Brembo S.p.A. 2017年12月期の動向
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2017年12月期 | 2016年12月期 | 増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 2,463.6 | 2,279.1 | 8.1 | |
営業利益 | 346.3 | 327.5 | 5.7 | |
部門別売上高 | ||||
-乗用車用製品事業 | 1,891.0 | 1,736.2 | 8.9 | 1) |
-モーターバイク用製品事業 | 226.9 | 205.1 | 10.6 | 2) |
-商用車用製品事業 | 226.1 | 224.5 | 0.7 | 3) |
要因
1)乗用車用製品部門
-2017年12月期の乗用車用製品部門の売上高は前年比8.9%増の1,891.0百万ユーロ。Asimco Meilian Braking Systemsの買収を除くと、部門の売上は7.6%の増加。中国と欧州の売上改善が寄与。
2)モーターバイク用製品部門
-2017年12月期のモーターバイク用製品部門の売上高は前年比10.6%増の226.9百万ユーロ。イタリアおよびインドの売上改善が寄与。
3)商用車用製品部門
-2017年12月期の商用車用製品部門の売上高は前年比0.7%増の226.1百万ユーロ。小型、中型、大型全てに渡り売上増加したことが部門の売上を押し上げた。
研究開発体制
-全従業員の約10%にあたるエンジニアと専門家が研究開発に従事。
-イタリア、ポーランド、中国および米国に研究施設を保有。
研究開発活動
-ブレーキディスクの振動容量に作用するパラメーターを組み込んだ新しいシュミレーション技術の開発を続けており、完成すると、設計の初期段階においてブレーキシステムの快適特性を改善するパラメーターを明確にすることができる。
-鋳鉄製ブレーキディスクでは、ディスクの重量軽減、幾何学的形状変更、冷却と換気能力の改善等を行っている。
-軽量ブレーキディスクに使用される摩擦材の開発を引き続き行っている。同社は摩擦材料を自社開発できる唯一のメーカーと認識している。
-自動車市場でより一般的になってきているメカトロシステムの研究開発を継続している。メカトロ技術によって、電動モーターや新しいサスペンション-ステアリングコンセプト等のシステムと、ブレーキシステムとの連動が可能になる。同社はブレーキバイワイヤーシステムやABSユニットと一体化した電子制御制御付き電動パーキングブレーキ(EPB)の開発を継続している。
製品開発
軽量ブレーキディスク
-ブレーキディスクの軽量化開発として、新たなブレーキディスクコンセプトを打ち出した。
-ブレーキリングに鋳鉄を、またディスクハットに薄い鋼板を使用し、従来品に比べ15%の軽量化を実現。量産型としてSクラス, Eクラス, Cクラス等すべてのMercedes MRA プラットホームに採用されている。
アルミ合金ブレーキキャリパー
-チキソトロピー性アルミ合金からブレーキキャリパーを製造することに成功。チキソトロピー性アルミ合金は、鋳造アルミ合金に比べ低温で製造することができる。これにより、従来の性能を維持しながら5~10%の製品軽量化を実現。
設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2017年12月期 | 2016年12月期 | 2015年12月期 | |
全社 | 360.7 | 263.6 | 155.9 |
-2017年12月期の設備投資額は326.7百万ユーロで土地、工場および設備機器の購入に充てられ、残り34.0百万ユーロは研究開発費に投じられた。
投資
<メキシコ>
-同社は、メキシコEscobedoの鋳造工場の操業を開始したと発表した。同社にとって9番目となる鋳造工場で、広さ269,000平方フィート、溶解能力は年間約70,000トンで、鉄製ブレーキディスクを鋳造する。今回の操業は、生産ラインのシステムが正しく機能するかをチェックする予備的なテストだという。同社は131百万ドルを投じて2016年10月からEscobedoの2施設でアルミキャリパーを生産している。Escobedoで生産される製品は、米国、欧州、アジアの自動車メーカーのメキシコ工場に供給される。