(株) エクセディ 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 202,236 201,931 0.2 -2012年9月に発生した中国問題により、国内受注は下期以降大幅に落ち込んだが、米国での受注増加や新拠点の立ち上がりにより、売上高は前年に引き続き過去最高を記録。
営業利益 14,360 16,783 (14.4) -
経常利益 16,326 16,176 0.9 -
当期純利益 9,722 9,221 5.4 -
MT事業
売上高 60,223 57,788 4.2 -タイ洪水からの回復の影響を含めた、堅調なASEANでの受注増加。
営業利益 8,107 8,640 (6.2) -
AT事業
売上高 120,898 120,784 0.1 -中国問題による国内自動車メーカーおよびトランスミッションメーカーからの受注が減少したが、米国で受注増加および新拠点で販売開始したことで前年比横ばい。
営業利益 6,575 6,814 (3.5) -

事業再編

<日本>
-2013年2月1日付で子会社のエクセディ広島を吸収合併し、新たに同社広島工場とした。(2013年2月1日付プレスリリースより)

<インドネシア>
-2012年10月1日付けで、インドネシアのグループ関係会社P.T. EXEDY IndonesiaとP.T. EXEDY Motorcycle Indonesiaを合併し、新たに「P.T. EXEDY Manufacturing Indonesia」を設立したと発表。新会社では自動車用および二輪用クラッチの製造・販売を行う。(2012年10月4日付プレスリリースより)

受賞

<ダイハツ>
-ダイハツより「品質優秀賞」および「特別賞連続品質優秀賞」を受賞したと発表。同社がダイハツから受賞するのは、今回で12年連続となる。(2012年4月5日付プレスリリースより)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
MT事業 922 1,142  1,098
AT事業 1,386 1,711  2,052
その他 736 696 598
新商品開発費 1,132 861 848
合計 4,177 4,411  4,596

研究開発体制

-2013年3月31日現在、研究開発スタッフはグループ全体で405名。総従業員の約3%に相当する。

研究開発活動

MT事業
-乗用車系部品では、環境問題・低燃費に対応した希薄燃焼型エンジンや直噴ディーゼルエンジンから生じる振動を効率的に吸収する高性能ダンパー付きクラッチや2マスフライホイールを開発。

-商用車系部品では、マニュアルクラッチをはじめ、マニュアルトランスミッションの発進・変速操作を自動化したAMT (オートメーテッドマニュアルトランスミッション) 用のコンピューターユニット、その指令に従って正確に作動するアクチュエーターユニットおよびモータードライバーなどの製品を開発。

AT事業
-トルクコンバーターに関して、内部の油の流れを解明し、性能改善につなげる研究を最新のコンピューターシステムを駆使してコンパクトで伝達効率の高いトルクコンバーターの開発を継続的に進めている。

-低燃費を実現するために低速度域までロックアップ領域を拡大し、低速のクラッチ締結時の振動を減衰するトルクコンバーターの開発に成功し、新規受注を獲得した。

-連結子会社のダイナックスでは、ロックアップクラッチ用摩擦材をはじめ、自動変速機の部品を開発しており、不織布を用いた湿式摩擦材などの技術を培っている。商用車系では、デュアルクラッチトランスミッションへの適用部品開発を進めており、ダイナックスは商用車初の湿式デュアルクラッチを量産。

その他
-ハイブリッド車用に、エンジン/モーター切替え時に発生する振動を吸収するダンパー装置、エンジンへの過大負荷入力を防止するトルクリミッター付きダンパーなどの新製品分野の開発も行っている。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
MT事業 3,052 5,175  2,657
AT事業 11,216 12,451  6,160
その他 1,766 2,225 1,669
合計 16,034 19,852  10,486

MT事業
-同社およびアジア子会社での合理化および増産対応等による投資。

AT事業
-同社、国内子会社およびアジア子会社での増産対応等による投資。

海外投資

<インド>
-インド南部にクラッチなど二輪車と四輪車用部品の工場を新設する。バンガロール市の工業団地内に約12万平方メートルの土地を取得し、2013年4月に量産を開始する予定。従業員は当初500人。現地の日系二輪・四輪メーカー向けにクラッチやフェーシング (摩擦材) などを供給する。インドでは合弁会社が北部と中部に工場を持つが、新工場は全額出資子会社「EXEDY Clutch India Pvt. Ltd.」が運営する。南部初進出となる新工場をインドの第3拠点と位置付け、現地での二輪車と四輪車用部品の需要拡大に対応する。インドの売上高は11年度で35億円だったが、15年度は100億円を目指す。(2012年6月25日付日刊自動車新聞より)

<メキシコ>
-メキシコで変速機部品の生産体制を拡充する。子会社が賃借している工場を移転し、CVT (無段変速機) 用トルクコンバーターなどを生産する自前の新工場を開設する。構成部品の内製化も進め、2013年9月の量産開始を目指す。年間の生産能力はCVT用トルコンで現状の25万台から90万台に拡大する見通し。現地で生産増強を図る日系自動車メーカーやミッションメーカー向けに供給する。17年度にはグローバルでのトルコンの年産能力で1千万台体制を確立する計画だ。(2012年6月15日付日刊自動車新聞より)

設備投資計画
-2014年3月期、同社グループは24,000百万円の設備投資を計画。このうち、MT事業に3,900百万円、AT事業に14,600百万円を投資する。