サンコール (株) 2014年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2014年
3月期
2013年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 34,282 31,360 9.3 -
営業利益 3,127 2,137 46.3 -
経常利益 3,757 2,741 37.1 -
当期純利益 2,498 1,867 33.8 -
精密機能材料
売上高 3,989 3,975 0.4 -
精密機能部品
売上高 19,984 18,016 10.9 -米国子会社は前年と同水準となり堅調な売上を維持。
-中国子会社では9月以降の日本車需要の回復を受けて好調な売上を記録。
-タイ子会社では第1四半期に新車購入政策効果がありエンジン関連製品の売上が伸長しプレス部品も売上に貢献。
-日本国内は新規のミッション関連部品、エコカー関連部品や安全装置用部品を中心に売上を伸ばした。

海外事業

<メキシコ>
-2013年9月、北米事業の強化および材料の生産能力増強を目的に、アグアスカリエンテス州に「Suncall Technologies Mexico S.A. de C.V.」を設立。敷地面積は4万平方メートルで、自動車用弁ばね材を生産する。生産能力は月300トンで、2016年1月から量産開始予定。2016年の従業員数は44名を計画。

<中国>
-2012年1月に広東省に設立された合弁会社「神鋼新确弾簧鋼線 (佛山) 有限公司 [Kobelco Spring Wire (Foshan) Co., Ltd.]」が、2014年1月に自動車用弁ばね材の量産を開始した。月産能力は600トンで、その内の約半分がサンコール向けとなる。神鋼新确弾簧鋼線 (佛山) はサンコール、神戸製鋼、神鋼鋼線の3社の合弁会社。資本金は13億円で、サンコールは25%出資している。

<韓国>
-2013年10月、韓国梁山市に「K&S Wire Co., Ltd.」を設立。K&S Wireは同社、Kiswire Ltd.、善光商事との合弁会社で資本金は約4億円 (同社は49%出資)。シートベルト用リトラクターや精密圧延材を生産する。量産は2014年1月に開始している。

2015年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2015年3月期
(予測)
2014年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 36,000 34,282 5.0
営業利益 3,150 3,127 0.7
経常利益 3,200 3,757 (14.8)
当期純利益 2,200 2,498 (11.9)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

中期経営計画

-中期経営計画「プラン37500」を策定。コア技術の精密金属塑性加工をベースに自動車、デジタル製品、光通信のグローバルシェアを拡大し、2015年3月期に売上高375億円を目指す。目標達成のための終了戦略は以下の通り:
1) 売上高の拡大
-ハイブリッド車向けリアクトルコイル等、開発製品の市場展開を進めると同時に、同社の世界市場シェアが高い製品の新用途への活用などを実施。

2) グローバル生産体制の強化
-アジアや米国向けの需要が今後伸びると想定していること、為替リスク等に対応すること、新興国メーカーとの競争で優位性を保つために、以下の施策を実施:
  • 継続した投資により、日本・米国・アジアの三極生産体制を強化。
  • 弁ばね用線は合弁事業による中国での生産を開始し、拡大する需要に対応。
3) 新製品開発体制の強化
-リチウムイオン電池の端子加工品やハイブリッド車向け積層電磁鋼板コイル等の新規品開発を早期、かつ確実に実行するための開発体制の強化。

4) 原価低減
-生産工程を省略しコンパクトな生産ラインにつながる素材開発、生産性を高めたラインへの改造などの原価低減を推進。

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2014年3月期 2013年3月期 2012年3月期
全社 735 786 703

研究開発活動

1) 精密機能材料 (日本)
高品質ピストンリング材の開発
-異形伸線に必要なスケール除去および皮膜処理技術の改善を行い、微小欠陥が少なく表面正常に優れた異形線を開発した。自動車のモジュール化設計に対応した次世代ピストンリングへの適用を進めていく。

2) 精密機能部品 (日本)
新可変動弁機構用ぜんまいの開発
-次世代エンジンの新可変動弁機構部品向けに、弁ばねと同等の高品質を有する異形断面材を用いたぜんまいバネの開発を行ってきたが、国内外自動車メーカーでの採用が決定し、2014年5月から量産開始。

シートベルトリトラクター用高反発ぜんまいの開発
-異形圧延の技術とぜんまい強加工との組み合わせにより、反発力を現行比10%高めることに成功。これにより、ぜんまい材の薄板化と全長削減により重量軽減を図ることができ、大幅なコスト低減が可能となる。2014年度の量産化を目指し、客先と開発を開始。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2014年3月期 2013年3月期 2012年3月期
-精密機能材料 (日本) 180 125 340
精密機能材料 計 180 125 340
-精密機能部品 (日本) 1,015 501 586
-精密機能部品 (北米) 192 355 88
-精密機能部品 (アジア) 343 75 52
精密機能部品 計 1,550 931 726
その他 440 589 580
合計 2,170 1,767 1,646

1. 2014年3月期の設備投資
-増産対応、生産性向上、コスト削減、品質向上、環境改善を中心に設備投資を実施。

精密機能材料
-主に、弁ばね用材、精密異形材の生産性向上、品質向上に投資を実施。

精密機能部品
-主に、自動車関連部品のコスト削減、生産性向上、および環境改善に投資を実施。

2. 2015年3月期の設備投資
-2015年3月期の設備投資額は4,500百万円を計画している。主に、以下項目に投資:
  • メキシコでの事業開始および中国事業拡大:2,500百万円
  • 生産能力増強投資など:2,000百万円

設備の新設計画

(2014年3月31日現在)
会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定額
(百万円)
着手 完了予定
同社
(京都市右京区)
生産設備
(精密機能材料)
278 2014年
4月
2015年
3月
同社
(京都市右京区)
生産設備
(精密機能部品)
975 2014年
4月
2015年
3月
Suncall America Inc.
(米国インディアナ州)
生産設備
(精密機能部品)
288 2014年
1月
2014年
12月
Suncall Technologies Mexico, S.A. de C.V.
(メキシコ アグアスカリエンテス州)
生産設備
(精密機能材料)
277 2014年
1月
2014年
12月
Suncall High Precision (Thailand) Ltd.
(タイ チョンブリ県)
生産設備
(精密機能部品)
234 2014年
1月
2014年
12月
広州新確汽車配件有限公司
[Suncall (Guangzhou) Co., Ltd.]
(中国広州市)
生産設備
(精密機能部品)
168 2014年
1月
2014年
12月