株式会社エクセディ 2009年3月期の動向
ハイライト
業績 | (単位:百万円) |
2009年 3月期 |
2008年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 166,749 | 187,302 | (11.0) | - |
営業利益 | 10,217 | 19,781 | (48.3) | |
経常利益 | 8,804 | 19,578 | (55.0) | |
当期純利益 | 5,441 | 11,658 | (53.3) | |
MT事業(手動変速装置関連事業) | ||||
売上高 | 54,631 | 58,026 | (5.9) | -自動車メーカーからの受注減少。 |
営業利益 | 7,262 | 9,435 | (23.0) | -売上高の減少及び素材価格の上昇に伴う材料費の増加。 |
AT事業(自動変速装置関連事業) | ||||
売上高 | 93,677 | 110,513 | (15.2) | -自動車メーカー及びトランスミッションメーカーからの受注減少。 |
営業利益 | 3,173 | 9,823 | (67.7) | -売上高の減少及び減価償却費等の固定費負担の増加。 |
受注
-インド大手財閥系のタタ自動車が2008年秋に発売する世界最廉価車「ナノ」の手動変速機(MT)用クラッチ全量を受注した。同社の現地合弁会社シーケー・ダイキン(ムンバイ市)が近く供給を開始する。低価格を目的とした車だけに部品単体での利幅は極めて薄いが、新興国や発展途上国などで将来的な需要拡大が見込まれる超低価格車への供給実績を蓄積。将来的に同市場への参入を狙う日欧の主要メーカーにも売り込む。シーケーダイキンでナノ向けのMTクラッチを生産するのは、ムンバイ市近郊のオーランガバード工場(マハラシュトラ州)。これまでにもタタ自やGM向け製品の供給実績がある。投資額は非公表ながら、低価格クラッチ増産のための投資はほぼ済ませた。(2008年6月24日付日刊自動車新聞より)
2009年度の展望
1. 業績予測 | (単位:百万円) |
2010年3月期 (見通し) |
2009年3月期 (実績) |
|||
売上高 | 営業利益 | 売上高 | 営業利益 | |
全社(連結) | 120,000 | 1,200 | 166,749 | 10,217 |
2. 事業別業績予測 | (単位:百万円) |
2010年3月期 (見通し) |
2009年3月期 (実績) |
|||
売上高 | 営業利益 | 売上高 | 営業利益 | |
AT事業 | 66,400 | (700) | 92,068 | 3,173 |
MT事業 | 40,200 | 3,130 | 54,256 | 7,262 |
3. 地域別業績予測 | (単位:百万円) |
2010年3月期 (見通し) |
2009年3月期 (実績) |
|||
売上高 | 営業利益 | 売上高 | 営業利益 | |
日本 | 76,700 | 900 | 104,462 | 4,597 |
米国 | 21,000 | (500) | 30,779 | 707 |
アジア・オセアニア | 20,600 | 700 | 28,861 | 4,394 |
欧州 | 1,700 | 100 | 2,645 | 436 |
開発動向
研究開発費 | (単位:百万円) |
2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 | |
金額 | 4,946 | 4,545 | 3,552 |
研究開発スタッフ数 (総従業員対比) |
341 (5%) |
320 (4%) |
255 (4%) |
MT事業
-2009年3月期は1,153百万円を投資。
-マニュアルクラッチ関係では、環境問題・低燃費に対応した希薄燃焼型エンジンや直噴ディーゼルエンジンから生じる振動を効率的に吸収する高性能ダンパー、2マスフライホイールなどを開発中。
-商用車では、クラッチ操作の自動制御のためのコンピューターユニットや、その指令に従って正確にクラッチをコントロールするアクチュエーターユニット、クラッチシステムなどの製品開発を推進中。
AT事業
-2009年3月期は2,036百万円を投資。
-トルクコンバータに関して、内部の油の流れを解明し、性能改善につなげる研究を最新のコンピュータシステムを駆使して実施。具体的には、小さなスペースに収めやすい形状でありながら伝達効率の高いトルクコンバータの開発を継続的に進めており、これらの研究成果に基づく新製品により新たな受注を獲得。
-ハイブリッド車用に、エンジン/モータ切替え時に発生する振動を吸収するダンパー装置、エンジンへの過大負荷入力を防止するトルクリミッターなどの新製品分野の開発も行っている。
-ダイナックスではロックアップクラッチ用摩擦材をはじめ、自動変速機の部品を開発。
技術援助契約(2009年3月現在)
国名 | 契約先 | 契約内容 | 契約期間 |
ドイツ | J・M・フォイト社(J M Foito) | 湿式タイプ2分割フライ ホイールの製造技術 |
1992年1月1日より 15~20年間 |
ドイツ | ルークラメレンウントクップルングスバウ(LuK GmbH & Co) | 湿式タイプ2分割フライ ホイールの特許実施権 |
1995年1月17日より 特許有効期限まで |
日本 | ヴァレオユニシアトランスミッション株式会社(Valeo Unisia Transmission ) | フレキシブルフライ ホイールの特許実施権 |
2000年1月31日より 特許有効期限まで |
技術供与契約(2009年3月現在)
国名 | 契約先 | 契約内容 | 契約期間 |
インド | Ceekay Daikin Limited | クラッチ製造に関する技術援助契約、技術指導 | 2004年10月7日より 10年間 |
アメリカ | EXEDY America Corporation | トルクコンバータ、クラッチ製造に関する技術援助契約、技術指導 | 2004年12月1日より 10年間 |
アメリカ | DYNAX America Corporation | オートマチックトランスミッション用部品製造に関する技術援助契約、技術指導 | 1997年1月1日より 許諾製品の製造販売が終了するまで |
オーストラリア | EXEDY Australia Pty. Ltd. | クラッチ製造に関する技術援助契約、技術指導 | 2007年12月1日より 5年間 |
ハンガリー | Euro EXEDY Clutch Ltd. | クラッチ製造に関する技術援助契約、技術指導 | 2000年10月1日より 当該会社の存続期間まで |
タイ | EXEDY (Thailand) Co., Ltd. | クラッチ製造に関する技術援助契約、技術指導 | 2005年3月27日より 5年間 |
タイ | EXEDY Friction Material Co., Ltd. | クラッチ用摩擦材の製造に関する技術援助契約、技術指導 | 2008年1月14日より 5年間 |
マレーシア | EXEDY (Malaysia) Sdn. Bhd. | クラッチ製造に関する技術援助契約、技術指導 | 2006年6月27日より 当該会社の存続期間まで |
中国 | 愛思帝(重慶)駆動系統有限公司 [EXEDY Chongqing Co., Ltd.] |
クラッチ製造に関する技術援助契約、技術指導 | 1995年12月9日より 2025年6月17日まで |
中国 | 愛思帝(上海)駆動系統有限公司 [EXEDY (Shanghai) Co., Ltd.] |
クラッチ用摩擦材、トルクコンバータ製造に関する技術援助契約、技術指導 | 2006年5月1日より 10年間 |
インドネシア | P.T. EXEDY Indonesia | クラッチ製造に関する技術援助契約、技術指導 | 2005年10月19日より 5年間 |
台湾 | 台湾厚木工業有限公司 [TAMP Auto Parts Ind. Co., Ltd.] |
クラッチ製造に関する技術援助契約、技術指導 | 2009年6月9日より 5年間 |
コロンビア | Bonem | クラッチ製造に関する技術援助契約、技術指導 | 2005年7月1日より 5年間 |
設備投資
設備投資額 | (単位:百万円) |
2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 | |
全社 | 18,586 | 14,892 | 12,640 |
MT事業 | 4,557 | 2,330 | 2,352 |
AT事業 | 11,155 | 10,970 | 9,477 |
MT事業
-本社およびアジア子会社での合理化及び増産対応等による投資。
AT事業
-本社および国内子会社での増産対応等による投資。
設備投資計画
-2010年3月期、同社グループは12,000百万円の設備投資を計画。このうち、MT事業に2,000百万円、AT事業に8,300百万円を投資する。