シロキ工業(株) 2008年3月期の動向

ハイライト

業績
(単位:
百万円)
2008年
3月期
2007年
3月期
増減率
(%)
主な要因
売上高 143,557 133,509 7.5

同社単独の売上は前期比4,415百万円(4.4%)増の105,343百万円となり、2期連続で過去最高の売上を記録。

顧客自動車メーカーの輸出好調に伴う堅調な国内生産や海外生産体制の充実、新製品開発効果により、業績が順調に伸長。

モーターとECUを一体化した新型ウィンドレギュレータの新製品効果により、前期比11.4%増で4,439百万円の増加。また、ドアサッシも米国や中国で順調に推移し、前期比11.8%増で2,647百万円の増加。

営業利益 5,058 3,182 58.9 税制改正に伴う減価償却費の増加および人件費の増加があったものの、売上高の増加、継続した合理化改善および国内収益基盤の再構築に向けた生産体制や内外製の見直しにより増益。
経常利益 3,931 3,189 23.3
純利益 2,907 1,612 80.3

国内動向

生産現場において、自動化の推進や工程集約化などにより、生産ラインの人員1/2化を目指した「モノつくり改革」を進めた。

豊川工場製造第4課の生産を順次、名古屋工場と豊川工場に移管し、中京地区における3工場体制から主力2工場体制への再編を推進し、生産の効率化に取り組んだ。

北九州市の九州シロキ(株)では、主力のウィンドレギュレータの生産をトヨタ自動車九州(株)向けに開始するなど、九州地区における顧客自動車メーカーからの新規受注と生産増に対応した。

2007年9月、豊田工場(名古屋工場製造第3課)を物流拠点として活用するとともに、土地の一部を売却する方向で検討を始めた。豊田工場は、生産体制再編の一環として閉鎖する方針を決めており、生産品目を順次、他工場での生産や外部委託に切り替えている。豊田工場を手始めに、豊川工場(愛知県豊川市)、名古屋工場(愛知県豊田市)の生産効率化を段階的に実施し、要員など製造コストの半減を狙う。豊田工場はすでに主力製品の一つであるシート用部品の生産を終了し、名古屋工場に移管した。トヨタ車向けのドアサッシの生産も、モデルの切り替えを待って、本社のある豊川工場に移管する。生産終了後は、物流拠点として活用するほか、輸出用部品の梱包業務などを行っていく予定としている。(2007年9月4日付日刊自動車新聞より)

海外動向

-北米

Shiroki North America, Inc. (テネシー州)の売上高は、前期比1,537百万円(5.7%)増の28,558百万円となり、過去最高を更新。これは、現地の日産自動車「アルティマ」向けドアサッシの生産増が大きく寄与。

米国における売上高は28,552百万円(前期比5.7%増)、営業利益は555百万円(前期は3百万円の利益)。

Shiroki-GA, LLC (ジョージア州)の拡張工場がドアサッシの生産を開始、Shiroki GT, LLC (テネシー州)がウィンドレギュレータの生産を開始するなど、日系自動車メーカーからの新規受注と増産に対応した。

米国3工場における分業を進め、主力のShiroki North America, Inc.はシート部品、Shiroki-GA, LLCはドアサッシ、Shiroki GT, LLCはウィンドレギュレータの専門工場とし、集中生産による効率化を進めるなど、北米事業の強化に努めた。

-中国

広州白木汽車零部件有限公司[Guangzhou Shiroki Corp.]の売上高が大きく伸び、前期比2,584百万円(111.2%)増の4,909百万円となる。これは、現地トヨタ自動車「カムリ」向けドアサッシ、モールディング、ウィンドレギュレータなどの生産増が大きく寄与。

2007年7月、広州白木汽車零部件有限公司の第2工場が竣工し、ウィンドレギュレータとモールディングの専門工場として稼動を開始し、2工場体制による生産の効率化を推進した。

また、人材と部品調達の現地化を進めるなど、生産拡大と事業基盤の強化に努めた。

-タイ

Shiroki (Thailand), Co., Ltd. の売上高は4,708百万円で、前期比1,428百万円(43.6%)増を記録。これには、現地トヨタ自動車の「IMV」および「カムリ」向けの生産拡大が寄与。

Shiroki (Thailand), Co., Ltd. がモーターとECUを一体化した新型ウィンドレギュレータの現地組立生産を開始し、生産品目の高付加価値化を進めた。

新規受注品の量産化に向けて大型プレス機を導入するなど、生産体制の整備・拡大に取り組んだ。

-インド

2007年9月、既に技術供与を行っている現地自動車部品メーカー「Technico Industries Ltd.」に資本出資したほか、技術者の指導・育成を行うなど関係強化を進めた。

開発動向

研究開発体制

2007年12月1日付で、機構改革を行う。シートシステム設計部内の開発支援部署を独立させ、これに品質保証部の実験・評価室を組み入れ、「開発推進部」として新設。(2007年11月27日付プレスリリースより)

研究開発体制を強化する。2010年度までに10億円を投資し、本社(愛知県豊川市)の実験設備を一新、機能を充実する。さらに、新設した開発支援部署の活動を本格化、技術開発部門全体も増員する。シートアジャスターやウインドーレギュレーターなどの小型軽量化、高付加価値化への開発を加速するとしている。(2008年1月18日付プレスリリースより)

研究開発費
(単位:百万円) 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
自動車部品事業 2,291 2,142 2,149

主な開発事例 (自動車部品事業)

-次世代パワーシートの開発
-次世代マニュアルシートの開発
-新ワイヤ式レギュレータの開発
-新アーム式レギュレータの開発
-新ドアフレームの開発

技術導入契約 (2008年3月31日現在)
会社名
(国名)
契約の対象品目 契約期間
Keiper-Recaro GmbH und Co.
(ドイツ)
シートリクライナ 1988年04月01日

2009年3月31日

技術供与契約 (2008年3月31日現在)

会社名
(国名)
契約の対象品目 契約期間
日本発条(泰国)有限公司
(タイ)
シートリクライナ 1990年12月10日

2008年12月10日
Summit Laemchabang Auto Body Co.
(タイ)
ドアサッシ 1994年02月21日

2008年12月31日
(株)亜山
[Asan Co., Ltd.]
(韓国)
自動車用ドアフレーム 2003年05月08日

2009年10月31日
Technico Industries Ltd.
(インド)
ウィンドレギュレータ 2006年11月01日

2009年09月30日

設備投資

設備投資額
(単位:百万円) 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
全社 8,807 7,371 6,920

2008年3月期の設備投資は、ほとんどが自動車部品事業を対象。生産性向上と原価低減を図る設備改善および新型車生産開始の生産準備を中心とする。

国内投資

九州第2工場の生産能力を増強する。トヨタ自動車が九州で生産する車種のウインドーレギュレーター(窓昇降装置)全量を受注したことから、2007年5月に本格的な増産を開始する。トヨタ向けウインドーレギュレーターを増産するのは、子会社の九州シロキ(北九州市八幡東区)の第2工場。九州シロキは、第1工場で生産する日産自動車向けのドアサッシ、シート部品なども能力増強を進めており、2008年度には2005年度実績の3倍に当たる75億円に売上高を引き上げる。(2007年4月25日付日刊自動車新聞より)

2008年度からの5年間で、国内体制の強化に合計100億円を投資する。生産の最適配置と自動化設備の導入推進により、生産体質を強化するほか、先行技術開発の強化に向けた投資を行う。今後の設備投資額は、通常の生産準備投資も含め、2008年度以降も年間70億円規模の高水準な投資が続く。このうち、モデル切り替え対応などの生産準備投資を除き、年間20億円程度を国内に投入する。生産設備の内製率を高めるため、子会社のシロキ精機への設備投資を拡大する。中国など新興国の競合先に製造ノウハウが流出するのを防ぐため、内製率をさらに高める。老朽化が目立つ国内の生産拠点は、生産品目の再配置、設備入れ替えに順次、着手している。中部エリアの再編を進め、2009年半ばまでに豊川工場製造第4課のドアフレーム生産を、本社のある豊川工場に全量移管する。(2008年2月28日付日刊自動車新聞より)

海外投資

中国(広州)第1工場でドア部品を増産する。2007年6月から第2工場が稼働したことに伴い、品目移管で空いたスペースにドアサッシ(窓枠)の生産ライン2本を新設する。いずれも、日産自動車が東風日産(広州市花都区)で2008年から立ち上げる2車種の新型車向け専用ラインとなる。2007年12月の稼働を目指し、近く生産準備に入る。広州におけるドアサッシ生産量は、これにより従来比25%増の年38万台分に拡大する。(2007年7月24日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画
会社名/
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資
予定総額
(百万円)
着手 完了
予定
同社
本店 藤沢工場
(神奈川県藤沢市)
生産設備 923 2008年
4月
2009年
3月
同社
名古屋工場
(愛知県豊田市)
生産設備 3,799 2008年
4月
2009年
3月
同社
豊川工場
(愛知県豊川市)
生産設備 1,870 2008年
4月
2009年
3月
同社
豊川工場製造4課
(愛知県豊川市)
生産設備 193 2008年
4月
2009年
3月
同社
大阪工場
(大阪府茨木市)
生産設備 178 2008年
4月
2009年
3月
同社
試作工場
(愛知県豊川市)
生産設備 1 2008年
4月
2009年
3月
同社
豊川本社
(愛知県豊川市)
試験設備・厚生施設 154 2008年
4月
2009年
3月
九州シロキ(株)
(福岡県北九州市)
生産設備 28 2008年
4月
2009年
3月
Shiroki North America, Inc.
(米国 テネシー州)
生産設備 276 2008年
1月
2008年
12月
Shiroki-GA, LLC
(米国 ジョージア州)
生産設備 495 2008年
1月
2008年
12月
Shiroki-GT, LLC
(米国 テネシー州)
生産設備 261 2008年
1月
2008年
12月
Shiroki (Thailand), Co., Ltd. 生産設備 185 2008年
1月
2008年
12月
広州白木汽車零部件有限公司
[Guangzhou Shiroki Corp.]
(中国 広東省)
生産設備 624 2008年
1月
2008年
12月