TT electronics Plc 2011年12月期までの動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ポンド) |
2011年 12月期 |
2010年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 591.3 | 555.5 | 6.4 | 1) |
営業利益 | 34.2 | 24.9 | 37.3 | - |
コンポーネント部門 | ||||
売上高 | 242.7 | 234.6 | 3.5 | 2) |
センサー部門 | ||||
売上高 | 166.9 | 143.5 | 16.3 | 3) |
要因
1) 全社
-2011年12月期の継続事業売上高は、為替調整後で前年比6.4%の増加。為替要因を除外する場合は、目標に掲げた売上高増加率1桁台半ばあるいは後半に対して、売上高は7.2%の増加となった。
-乗用車市場の売上は、全社売上高の35%を占める最大の市場。Daimler、BMW、Volkswagen、その他新興市場における顧客からの堅調な需要が寄与。中期的には、乗用車以外の市場を伸長させることで、同比率を30%以下に減少させる方針。
-トラック、バスおよびオフロード車を含むその他自動車市場の売上高は、前年比37%以上の成長を達成。
2) コンポーネント部門
-為替要因(1.4%)を除いた2011年12月期の売上高は、前年比4.9%の増加。中国において新規顧客から受注を獲得ことにより、現地売上が倍増したことが寄与。
3) センサー部門
-為替要因(1.4%)を除いた2011年12月期の売上高は、欧州、アジアおよび北米で売上が増加し、前年比14.9%増と大きく伸張した。
-センサーの技術開発を従来のドイツと英国から、中国、インドおよびメキシコに移管している。成長著しい米州やアジアのローカル市場向けカスタマイズソリューションの提供が目的。2011年は、JAC、奇瑞汽車 (Chery)、BYDからの受注を獲得。また、インドにおいてもMahindraやTataから継続受注を獲得。
近年の動向
受注
-2011年、BMW、DaimlerおよびVolkswagenから受注を獲得。特にVolkswagenの最新グローバル仕様エンジンプラットフォーム用主要センサーのパートナーに選出された。同センサーはドイツ、中国およびメキシコで生産される。その他の主な新規事業として、BMWからコンビネーションセンサー(Combi-sensor)を受注。-2009年の新規受注の中で大きな案件はMAN社を含む欧州トラックメーカーからの受注。対象となる製品は、排気ガス対策システムで不純物除去の効果を測定する高温度センサー。この技術を搭載したMAN社製トラックとバス全モデルは、欧州環境規制Euro4およびEuro5に準拠することになる。
-2009年中にBMWから車両の発進・停止を検知する新しい速度センサーを受注。同社の特許技術である磁気センサー技術を利用して開発した製品で、BMWの4気筒と6気筒の全モデルに搭載される。2010年内生産開始予定。
-北米OEMから、クライメートコントロール部品を新規で受注。2007年半ばまでに中国に新設する工場で生産予定。
-Autopad製品は、ドイツの大手メーカー向けのアクセルペダル用に初めて搭載されることになった。 2007年に投入予定。
事業再編
-2011年、同社傘下のInternational Resistive Corporation (IRC)は、Wire and Film Technologies (WAFT)部門が米国ノースカロライナ州のBoone工場を、2012年に閉鎖すると発表。同工場における生産の大部分はメキシコMexicali工場へ、残りは米国テキサス州Corpus ChristiのAdvanced Film部門へ移管される予定。生産ラインの移転には、今後12~16ヶ月がかかる見込み。(2011年8月24日付プレスリリースより)-2009年にAB Electronicの Romford工場(英国)を閉鎖。
-2008年を通して7カ所の生産ラインを低コスト地域への移管し、さらに2009年度内には13カ所のラインも移管。
-操業時間の短縮化を含めたドイツ国内のコスト低減を目的とした各種対策を2008年度内に実施。
企業買収
-2005年3月、蘇州に拠点を持つ電子機器受託製造会社 Dage Limited ("DBS") を買収(TT electronics は、DBS社の発行済み株式を8百万ポンドで取得)。DBS社の年間売上は1,930万ポンド(利益は120万ポンド)で英国のAylesbury市と中国の蘇州に生産工場を保有。DBS社の買収により、既存の電子機器受託製造事業を拡充することができる上、中国における生産拠点を手に入れることで自動車業界大手OEM顧客の要望に対応することが可能となった。合弁会社
-2006年12月、インドの現地自動車部品サプライヤーと合弁会社を設立すると発表。合弁会社への出資比率は51%で、同社のセンサーおよびシステム部品をインドの自動車業界、およびそのほかの業界向けに製造販売する。合弁事業のパートナー企業はPadmini VHA Mechatronics Pvt. Ltd.。Padmini社はインドの地場メーカーMahindra & Mahindra、Maruti、およびTataをはじめとしてインド国内で生産拠点を持つGeneral Motors、Hyundaiといったカーメーカー向けに広範なメカトロ製品、エレクトロニクス製品を供給している。開発動向
研究開発活動
-2010年10月、同社コンポーネント部門は、ハイブリッド/電気自動車(HEV)用のマイクロインバーター/パワーエレクトロニックモジュールの開発を受注した。これは、英Protean Electricとの間で、TT electronics AB Mikroelektronikが同モジュールを設計・製造するというもの。生産はオーストリアSalzburg工場で行われる。(2010年10月5日付プレスリリースより)-温度圧力複合センサー(Combined temperature and pressure sensor)を開発。このセンサーは温度とディーゼル燃料のエンジンへの流量をコントロールするもの。ドイツの自動車メーカー向けに2006年に量産を開始。現在、ドイツの自動車業界向けに日中走行用ランプおよび方向指示器ユニットを制御する新しいソリッドステート照明モジュールを開発しており、 2008年度中に量産を開始する予定。
-Hall effect非接触式センサーは、エンジンクランクシャフトやロードホイール回転速度測定により適しており、この種のセンサーは、ステアリングに使用されるHall effectトルクおよびデジタル角度位置センサー開発が進んでいるなどAutopadシステムの開発と同時に開発している。
-2007年は、Autopadの用途を燃料レベルセンサーおよびステアリング用デジタル角度センサーに拡大する特許を取得した。
-2006年は、Autopadセンサー製品を引き続き開発し、新規に受注。 同センサーは角度測定器具に使用。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万ポンド) |
2011年12月期 | 2010年12月期 | 2009年12月期 | |
全社 | 26.6 | 17.1 | 16.3 |
コンポーネント部門 | 11.0 | 5.9 | 3.9 |
センサー部門 | 12.8 | 9.6 | 9.1 |
海外投資
<ルーマニア>-2011年、コスト低減のため新工場をルーマニアに建設中。2012年第2四半期に操業開始予定。
<メキシコ>
-2011年、米国ノースカロライナ州のBoone工場閉鎖に伴う生産ラインの移管に対応するため、メキシコMexicali工場の規模を倍増させた。2013年にフル稼働を開始し、年間2.5百万ユーロの売上を目標とする。