(株) ショーワ 2012年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2012年
3月期
2011年
3月期
増減率(%) 要因
全社
売上高 215,889 233,381 (7.5) -四輪車用部品の販売において、主に東日本大震災、タイの洪水の影響による得意先の生産調整により前連結会計年度に比べ減少した。
営業利益 7,507 8,895 (15.6) -生産体質の強化や費用削減などによる改善効果があったものの、売上変動・構成変化や労務費の増加などのため減益。
経常利益 7,330 8,062 (9.1)
当期純利益 2,549 122 1989.3 -少数株主損益等により。

地域別動向

<日本>
-会計年度末にかけて、東日本大震災からの回復やエコカー補助金の復活などによる需要の急増があったものの、主に震災影響による得意先の生産減に伴い、四輪車用部品の販売が減少し、減収となった。

<北米>
-米国では、二輪車用部品の販売は増加したものの、四輪車用部品は、東日本大震災やタイの洪水の影響により減収。カナダでは、四輪車用部品の販売が減少し、減収となった。

<南米>
-ブラジルでは、二輪車用部品の販売は市場が堅調に推移し得意先の販売が増加したことに伴い増収となったものの、四輪車用部品の販売が減少したことにより、前会計年度に比べ減収となった。

<アジア>
-インドネシアでは、好調な市場に牽引された得意先の販売が増加したことにより、二輪車用部品、四輪車用部品ともに販売は増加し、増収となった。
-タイでは、二輪車用部品の販売は増加しましたが、四輪車用部品の販売は、東日本大震災や洪水の影響により減収となった。
-インドでは、パワーステアリング事業縮小に伴い四輪車用部品の販売が減少した。
-当会計年度より、ベトナムのShowa Auto-parts Vietnam Co., Ltd.を連結対象とした。

<中国>
-東日本大震災の影響による得意先の販売の減少により、四輪車用部品の販売が減少し、減収となった。

事業再編

-同社と日信工業は両社の英国合弁企業「ニッシン・ショーワUK(NSUK)」を2013年末をめどに解消すると発表した。欧州域内での販売低迷と、現行モデル向け製品生産が12年末で終了することを受けたもの。(2012年2月2日付日刊自動車新聞より)

企業買収

-ベトナム子会社Machino Auto-Parts Co., Ltd.の社名を「Showa Auto-Parts Vietnam Co., Ltd.」に変更したと発表。同子会社では、二輪・四輪車用ショックアブソーバ、パワーステアリングの製造を行っている。(2011年11月11日付プレスリリースより)

-ベトナムのMachino Auto-Parts Co., Ltd. (MAP)に対する持分を追加取得すると発表した。これにより、ショーワの出資比率は現在の10%から70%に増加し、MAPを子会社化。MAPはショックアブソーバーやパワーステアリングを生産し、ホンダのベトナム拠点に納入している。また、MAPは2011年7月、Showa Auto-Parts Vietnam Co., Ltd.に社名変更される予定。(2011年4月28日付プレスリリースより)

見通し

-四輪用ショックアブソーバー(緩衝器)の2012年の世界生産を前年比16%増の580万台分に設定した。中国を除くアジア地域が2~4割増となるなど海外で前年比2割の増産となる480万台分を生産する。北米も震災の影響を受けた11年から3割の増加を見込む。四輪用ショックアブソーバーは、主要取引先のホンダ以外にも取引が広がっており、アジアでの能力増強の検討も始めた。(2012年1月31日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
5,880 5,496 5,910

-得意先のニーズを迅速かつ的確に捉え、また、先進技術を追求する研究開発活動により、商品競争力の強化を図っている。
-研究開発は、主として当社の開発部門において、二輪車用・四輪車用部品を中心に推進。
-セグメントごとの内訳は、日本において55億71百万円、北米において3億8百万円。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
日本 2,250 4,160 3,576
北米 959 1,787 489
南米 401 270 934

アジア

1,061 735 443
中国 403 947 652
5,076 7,901 6,095
その他 103 62 110
合計 5,179 7,964 6,205
消去又は全社 (44) (139) (70)
連結 5,134 7,824 6,135
-主に新機種および能力拡大に向けて実施。

海外投資

<インド>
-インドの子会社「ショーワ・インディア・プライベート(SIP)」で3月から新たに二輪車用部品の製造と販売を開始すると発表した。これまでSIPで生産していた四輪車用部品の生産規模を縮小して、二輪車部品の生産分に充てる。SIPでは新たに、二輪車用のフロントフォークとリアクッションを生産する。現有する資産や他の工場の余剰設備活用により、新規投資は行わないとしている。これまで生産していた四輪車用パワーステアリングは、事業環境が変化したことから規模を縮小するものの、製造と販売は継続する。(2012年2月2日付日刊自動車新聞より)

<タイ>
-タイ連結子会社のSummit Showa Manufacturing Co., Ltd.(SSM)、Showa Autoparts (Thailand) Co., Ltd.(SAT)および非連結子会社のShowa Regional Center (Thailand) Co., Ltd.(SSM)において、洪水による被害は発生していないと発表。ただし、主要な得意先が操業停止中のため、SSMとSATでは一部を除き操業を停止している。操業再開の時期については、得意先の操業状況を考慮した上で判断する予定。(2011年10月27日付プレスリリースより)

設備の新設

-2012年3月期末現在における投資予定総額は、106億1600万円であり、主要な設備の新設等の計画は以下のとおり。
会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予
定総額
(百万円)
着手 完了予定 完成後の
能力増加
埼玉工場
(埼玉県行田市)
四輪車用部品生産設備 686 2011年4月 2013年3月 -

秦野工場
(神奈川県秦野市)

四輪車用・二輪車用部品生産設備 476 2011年4月 2013年3月 (注 1)

御殿場第1工場

(静岡県御殿場市)

四輪車用部品生産設備 429 2011年7月 2013年1月 (注 1)

御殿場第2工場

(静岡県御殿場市)
四輪車用部品生産設備 676 2011年7月 2013年3月 (注 1)
浅羽工場
(静岡県袋井市)
四輪車用・二輪車用部品生産設備 586 2011年4月 2013年3月 -
American Showa, Inc.
Sunbury Plant
(米国オハイオ州)
四輪車用・二輪車用部品生産設備 879 2011年12月 2012年12月 -
P.T. Showa Indonesia Mfg.
(インドネシア チカラン)
四輪車用・二輪車用部品生産設備 1,506 2011年12月 2012年12月 -

SHOWA Autoparts(Thailand) Co., Ltd.

(タイ チョンブリ)

四輪車用部品生産設備 452 2012年1月 2012年12月 (注 1)

広州昭和汽車零部件有限公司
[Guangzhou Showa Autoparts Co., Ltd.]
(中国 広州)

四輪車用部品生産設備 781 2011年12月 2012年12月 -
(注 1)主に能力拡充、合理化のための設備計画であるため、完成後の能力増加が若干見込まれる。