旧 アルパイン (株) 2018年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2018年
3月期
2017年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 275,281 247,751 11.1 -国内市販市場向けアルパインブランドの車種専用製品の売上が堅調推移、また中国市場における欧州自動車メーカー向け純正品の売上が伸長。円安効果も寄与。
営業利益 13,748 5,612 145.0 -増収に加え、研究開発費の効率化等による固定費の抑制により増加。
経常利益 13,669 7,439 83.8 -
親会社株主に帰属する当期純利益 9,326 7,760 20.2 -

要因

1)音響機器事業

ー自動車メーカー向け純正品において、静寂性に優れた高級車向けに臨場感のある高音質を訴求したスピーカーやアンプに加え、自動車の燃費や環境に配慮した薄型・軽量スピーカーや、車室内デザインの変化に対応するために設置場所の自由度を向上させた軽量・小型の『レイアウトフリースピーカー』の受注拡大を図ったことにより、前期比17.5%増。

2)情報・通信機器事業

ー自動車メーカー向け純正品において、高級車を中心に標準装備となるディスプレイ製品が、受注の端境期を受け一部の自動車メーカー向けに減少したものの、中国において欧州高級自動車メーカー向けナビゲーションの販売が好調推移。

経営統合

アルプス電気との経営統合

アルプス電気アルパインは2018年2月、2017年7月に決定した経営統合について、カンパニー制の導入を発表した。それぞれの管理部門、企画立案などの共通機能はアルプス電気が商号変更した「アルプスアルパイン」へ集約し、電子部品事業を担当する「アルプスカンパニー」と車載情報事業を担当する「アルパインカンパニー」を設ける。また、両社は7月に業務提携契約を締結し、来年1月にはアルパインを完全子会社化する予定。競合しない製品分野で両社共通の顧客へのプロモーション、共同開発の推進、生産拠点や評価設備の相互活用、調達の共有化を進めるなど相乗効果の創出を狙う。

 

受賞

ービッグXシリーズがJ.D.POWER6年連続第1位受賞。

ーリアカメラdeあんしんプラス2がホンダアクセス優良感謝賞3年連続受賞。

ーGMから「サプライヤー・オブ・ザ・イヤー」4年連続受賞。


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
2018年3月期 2017年3月期 2016年3月期
全社 10,200 15,400 19,600
音響機器事業 2,000 2,800 2,500
情報・通信機器事業 8,100 12,600 17,000

研究開発活動

ースピーカー振動版にCFRTP(熱可塑炭素繊維樹脂)を採用し、従来の振動版にない高音質化と耐熱性の両立に成功。金属代替え技術の範囲を超え、内部損失や異方性の特徴を生かしたスピーカー振動板への採用を目指し開発を推進しており、アルパインブランド商品より順次製品化の予定。

ーコミカミノルタ株式会社の保有する世界初の技術(フロントガラス越しにピント位置が近距離から遠距離まで奥行きを持った任意の位置に同時に重畳させて表示させる技術)を応用し、車載用に適用していくことを目的として共同開発を開始。

ー東芝デジタルソリューション株式会社との共同開発、関西電力株式会社との協力を得てドローンによる架空送電線の自動追尾飛行撮影美実証実験に成功。同社の高精度位置精度技術(地図情報)とセンサー技術により、強風の影響による揺れなどの過酷な条件の中での自動追尾を実現。IoT、AI技術への応用を目指す。

Karamba Securityは、グローバルサプライヤー4社がコネクテッド、自動運転分野で協業すると発表した。米国のHoneywell、日本のアルパイン、ドイツのIAVおよびイスラエルのKaramba Securityが安全な車両のマルチレイヤーソリューション開発で提携する。Karamba Securityがサイバー攻撃の防止システムを開発、HoneywellOEM Security Operations Center (SOC)へサイバー攻撃を報告する。Alpineはインフォテインメントシステムを提供。IAVがエンジニアリングした車両でデモ走行を行うという。(20171218日付プレスリリースより)

ー同社はソフトウエア開発会社のシーズ・ラボ (札幌市中央区) への出資比率を引き上げると発表。アルパインのシーズ・ラボへの出資比率は22.5%だったが議決権ベースで51%に引き上げて子会社化する。自動運転時代に向けたカーナビアプリケーションソフトウエアの開発力を強化するのが目的。シーズ・ラボは今後、アルパイングループで人工知能 (AI) 技術を含む先端技術や、クラウド系ソフトやサーバー関連、次世代ナビソフトなどの開発を担う。(2017年6月23日付日刊自動車新聞より)

主な技術導入契約

(2018年3月31日現在)
契約先 国名 契約内容 契約期間
Dolby Laboratories Licensing Corporation 米国 DVD等の雑音低減装置に関する特許実施権の許諾 1998年1月1日から
特許存続期間満了日まで
株式会社 東芝 日本 DVDプレーヤーに関する特許実施権の許諾 2000年12月31日から
2017年12月31日まで
以後5年ごとの自動更新
Microsoft Corporation 米国 基本ソフトに関する使用権の許諾 2003年7月1日から
2017年12月31日まで
以後5年ごとの自動更新
ソニー株式会社 日本 オーディオ機能付きナビゲーション機器に関する特許実施権の許諾 2014年1月1日から
2018年12月31日

設備投資額

(単位:百万円)

2018年3月期 2017年3月期 2016年3月期
全社 8,611 7,978 7,494
音響機器事業 1,450 1,538 1,648
情報・通信機器事業 7,160 6,440 5,845


設備の新設

(2018年3月31日現在)
事業所名 所在地 設備の内容 投資
予定額
(百万円)
着手年月 完了予定年月 摘要
いわき事業所 福島県
いわき市
生産設備・研究開発・その他設備 5,785 2018年4月 2019年3月 新製品・増産
合理化等
Alpine Electronics Manufacturing of Europe, Ltd. ハンガリー
ビアトルバージ市
生産設備 2,116 2018年4月 2019年3月 新製品・増産
合理化等
Dalian Alpine Electronics Co. Ltd. 中国
大連市
生産設備 674 2018年4月 2019年3月 新製品・増産
合理化等