事業 | ||||
売上高 | 31,512 | 29,500 | 6.8 | -車載向け製品等の売上増加 |
営業利益 | 5,765 | 5,144 | 12.1 | |
電子応用製品事業 | ||||
売上高 | 57,914 | 55,291 | 4.7 | -車載向け操作パネル等が堅調に推移 |
営業利益 | 5,086 | 4,850 | 4.9 |
宮城新工場
-2014年4月、100%子会社のスタンレー宮城製作所 (宮城県登米市) を登米市内で移転して新工場を建設し、事業再編と拡張を行うと発表した。新工場は2014年9月に着工し、2015年9月からの操業を予定する。投資額は約38億円。同子会社では、LED照明製品・光学レンズシート・超薄型導光板、その他電子機器製品を生産している。新工場は将来の自動車照明製品の本格生産を目指す。
メキシコ新工場
-2015年4月、メキシコのハリスコ州に自動車用ランプや電子製品の製造・販売を行う子会社を設立。新会社 「Stanley Electric Manufacturing Mexico S.A. de C.V.」 の敷地面積は約100,000平方メートル、工場建屋面積は約15,000平方メートル。資本金は665百万ペソ (約52億円) で、出資比率はスタンレー電気が70%、Stanley Electric Holding of Americaが30%となる。生産開始は2016年夏ごろを予定。年産24万台で生産を開始し、徐々に拡大していく。自動車生産が拡大するメキシコ国内への供給体制を構築するとともに、将来的には米国向けへの供給も視野に入れるなど、さらなる成長が見込まれる北米エリアでの事業強化に結びつける。売上高は2016年度に約10億円、2017年度に約33億円を目指す。
中国の設計開発子会社
-2015年6月、中国・天津市に自動車用ランプの設計開発などを行う新会社を8月に設立すると発表した。設計開発専門の子会社を設けるのは同社では初めて。独立した開発組織を立ち上げることで、現地の日系自動車メーカーへの対応力を高める。新たに設立する天津スタンレー電気科技は、資本金3,400万ドル (約41億円) で、スタンレー電気が全額出資する。天津スタンレー電気内の技術部門を独立させて発足し、隣接地に開設する。新会社ではヘッドランプやテールランプなどを設計するほか、ランプの金型の製造販売も行う。初年度に約23億円、2016年度で約27億円の売上高を見込む。(2015年6月30日付日刊自動車新聞より)
第V期中期3ヶ年経営計画 (2014年4月 - 2017年3月)
1. キャッシュフロー経営の確立 | -いかなる環境下でもグループ各社がキャッシュを創出でき、グループのさらなる成長に向けて、その創出したキャッシュを活用する仕組みを整える。 -営業活動により生み出されるキャッシュを最大化させ、健全な財務体質のもと、企業価値を増加させる。 |
2. 新事業の開花・拡大 | -マーケティング情報および、その分析のレベルを向上させ、将来動向を先取りする。 -新製品、新事業を生み出していく下地である「全社イノベーション」の仕組みを効果的に実践する。 |
2016年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2016年3月期 (予測) |
2015年3月期 (実績) |
増減率 (%) |
|
売上高 | 375,000 | 359,840 | 4.2 |
営業利益 | 43,000 | 38,054 | 13.0 |
経常利益 | 46,000 | 40,610 | 13.3 |
当期純利益 | 28,000 | 25,198 | 11.1 |
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2015年3月期 | 2014年3月期 | 2013年3月期 | |
全社 | 5,513 | 5,346 | 5,479 |
自動車機器事業 | 3,044 | 2,367 | 1,865 |
コンポーネンツ事業 | 1,794 | 2,476 | 2,619 |
電子応用製品事業 | 578 | 361 | 724 |
特定のセグメントに帰属しない費用 | 95 | 141 | 269 |
研究開発拠点
施設名称 | 所在地 |
技術研究所 | 神奈川県横浜市 |
宇都宮技術センター | 栃木県宇都宮市 |
横浜技術センター | 神奈川県横浜市 |
オプトテクニカルセンター | 神奈川県横浜市 |
製品開発
レーザーヘッドランプ
-2017年にレーザー光源を用いたヘッドランプを市場投入する。LEDヘッドランプに比べてハイビーム時で約1.7倍となる310メートルの照射距離を実現。既に性能面での開発はめどがついており、今後は実用化に向けて耐久性などを高めていく。前方障害物の早期発見を可能とする安全性の高い次世代ヘッドランプシステムと位置づけ、自動車メーカーに幅広く提案していく。同社はLEDに次ぐヘッドランプ光源として、以前よりレーザー光源の開発も行っている。反射技術などの改良により、照射範囲など自動車用ヘッドランプとしての性能を確保した。ハイビームはレーザーのみ、ロービームはレーザーとLED光源を組み合わせて使用する。ロービームの照射距離では、LEDのみの115メートルから170メートルへ大幅に高めた。(2014年10月25日付日刊自動車新聞より)
アダプティブ・ドライビング・ビーム (ADB)
-2014年10月、ハイビームの配光をLED光源の点消灯で制御するヘッドランプ 「アダプティブ・ドライビング・ビーム (ADB)」を開発したと発表した。ADBは、夜間の視認性向上を目的にハイビームを基本としたLEDヘッドランプシステムで、車載カメラの情報をもとにLED光源の点消灯制御のみでハイビーム配光の可変を可能とした。ユニット内の機構部が不要なため、ヘッドランプのコンパクト化や軽量化、低コストを実現。また、独自のLED点灯制御技術により、ドライバーに違和感や疲労感を与えない自然な点消灯を可能とした。同製品は「シーテック・アワード2014」でソーシャル・イノベーション部門の準グランプリを受賞した。(2014年10月7日付および10月10日付日刊自動車新聞より)
MEMS応用ヘッドアップディスプレー (HUD)
-2017年にMEMS (超微小電気機械システム) を応用したHUD (ヘッドアップディスプレー) を市場投入する。自社開発のMEMSミラーに他社製のレーザーを組み合わせた光学モジュールとして供給する。液晶ディスプレーを光源に用いたHUDに比べて小型化を実現するとともに、消費電力を大幅に削減。HUDの普及拡大が見込まれる中、付加価値を高めた次世代製品として自動車メーカーに採用を促していく。(2014年10月9日付日刊自動車新聞より)
研究開発活動
-研究開発センター、生産技術センター、設計技術センターを中心に、「光の5つの価値」 (光を創る、光で感知・認識する、光で情報を自在に操る、光のエネルギーを活かす、光で場を演出する) を指針とし、世界最高レベルの光関連技術の保持・向上に取り組んでいる。
1) オプトエレクトロニクス分野
-高出力白色LED
-高出力赤色 / 赤外LED
-高速高感度イメージセンサー
2) ディスプレイ分野
-超高コントラストLCD
-光マイクロスキャナ
-ディスプレイ駆動回路
3) 光源・照明分野
-自動車用照明機器
-LED道路照明・屋内照明機器
-点灯駆動回路・電源
4) ソフトウェア分野・CAE技術開発
-配光シミュレーション
-光学デバイス最適形状設計ツール
5) 材料・加工技術等の開発等
6) 全社製品のスタイリングデザイン
7) 上記デバイスや技術を総合化した応用製品
技術導入契約 |
(2015年3月31日現在) |
提携先 | 内容 | 期間 |
株式会社日立製作所 | 液晶表示装置に関する特許 | 該当特許の有効期間中 |
日亜化学工業株式会社 | 白色LEDに関する特許 | 該当特許の有効期間中 |
OSRAM GmbH | 白色LEDに関する特許 | 該当特許の有効期間中 |
技術提供契約 |
(2015年3月31日現在) |
提携先 | 内容 | 期間 |
Thai Stanley Electric Public Co., Ltd. (タイ) | 自動車用ランプ類に関する技術 | 2015年4月1日 - 2018年3月31日 |
SL Lighting Corporation (韓国) | 自動車用ランプ類に関する技術 | 2014年4月1日 - 2017年3月31日 |
Lumax Industries Ltd. (インド) | 自動車用ランプ類に関する技術 | 2015年4月1日 - 2016年3月31日 |
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2015年3月期 | 2014年3月期 | 2013年3月期 | |
全社 | 38,834 | 27,652 | 31,164 |
-自動車機器事業 | 28,531 | 19,054 | 23,767 |
-コンポーネンツ事業 | 3,413 | 2,918 | 2,418 |
-電子応用製品事業 | 3,012 | 1,998 | 1,416 |
-その他 | 125 | 31 | 281 |
-スタンレー宮城製作所を登米市内で移転して新工場を建設。2014年9月着工、2015年9月操業予定。
-メキシコのハリスコ州に新会社 「Stanley Electric Manufacturing Mexico S.A. de C.V.」を設立。2016年夏に稼働予定。自動車用ランプや電子製品の製造・販売を行う。
設備の新設計画 |
(2015年3月31日現在) |
会社名/事業所 (所在地) |
内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着手年月 | 完了予定 年月 |
(株) スタンレー宮城製作所 (宮城県 登米市) |
四輪事業設備、電子応用製品事業設備 | 4,304 | 2014年9月 | 2015年8月 |
Stanley Electric Manufacturing Mexico S.A. de C.V. (メキシコ ハリスコ州ラゴス・デ・モレノ) |
四輪事業設備 | 8,065 | 2015年7月 | 2016年6月 |
武漢斯坦雷電気有限公司 [Wuhan Stanley Electric Co., Ltd.] (中国 湖北省武漢市) |
四輪事業設備 | 7,873 | 2012年1月 | 2016年8月 |