Montupet SA 2008年12月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万ユーロ)
  2008年12月期 2007年12月期 増減率(%) 要因
全社
売上高 395.4 488.9 (19.1) 1)

要因
1)
全社
-上半期は売上高3.8%増加、下半期は金融危機の深刻な影響を受けた。特に第4四半期の売上高は前年同期比で30%のマイナスとなった。

-ホイール事業は、出荷量が減少し、これに加えて稼働率の回復にも時間がかかったことで08年度の業績は一層低下。ホイール事業譲渡の目標は、08年12月に子会社化する計画であったが、労組との協議が長引き、計画が遅れている。

地域別
-ホイール事業を除くとフランスでは、Chateauroux工場のアウディ向けサスペンション部品以外の、出荷量が夏以降激減。小口ながら、Renault-日産の新型ディーゼルエンジンV6のシリンダーヘッド生産を開始。一方、Jaguar向けの生産は、予定より早く2008年末に終了した。

-英国では、Belfast工場も年末に出荷量が減少し、業績が低下。

-北アイルランドのCalcast工場では、Ford Explorer用シリンダーヘッドのプロジェクトが中止となったため、工場を閉鎖。

-ブルガリア工場は、AudiとRenaultのプロジェクトが遅れ、生産開始は09年4月にずれ込んだ。

-スペインのAlumalsa工場は、出荷量は07年を上回り、開発と生産の管理も順調に進み、黒字を回復。

-メキシコのTorreon工場も、08年後半の出荷量減少の影響を受けた。GM向けのプロジェクトの解約も発生。

-カナダでは、クライスラーからの注文が徐々に減少したものの、関連部品の価格が上がったため、収益は確保。しかしながら、経済情勢の変化でクライスラーが12月末に契約を解除したため、工場閉鎖と人員整理を余儀なくされた。


事業再編

-Calcast(北アイルランド)でのFord SOHCプロジェクト、およびカナダでのChrysler Bedplateプロジェクトが中止になったため、北米事業はメキシコ工場へ、英国事業はベルファスト工場へ集約し、生産工程を合理化をすすめた。これは、ホイール及び工作機械の両部門で07年から取り組んでいるリストラクチュアリングの一環。


2009年12月期以降の見通し
-中国プロジェクトは一時停止。

-計画の縮小と、GMのプロジェクト中止で空いた工場スペースと設備は、AudiとFordから08年と09年初頭に受注した案件の生産に振り向ける予定。この方針により、08年半ばに立てていた5ヵ年投資計画の当初予算(2億ユーロ)を8500万ユーロに削減することができる。この枠内で、09年及び10年の投資は、それぞれ1500万ユーロと2500万ユーロとなる見通し。2010年までには、工場内の既存スペースを使用し、2011年末までには既存の生産能力をフル稼働させる計画。

開発動向

研究開発費 (単位:千ユーロ)
  2008年12月期
全社 7,852

-なお、2009年12月期の研究開発費は、9,785千ユーロの予定。


研究開発課題
-工程調整
-より精密な工具技術(部品の寸法差を低減)
-専門生拠点の育成
Chateauroux工場:ホイール及びサスペンション部品
Saragossa工場:ブレーキ部品
Laigneville工場:シリンダーヘッド


研究開発体制
<中国>
-中国の常州国家ハイテク産業開発区への進出計画に関連し、同開発区管理委員会との間で契約書を取り交わした。同社は総額2,998万ドルを投じ同地区に拠点を開設、エンジン・シリンダーヘッドなど自動車部品の開発を行う。綿密な精査を行い、江蘇省の常州国家ハイテク産業開発区に中国初の生産拠点を開設することを決定した。プロジェクトは二期に分け、段階的にすすめる意向で、第1フェーズでは主に精密鋳造品および粗鋳造品の生産・開発を行う。初期投資額は1,500万ドル。既に同開発区への登録手続を開始しており、近々工場建設に着手する予定。(2008年2月29日付プレスリリースより)

設備投資

2008年12月期の主な投資案件
ブルガリア工場 17百万ユーロ
中国工場 4百万ユーロ*
メキシコ工場 4百万ユーロ

*中国プロジェクトは一時停止。建物が完成した後は、インフラも生産設備もない状態で維持し、プロジェクトを再開するか建物を売却するか判断する予定。