(株) エフ・シー・シー 2017年3月期の動向
業績 |
(単位:IFRS、百万円) |
2017年 3月期 |
2016年 3月期 |
増減率 (%) | 要因 | |
全社 | ||||
売上収益 | 157,217 | 167,429 | (6.1) | -米国において四輪車用クラッチの販売台数が増加したが、円高の影響やインドネシアにおいて二輪車用クラッチの販売が減少したことにより減収 |
営業利益 | 11,236 | 9,736 | 15.4 | -円高の影響や米国の立上げ費用が増加したが、原価低減等の効果に加え、前年度に計上した減損損失の影響が無くなったことにより増益 |
税引前当期利益 | 11,419 | 8,118 | 40.7 | -為替差損が減少したことにより増益 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 7,204 | 6,162 | 16.9 | - |
四輪車用クラッチ部門 | ||||
売上収益 | 83,922 | 86,821 | (3.3) | -四輪車用クラッチの販売台数は増加したが、円高の影響もあり減収 |
営業利益 | 2,903 | 1,421 | 104.3 | -円高の影響や米国の立上げ費用が増加したものの、メキシコの増収効果や前年度に計上した減損損失の影響が無くなったことにより増益 |
海外動向
-タイでクラッチ部品を生産している合弁会社を完全子会社化したと発表した。現地の生産会社に出資しているHSHが保有する39%分と、タイスズキの持分3%の株式の両方を取得した。100%出資とすることで、意思決定の迅速化を図ると同時に、エフ・シー・シーグループの連携を強化し、業績拡大につなげる。(2017年3月30日付日刊自動車新聞より)
受注
-トヨタ向けにFF車用8速オートマチックトランスミッション用クラッチASSYを受注したと発表した。FCCがトヨタから受注したのは今回が初めて。静岡県浜松市にある同社の細江工場および浜北工場で生産し、トヨタの衣浦工場 (愛知県碧南市) へ納入する。2016年5月に量産を開始した。(2016年9月16日付プレスリリースより)
-米国子会社FCC (Adams) がFordより10速AT用クラッチASSYを受注したと発表した。ミシガン州にあるFordのLivoniaトランスミッション工場に納入する。(2016年8月23日付プレスリリースより)
-ユニプレスよりトルクコンバーター用摩擦材を受注したと発表した。このトルクコンバーターは、日産とジヤトコが共同開発した「Jatco CVT7 W/R」に採用されている。エフ・シー・シーは、同社の鈴鹿工場で摩擦材を製造し、中国広東省にある子会社の佛山富士離合器 [China FCC Foshan] でロックアップクラッチに接着する。その後、ユニプレス精密広州会社へ納入する。2016年1月に量産を開始しており、2016年度の売上は約2億円を見込んでいる。(2016年4月28日付プレスリリースより)
第10次中期経営計画 (2018年3月期~2020年3月期)
-売上高1,850億円、ROE 8.3%、営業利益155億円、連結配当性向 30%を目指す。
2018年3月期に向けての主な取り組み
-インドの生産能力拡充。
-米国の新機種立上げと安定した量産体制の構築および収益性の向上。
2018年3月期の見通し |
(単位:IFRS、百万円) |
2018年3月期 (予測) |
2017年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
売上収益 | 158,000 | 157,217 | 0.5 |
営業利益 | 10,200 | 11,236 | (9.2) |
税引前当期利益 | 10,000 | 11,419 | (12.4) |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 7,700 | 7,204 | 6.9 |
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2017年3月期 | 2016年3月期 | 2015年3月期 | |
全社 | 3,713 | 3,417 | 3,163 |
-四輪車用クラッチ部門 | 2,206 | 2,050 | 1,957 |
研究開発体制
-研究開発施設として、技術研究所 (静岡県浜松市)、生産技術センター (静岡県浜松市) を保有。
研究開発活動
四輪車用クラッチ部門
-CVTを含めたオートマチックトランスミッション用の湿式摩擦材およびマニュアルトランスミッション用乾式摩擦材を骨格として、小型軽量化、低コスト化および燃費向上に寄与するクラッチの研究開発を実施。
-独自技術であるセグメント方式の摩擦板製造方案及び燃費性能向上と軽量化を実現する独自技術を活用したAT用クラッチアッセンブリーの量産化。
-優れた減衰性能を有する新構造ダンパーを有したロックアップクラッチの量産化。
-商品性と耐久性向上を図った新摩擦材の開発。
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2017年3月期 | 2016年3月期 | 2015年3月期 | |
二輪車用クラッチ | 2,856 | 3,472 | 3,603 |
四輪車用クラッチ | 11,942 | 13,278 | 15,501 |
共通 | 569 | 414 | 1,171 |
合計 | 15,367 | 17,164 | 20,276 |
<2017年3月期の主な設備投資>
-米国における四輪車用クラッチの生産能力拡充、インドにおける二輪車用クラッチの生産能力拡充等。
同社
- 渡ケ島工場における土地、建物の取得
子会社
- FCC (Adams) ,LLC.における新機種対応や生産能力拡充
- FCC (INDIANA) ,LLC.における新機種対応や生産能力拡充
- FCC (VIETNAM) Co.,Ltd.における新機種対応や生産能力拡充
- FCC Clutch India Private Ltd. における新機種対応や生産能力拡充
設備の新設計画 |
(2017年3月31日現在) |
-2018年3月期の設備投資額は17,939百万円を計画。このうち四輪車用クラッチは13,363百万円。
-米国や日本における新機種対応や生産能力拡充、インドにおける生産能力拡充に伴う投資等を行う。
同社
- 技術研究所における試験機等の能力拡充、浜北工場における新機種対応や生産能力拡充
子会社
- FCC (Adams) ,LLC. における新機種対応や生産能力拡充
- FCC (Indiana), LLC. における新機種対応や生産能力拡充
- FCC (Vietnam) Co.,Ltd. における新機種対応や生産能力拡充
- FCC Clutch India Private Ltd. における新機種対応や生産能力拡充