Michelin 2007年度の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ) 2007年度 2006年度 対前年比 要因
全社
売上高 16,867 16,384 3.0%
営業利益 1,645 1,338 22.9%
乗用車及び小型トラックタイヤ部門
売上高 9,041 8,991 0.6% (1)
営業利益 830 736 12.8% -
トラックタイヤ部門
売上高 5,639 5,418 4.1% (2)
営業利益 427 357 19.6% -

要因

(1) 前年度に実施した値上げ効果は、2007年度は通期で反映、売上げに好影響を与えたが、売上高でみると、為替のマイナス要因により、0.6%増に留まった。為替の影響がなければ、4.5%増になっていたはず。OEM事業では、市場占有率を伸ばした。

(2)売上は4.1%伸びた(為替の影響がない場合7%)。営業利益は19.6%上昇し、売上高利益率は1ポイントアップし7.6%。営業利益増の理由は、北米を除く全地域での販売好調と、2006年と2007年前半にほぼ全域で展開した総合的製品単価の大幅値上げが奏功したもの。


受注
-2007年7月、「Pilot Sport」タイヤをBMW 3シリーズきってのスポーツモデルと位置づけられるBMW M3クーペの新型モデルに装着すると発表。
-2007年12月、09年式「Corvette ZR1」にミシュランタイヤを搭載すると発表。同社がCorvette向けに新車装着用タイヤを納入するのは今回が初。
-2007年12月、日本ミシュランタイヤは、乗用車用タイヤの「ENERGY MXV8」が、新型ホンダインスパイアの工場装着タイヤとして採用されると発表。
-2007年、Volvoとの世界規模の長期供給契約を更新した。この契約がカバーするのは、欧州、北米、南米地域で、Volvoトラック、Volvoバス、Renault トラック、Mark トラックブランド向けのオリジナルタイヤ。


企業買収
-2007年10月、Michelin North Americaは、Cooper Tire & Rubber Company傘下のOliver Rubber Companyの買収手続を完了したと発表した。Oliver Rubberは、タイヤおよび更正タイヤ機器メーカーで、既に子会社としてMichelin North Americaの事業に編入されている。この買収により、更正タイヤ製品部門(MRT)の生産能力を拡充するとともに、Oliver Rubberの既存拠点網の機能を活用することで、更正タイヤの需要が高い北米商用車市場において事業強化を図ることが可能となる。


売却
-2007年10月、フランス、スペインにおける事業戦略見直しの一環として、Toul工場(フランス)での生産を2009年までの打ち切ると発表。スペインにおいては、国内全工場で競争力強化を図るとともに、Lasarte工場では二輪車用タイヤの生産に特化する方針。

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ) 2007年度 2006年度 2005年度
合計 571 591 565
対売上比率 3.4% 3.6% 3.6%

研究開発体制

-欧州、北米、アジアに4000名のリサーチ・エンジニアスタッフ。

設備投資

国内・海外投資
(1)西欧
<競争力強化計画ースペイン(2008年~2011年)>
-Lasarte工場をモーターバイク用タイヤ生産工場に特化。乗用車用タイヤの生産は中止。
-Votoria工場の乗用車用と建設機械用タイヤの生産量拡大。
-Aranda工場をMicheline Durable Technologiesタイヤに特化。
-Valladolid工場の乗用車用と農耕機械用タイヤの生産能力及びトラック用更生タイヤの設備を増強。

<フランス>
-Cholet工場を小型トラック用タイヤの生産工場に、またBourges工場を航空機用ラジアルタイヤの生産工場にそれぞれ特化。
-Toulの乗用車用タイヤ工場を2009年をめどに閉鎖。

(2)北米
<USAとカナダ>
-トラック用タイヤ Michelin X Oneの生産能力を倍増。
-2005年~2008年:Lexington工場の建設機械用タイヤの生産能力を50%増加。

<メキシコ>
-2007年に更生用タイヤの生産設備を立ち上げ。
-2番目の乗用車用と小型トラック用タイヤ生産工場の建設プロジェクト。

(3)南アメリカ
-トラック用タイヤ生産能力30%増強計画。
-ブラジルのCampo Grande工場(建設機械用タイヤ生産)の稼働(年間40,000トンの生産能力)。

(4)アジア

<中国>
-乗用車用と小型トラック用並びにトラック用タイヤの生産能力の倍増プロジェクト。

<日本>
-太田工場を日本国内メーカーのニーズに合わせた製品を生産する体制に強化。

(5)アフリカ
-Port-Harricourt工場(ナイジェリア)を2007年末までに閉鎖。