アルプス電気株式会社 2009年3月期の動向
ハイライト
業績 | (単位:百万円) |
2009年 3月期 |
2008年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 538,995 | 692,656 | (22.2) |
- |
営業利益 | (26,524) | 19,876 | - | - |
経常利益 | (23,305) | 13,123 | - | - |
当期純利益 | (70,064) | 4,418 | - | - |
電子部品事業 | ||||
売上高 | 297,948 | 391,424 | (28.4) | -電子部品業界は、携帯電話市場の減速や、世界的な自動車販売の低迷による減産などの影響を受け、事業を取り巻く環境が大変厳しいものとなる。特に下半期以降の世界的な不況により、経営環境が悪化した。 |
営業利益 | (20,062) | 6,318 | - |
電子部品事業内の自動車部品関連業績
コンポーネント事業
-部門の売上高は、76,800百万円で、前期比31.7%減。
-車載向けセンサやスイッチなどの売上が、世界的な自動車減産に伴い減少。
車載電装事業
-部門の売上高は、78,100百万円、前期比28.4%減。
-上期における原油価格の高騰や景気後退による消費の落ち込みなどから、特に北米市場における大型車を中心とした自動車の販売台数が激減、また下期以降には、日欧自動車メーカーにおいても大幅な減産が相次いだため、製品全体の売上が減少。
2010年3月期の見通し
緊急収益改善施策と構造改革
-2009年2月、収益力の改善を目的とした緊急収益改善施策と構造改革を進めると発表。人件費の削減、経費や投資の絞り込みを行う。構造改革では、4月1日付で新たな事業本部制に再編し、それぞれの事業部ごとに技術部門と営業部門とを融合させ、市場開拓の推進や拡販・販売活動の強化を図る。損益分岐点を引き下げるため、海外事業所において5拠点程度及び国内事業所において数拠点の統廃合を行っていく予定。また、不採算製品の整理も行う。(2009年2月7日付日刊自動車新聞より)
電子部品事業の構造改革概要
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AUTO=Automotive |
-2010年3月期の売上高見通しは、950億円。
-従来はコントロールパネルやステアリングモジュールといった車種別カスタム製品を多く手がけてきたが、今後はこれらのモジュール製品に加え、車種を選ばないコンポーネント製品や高周波製品に注力する構え。
開発動向
研究開発費 | (単位:百万円) |
2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 | |
全社 | 40,304 | 42,255 | 46,804 |
電子部品事業 | 13,850 | 15,015 | 18,002 |
電子部品事業
-英ケンブリッジ大学、米マサチューセッツ工科大学を始め、国内外の大学や研究機関等とのコラボレーションを図るとともに、プロセス・電子部品の技術開発等を行う事業開発本部と、各製品事業領域で市場密着型の製品開発を行う事業部の開発・技術部門を中核とし、研究開発を展開。
コンポーネント事業
-車載用センサについては、南米及び中国向けの2種類のスロットル・ポジション・センサの開発が完了。南米向けは量産を開始し、中国向けは2009年に量産を開始する予定。欧州ディーゼル車ターボ・システム用リニア・ポジション・センサの開発を完了し、2009年に量産を開始する予定。
-車載エアコンやオーディオ操作用にチップLED付き中空可変抵抗器「RK45C」を開発し、12月から量産を開始。チップ型LEDを搭載し、従来は難しかった中間色を表示でき、赤、アイスブルー、緑、白の色調に対応する。LEDをスイッチカバー近くの高い位置に搭載したことで、高い輝度を得られることを特徴とする。従来型の砲弾型LEDタイプは継続して販売する。(2008年12月11日付日刊自動車新聞より)
情報通信事業
-車載LAN規格であるMOST向けコネクター「FLTM1G1シリーズ」を開発しサンプル出荷を開始。同社が光通信用コネクターを商品化するのは初めて。5ボルトと3.3ボルトの2種類の電源電圧に対応したことが特徴で、回路設計の自由度を高めた。光ファイバーケーブルとの光結合部には自社製の非球面レンズを使用し、結合効率の向上や光ファイバーの位置ずれの防止を図った。オーディオ、カーナビなどで用いるMOST規格の接続向けとして提案する。接続部分となるハウジングケース部には、耐熱性が高い樹脂を使用し耐熱性を高めたため、従来までは不可能だったはんだ槽を用いたフロー方式によるはんだ付けを可能とした。また、ノイズ対策として一体型の金属性シールドカバーで本製品を覆い、電磁波の影響を防止している。外形サイズは25.20×26.45×13.00ミリメートル。量産開始は2009年9月を予定。(2009年2月28日付日刊自動車新聞より)
車載電装事業
-固有技術・要素技術を応用した製品を通じて、HMI (Human Machine Interface)領域において、入力、コミュニケーション、センサの各デバイスを機軸に部品から統合システム製品まで研究開発を展開。
<開発項目>
-フォースフィードバック技術、静電容量検出技術を新しい入力機器として応用したコックピットデモンストレーション及びブラインドインプットパネルの開発。
-バイワイヤ技術を駆使した電子シフターの開発。
-複雑化するドライバー周辺の入力操作をより簡便化するマルチインプットデバイスの第二世代となる2軸操作ハプティックコマンダー(R)の開発。
-車載用リアワイドカメラによる障害物検知システムの開発。
-ドライバーの安全なエアコン操作を目的とした車載用多機能操作デバイス「eクリックチェンジャ」を開発したと発表。eクリックチェンジャは、一つのダイヤルで3種類の機能操作を可能にした車載用コントローラー。2層の回転ダイヤル操作方式をとり、外側のダイヤルでエアコンの風向切り替え、温度調節、風力調節の3機能を選択し内側のダイヤルでそれぞれの機能調節を行うことができる。(2008年9月26日付日刊自動車新聞より)
-タイヤと路面の接地状況を検知する機能を持つタイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS)を開発することを明らかにした。開発済みのバッテリーレスTPMSに新機能を付け加える。適正な空気圧を保つことに加え、タイヤのグリップ力を使い切るという、より積極的な安全機能を持たせ走行制御に生かす狙い。(2008年10月10日付日刊自動車新聞より)
Alps Show 2008 情報 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
35回目を迎えるAlps Showは、人と地球にとっての快適さの実現に向け、「You Meet Comfort 」をテーマに2008年9月25日、26日の2日間にわたって開催された。 出展点数は、「オートモーティブ」を含む全セクション合計で約900点、新製品約60シリーズ。来場者数は約5,000人。 以下「オートモーティブ」セクションに参考出品された製品を紹介する。
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設備投資
設備投資額 | (単位:百万円) |
2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 | |
全社 | 47,202 | 43,153 | 45,307 |
電子部品事業 | 34,363 | 26,349 | 29,525 |
電子部品事業
-コンポーネント事業部での新製品対応や携帯電話向けコンタクトシート、車載用センサ・スイッチ等の増産に対応するため、製造設備へ投資。
設備の新設
事業所名 (所在地) |
事業の種類 | 設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着手年月 | 完了予定 |
アルプス電気 MMP事業本部(旧コンポーネント事業部) (宮城県大崎市) (新潟県長岡市) (宮城県角田市) |
電子部品 | コンポーネント部品の製造設備等 | 6,383 | 2009年4月 | 2010年3月 |
アルプス電気 本社、プロセス技術センター他 (東京都大田区) (宮城県仙台市)他 |
電子部品 | 本社・支店施設、研究開発設備等 | 2,285 | 2009年4月 | 2010年3月 |
アルプス電気 MMP事業本部 (旧車載電装事業部) (宮城県大崎市) |
電子部品 | 車載電装用品の製造設備等 | 1,500 | 2009年4月 | 2010年3月 |
アルパイン いわき事業所 (福島県いわき市) |
音響製品 | 機械装置、工具器具備品、金型 | 2,921 | 2009年4月 | 2010年3月 |