Teksid S.p.A 2007年度の動向

ハイライト

業績
百万ドル 2007
年度
2006
年度
増減率 要因
売上 783 979 20.0% 以下に記載
営業利益 47 56 -16.1%

全体
アルミ事業を手がけるTeksid Aluminum S.r.lは、Fiatグループの完全完全子会社となったため、2007年9月から業績報告の対象となった。
上記事業の影響を除いた売上高は、前年度よりわずかに減少(-3.4%)。

鋳鉄事業部門
2007年度の鋳鉄事業部門は、前年度より売上で3.1%、販売量で3.8%減少。この減少は、北米市場の減収(-34.3%)が要因で、ブラジルの売上増(+8.3%)および欧州の売上増(+7.6%)によって部分的に相殺。 特に米ドル安による不利な為替レートも要因。
鋳鉄事業部門での特筆すべき点として、共同経営企業である、Hua Dong Teksid Automotive Foundry Co. Ltdに持分法を適用して中国における事業に積極的に関与したことが挙げられる。 同社の販売量は前年度比25.8%増を記録。

事業売却

2007年3月、マグネシウム事業部門が運営するMeridian Technologies Incの株式を、スイスの持株会社Estatia AGを筆頭とする投資コンソーシアムに売却。 同社の事業は売却日をもって、連結対象外となった。

2007年6月、中国にあるTK Aluminumの工場を、ALFA, S.A. de C.V.の子会社で、ハイテクアルミ製自動車部品メーカーのNemakに売却する手続きが完了したと発表。

開発動向

研究開発費用
百万ユーロ 2007 2006 2005 2004 2003
研究開発費用 1 5 5 4 7

製品開発
転圧黒鉛鋼(CGI: Compacted Graphite Iron)
-製品化されてから長期間たっているが、自動車分野での重要度が増したのはここ数年。
-金属基質内にランダムに拡散したグラファイト形状がこの素材の特徴。
-両端が丸みを帯びた長だ円形で、これら微粒子全体で三次元の均質な、相互に繋がった網状の模様を構成する。この構造が、CGIを特徴付ける性質を生み出す。
-通常のねずみ鋳鉄に比べて、グラファイトと基質の境界沿いに鋭角的な突起が無いため、素材内でのひび割れが起こりにくい。この特性により、静的及び動的な機械的性質を大幅に増加。
-さらに、ダクタイル鋼とは異なり、網状構造が熱伝導性及び衝撃吸収性を高いレベルで維持する。これら特性により、CGIは内燃機関のシリンダーブロック及びヘッド生産に適した素材であるとしている。

R&Dの中期計画
-NDCシステムを生産サイクルに統合
-低周波疲労エンジンコンポーネント開発のための材料データベース化
-エンジンコンポーネントの新たなコンセプトづくり
-黒鉛鋳鉄工程のコンパクト化と製品開発
-試作品立ち上げのリードタイム短縮

設備投資

設備投資費用
有形資産と無形資産への投資
(単位:100万ユーロ)
  2007 2006 2005
合計 32 32 45

2000年以降の主な設備投資

2000年7月 イタリアRovigoのTeksid For SpAの株式をスペインBarcelonaのInfun SA Groupに一部売却
2001年4月 米国アラバマ州でアルミニウム鋳造の新工場設立(フル稼働2004年予定)
Teksid Aluminum Components Inc.
北米向けシリンダーブロック&シリンダーヘッドの供給
第1工場はlost-foam鋳造、製造延床面積220,000平方フィート
当初はGM Saturn部門向けにヘッド&ブロックを年産300,000セットを予定
第2工場は高圧ダイキャストによるV-6シリンダーブロック供給
年産300,000ユニット以上を予定、製造延床面積70,000平方フィート
2001年4月 中国の新工場Hua Dong Teksid Automotive Foundryオープン
現地メーカーの調達ニーズに対応し、乗用車&小型商用車向けエンジンブロックの生産
年産100万基(50万トン)

2007年

2004年に開始されたCrescentino工場の改修が完了。