Brembo S.p.A. 2008年12月期の動向
ハイライト
業績 | (単位:百万ユーロ) |
2008年 12月期 |
2007年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
売上高 (全社) | 1,060.8 | 919.9 | 16.3 | 1) |
要因
全般
-2008年度上半期は企業買収と既存事業拡大が起因となり売上は好調。下半期、特に第4四半期においては2007年夏に始まった世界的経済不況の結果、乗・商用車用製品に対する需要が激減しグループ全体の事業に影響を与えた。クリスマス時期にはほとんどの自動車メーカーは長期間にわたって操業を中止。同社も厳しい経済環境に対応するためイタリア国内と海外の自社工場の従業員削減を含む大胆な対策を実施、低迷する需要レベルに合わせた生産調整を行った。また、イタリアでは余剰人員雇用補償基金を活用した。
乗用車用製品事業
-2008年度の乗用車製品の売上は660,806千ユーロ。これは全社売上の61.8%。対前年比15.9%上昇。当該製品を取り扱う同社の主要市場における販売は、スペインは28.1%、英国は11.3%、イタリアは13.5%と激減した。ドイツとフランスは、第4四半期は減少したものの年度初めの数か月間売上が伸びて安定。東欧諸国は全般的に好調で8%成長。米国は2008年度もマイナス傾向が続き18%減少。日本も4.4%減少。ブラジルとアルゼンチンは第4四半期に入って成熟市場を襲った不況の影響の兆しが窺えたものの14.2%の成長を記録した。
商用車・小型トラック用製品事業
-2008年度の商用車・産業用車両用の全体売り上げは前年比で8.3%伸びて177,772千ユーロを計上。主要市場でみると、スペインでは-29.4%と激減、イタリアはやや減って3.7%の減少。一方、ドイツは2007年度並みに安定。フランスと英国は増収でそれぞれ+9.6%と+13.1%。
企業買収
-中国の子会社(Brembo China)を通じ、Nanjing Automobile (Group) Corp. (NAC)が保有するNanjing Yuejin Automotive Brake System Co. Ltd.(NYABS)の株式42.25%を取得することで合意。取引額は約5.9百万ドル。NYABSは、Bremboと南京汽車との合弁会社。 NYABSは南京に生産拠点を置いている。同拠点の建屋面積は23,000 m2、従業員数は270人。(2008年2月4日付プレスリリースより)
-同社とDaimlerの折半出資によるイタリアの合弁会社「Brembo Ceramic Brake Systems S.p.A」 (BCBS)に関して、Daimlerの全持分を取得する契約を締結した。 取得金額は9百万ユーロ。BCBSはカーボンセラミック製ブレーキディスクをFerrari、Mercedes McLaren、Aston Martin、Corvette等に供給しており、今年度の売上は27百万ユーロの見込み。また、BCBSは現在の生産能力を2倍に拡大するため、今後10百万ユーロを超える投資を計画している。(2008年9月23日付プレスリリースより)
開発動向
研究開発費
-グループ内の従業員のうち9%が研究開発業務に従事し、グループ総売上高の約5%を超える費用を研究開発費として計上。
研究開発組織
-R&DセンターがStezzano市(ベルガモ州)にある科学技術パーク「Kilometro Rosso」に移転し、2006年末に稼動を開始した。同センターは、メカトロニクスとセンサー技術に関する研究開発を行う。
R&Dセンターには、BremboとDaimlerが設立した合弁事業であるBrembo Ceramic Brake Systemsの研究所も設置されており、ここでは、スポーツカーモデルに特化して搭載されるセラミックブレーキディスクの開発・製造を手がける。
2008年度研究開発のトピック
-ディスクブレーキ製品領域の研究開発はBrake Disc 事業部に設置されているDisc Technologyユニットが担当し数多くの戦略的プロジェクトに携わっている。応用技術に関連するプロジェクトは5件ありそれぞれ欧州と米国の自動車メーカー向け製品を開発中。プロジェクトのひとつは2007年にイタリアのメーカー向けに生産を開始したco-castディスクと呼ばれる新しいディスクブレーキが挙げられる。これは、同社の鋳鉄に関するノウハウとアルミの使用に関するノウハウを組み合わせた新概念のディスクで、鋳鉄製ブレーキ表面によって最高の 制動性能を発揮し、アルミハットによって軽量化を実現する。乗り心地安定を継続的に改善する目的で、ディスクブレーキの音響性能に効果があるパラメーターを開発。特に「ヒューヒュー鳴る音」の削減ないし防止効果がある新しい合金の研究を継続中。
-システム関連では、電気駐車ブレーキシステムなどのメカトロニクス・プロジェクトの研究開発を計画に従って取り組んでいる。プロジェクトは運転手の意図をブレーキ製品にかける制動力に変換する制御装置による電気ボタン式電子メカニカルブレーキシステムに関するもの。2008年度にはこの研究内容を複数のメーカーに提案。商用車としてこの製品に興味をもったメーカーへの具体的な開発に進展。しかしこの開発は商用車販売の落ち込みを理由としてメーカーが生産計画を見直すこととなり開発計画はストップしている。乗用車用駐車ブレーキシステムは現段階での開発計画はない。しかし、提案に対して興味を示したメーカーもあり、同社ではそうしたメーカーとの商談を通じて2009年度にはシステム開発注文を期待している。上記ふたつの製品開発のビジネスパートナーは、従来の取引先ではないメーカーが対象。これにより、今後同社のR&D組織の新たな展開も予想される。
-グループ内の従業員のうち9%が研究開発業務に従事し、グループ総売上高の約5%を超える費用を研究開発費として計上。
研究開発組織
-R&DセンターがStezzano市(ベルガモ州)にある科学技術パーク「Kilometro Rosso」に移転し、2006年末に稼動を開始した。同センターは、メカトロニクスとセンサー技術に関する研究開発を行う。
R&Dセンターには、BremboとDaimlerが設立した合弁事業であるBrembo Ceramic Brake Systemsの研究所も設置されており、ここでは、スポーツカーモデルに特化して搭載されるセラミックブレーキディスクの開発・製造を手がける。
2008年度研究開発のトピック
-ディスクブレーキ製品領域の研究開発はBrake Disc 事業部に設置されているDisc Technologyユニットが担当し数多くの戦略的プロジェクトに携わっている。応用技術に関連するプロジェクトは5件ありそれぞれ欧州と米国の自動車メーカー向け製品を開発中。プロジェクトのひとつは2007年にイタリアのメーカー向けに生産を開始したco-castディスクと呼ばれる新しいディスクブレーキが挙げられる。これは、同社の鋳鉄に関するノウハウとアルミの使用に関するノウハウを組み合わせた新概念のディスクで、鋳鉄製ブレーキ表面によって最高の 制動性能を発揮し、アルミハットによって軽量化を実現する。乗り心地安定を継続的に改善する目的で、ディスクブレーキの音響性能に効果があるパラメーターを開発。特に「ヒューヒュー鳴る音」の削減ないし防止効果がある新しい合金の研究を継続中。
-システム関連では、電気駐車ブレーキシステムなどのメカトロニクス・プロジェクトの研究開発を計画に従って取り組んでいる。プロジェクトは運転手の意図をブレーキ製品にかける制動力に変換する制御装置による電気ボタン式電子メカニカルブレーキシステムに関するもの。2008年度にはこの研究内容を複数のメーカーに提案。商用車としてこの製品に興味をもったメーカーへの具体的な開発に進展。しかしこの開発は商用車販売の落ち込みを理由としてメーカーが生産計画を見直すこととなり開発計画はストップしている。乗用車用駐車ブレーキシステムは現段階での開発計画はない。しかし、提案に対して興味を示したメーカーもあり、同社ではそうしたメーカーとの商談を通じて2009年度にはシステム開発注文を期待している。上記ふたつの製品開発のビジネスパートナーは、従来の取引先ではないメーカーが対象。これにより、今後同社のR&D組織の新たな展開も予想される。
設備投資
-特に乗用車市場など増加する需要への対応を目的として、主に生産能力増強を目的とした設備投資を実施。工場投資に加えて、Curno
(Bergamo)の施設では3,021千ユーロを投資して拡張工事を実施。子会社のBrembo Spolka Zo.o. とBrembo
Poland Spolka Zo.o.では生産能力増強のためにそれぞれ3,379千ユーロと7,012千ユーロの大幅な投資を行なった。また、Brembo
do Brasil Ltda.でも4,339千ユーロの投資を実施。