アイシン・エーアイ (株) 2008年3月期までの動向

ハイライト

近年の動向

受注

トヨタ
-2007年9月、新型「ランドクルーザー」向けの後輪駆動(FR)車用高容量トランスファー「TN2」を受注し、生産を開始。このトランスファーは、2009年3月期に国内外合わせて年間30万台規模の販売を目指している。(2007年9月25日付プレスリリースより)

-2005年3月、IMV(革新的国際多目的車)プロジェクト向け後輪駆動(FR)車用5速MTの生産を開始。同年4月より「Toyota Motor Thailand Co., Ltd.」のサムロン工場へ納入を開始し、IMV「Hilux Vigo」に搭載される。初年度の2005年12月期は6万台の納入を計画、今後は年間10万台規模の納入を見込んでいる。(2005年3月17日付プレ スリリースより)

三菱自動車
-2005年8月、「Mitsubishi Motors (Thailand) Co., Ltd.」(MMTh)が生産するピックアップトラック「トライトン」向けに、後輪駆動(FR)車用5速MTの生産を開始したと発表。同社のタイ拠点では、2005年6月よりMMthに納入を開始。2005年12月期の納入台数は約2万台を計画し、次年度以降は年間8万台の販売を目指している。(2005年8月31日付プレスリリースより)

Porsche
-2004年9月、Porscheと初取引を開始、「911 Carrera」向けの6速MTを納入開始した。今回受注したMTは、同社初となるRR(リアエンジン・リアドライブ)用6速MTで、同社の本社工場で生産する。(2004年9月16日付プレスリリースより)

GM
-ロシアのGM-Avtovaz社から四輪駆動用の5速MTを受注し、2003年11月より納入開始。2004年後半から販売予定の輸出用SUV四輪駆動 車「 Chevrolet Niva」(1.8リットルガソリンエンジン)に搭載される。本受注は年間15億円の売上増に貢献する見込み。この5速MTの生産は同社の本社工場で行わ れる。(2003年12月11日付プレスリリースより)

-2003年6月、米国のGMから後輪駆動(FR)車用5速MTを受注し、同年10月より納入開始すると発表。対象車両はピックアップトラックの「Colorado」および「Canyon」で、2005年3月期は約36億円の売上増に貢献する見込み。愛知県に位置する同社の本社工場で生産し、Aisin World Corp. of America (AWA)を通じて販売する。なお、北米における同社の取引先は、DaimlerChryslerに次いで2社目となる。(2003年6月3日付プレスリリースより)

マツダ
-2003年4月、後輪駆動(FR)車用6速MTを「RX-8」向けに納入開始したと発表。初年度の売上高は約30億円を見込んでいる。マツダとの取引は、1997年12月に開始した「Roadster」向けの後輪駆動(FR)車用6速MTに次ぐもの。(2003年4月15日付プレスリリースより)

国内動向

-2006年7月、MTの国内生産累計が1,000万台に到達。1998年3月期に前輪駆動(FF)用MTの生産を開始して以来、欧州を始めとした海外向け車両に同社の乗用車用MTが搭載されたことが、生産台数の大幅増につながった。(2006年7月13日付プレスリリースより)

海外動向

<ドイツ>
-2007年1月、ドイツの「Aisin AI Europe GmbH」が営業を開始。同社製品の販売とアフターサービスを行い、欧州市場での事業拡大を目指す。(2007年1月1日付プレスリリースより)

<中国>
-アイシン精機と同社は2003年4月、中国の合弁生産会社「唐山愛信歯輪有限公司」(河北省唐山市)を日本側の全額出資会社にした。現地の唐山歯輪集団有限公司が65.015%所有していた株式すべてを両社が取得。これにより、アイシン精機の出資比率は77.015%に、同社は20%に引き上げられた。 豊田通商の出資比率2.985%は変化なし。取得額は両社合計で2億4千万元。唐山愛信はMTを年間17万台生産。中国のトヨタ拠点や東南(福建)汽車工業有限公司などに供給している。2007年度には生産台数を年間50万台まで引き上げる計画。(2003年4月1日付日刊自動車新聞より)

<タイ>
-2002年9月、マツダ(株)が100%保有する「Mazda Engineering (Thailand) Co., Ltd.」の全株式を取得し、社名を「Aisin AI (Thailand) Co., Ltd.」に変更。MT、歯車等の自動車部品の製造・販売を行う。主な納入先は「AutoAlliance (Thailand) Co., Ltd.」や「Isuzu Engine Manufacturing Co., (Thailand) Ltd.」を予定。同社にとって初めての海外生産拠点となる。(2002年9月10日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発拠点

テクニカルセンター 愛知県西尾市

製品開発

後輪駆動(FR)車用高容量トランスファー
-2007年9月、後輪駆動(FR)車用高容量トランスファーを発表。動力伝達構造を変更することで、従来製品に比べてトルク容量をアップ、且つ軽量・コンパクト化を実現し、燃費向上に寄与。本製品はトヨタ 「ランドクルーザー」に搭載。

前輪駆動(FF)車用6速MT
-2005年7月、2.0-3.8リッタークラスの前輪駆動(FF)車用6速MTを開発したと発表。3軸タイプギヤトレーン構造の開発により、高容量6速MTを従来の5速MTと同等の全長で実現した。搭載車両はトヨタ 「アベンシス」、マツダ 「アテンザ」(海外名:Mazda 6)、「プレマシー」(海外名:Mazda 5)、三菱 「エクリプス」。2006年3月期の販売計画は21万台で、2007年3月期には40万台の販売を目指している。(2005年7月25日付プレスリリースより)

ハイブリッド車(HEV)用変速機構
-2004年9月、ハイブリッド車(HEV)用の変速機構を開発すると発表。MTをベースにギアチェンジを自動化した次世代変速機「オートメーテッドマニュアルトランスミッション(AMT)」で培った技術を応用し、早期の実用化を目指す。HEVは、主要納入先のトヨタ自動車がグローバル生産・販売に向け た方針を打ち出すなど、本格普及が見込まれている。こうした中、既存のHEV用変速機と比べて、駆動効率、コストに優れる機構を実現して新規受注の開拓に結びつける。同社がグループのアイシン精機と共同開発したAMTでは、緻密な変速制御によりMTを上回る燃費を確保することが可能となった。こうした特徴を生かしながら、最高の効率を実現する。CVTを上回る性能を確保するため、6速以上の多段化を前提に開発する。(2004年9月28日付日刊自動車新聞より)

オートメーテッドマニュアルトランスミッション (AMT)

-2003年4月、同社はアイシン精機、トヨタ自動車と共同でMTベースの新型自動変速「オートメーテッドマニュアルトランスミッション」を開発したと発表。トヨタの欧州向け小型車「ヤリス」(日本名ヴィッツ)に搭載を開始。トヨタ車がこうした変速機を採用するのは初めてのこと。変速制御の自動化、最適化により、燃費性能は、MTを約4%、ATを20%上回る。新型変速機は、クラッチ系を含む基本構造をMTと同様としながら、アクチュエーターを追加、クラッチ操作とシフト操作を自動化し、AT同様のイージードライブ性を実現した。こうしたMTの特性を活かしながら、燃費効率、スポーツ性に優れるMTが変速機の主流となっている欧州でのビジネス拡大に結び付ける。(2003年4月17日付日刊自動車新聞より)