Faurecia 2009年12月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万ユーロ)
  2009年
12月期
2008年
12月期
増減率
(%)
要因
売上高 9,292.2 12,010.7 (22.6) 1)
営業利益 (91.7) 91.2 - -

要因
1)
-ルノー・日産グループへの売上高は、下半期34.8%の増加。第4四半期には62.9%と急増した。

-下半期のFord、Hyundai、トヨタ、BMWへの売上高は、それぞれ12.6%、4%、4.9%、0.3%の増加。これにより前期比それぞれ9.1%、10.8%、20.3%、18.2%の減少にとどまった。

-PSA Peugeot Citroenグループへの売上高は、第4四半期15.8%の増加。しかし、下半期全体では3.1%、通期では22.5%の減少となった。

-Volkswagenグループへの売上高は、第4四半期2.0%の増加。しかし、下半期は11.5%、通期では22.3%の減少となった。

-General Motorsグループへの売上高は、第4四半期6.1%の増加。しかし、下半期は5.3%、通期では23.8%の減少となった。

-下半期のDaimlerとChryslerへの売上高は、それぞれ36.9%、23.6%の減少。通期では、それぞれ50.2%、57.2%の減少となった。

シート部門
-シート部門の売上高は、前期比3,990.9百万ユーロと20.2%の減少。為替レート変動の影響を除くと20.4%の減少。

<欧州>
-欧州での売上高は、2,908.1百万ユーロと19.4%の減少。

<アジア>
-中国は、景気後退から抜け出し、市場の成長とともに244.3百万ユーロと21.6%の増加。

<北米>
-北米では上半期58.0%急落したが、下半期、政府による新車買い替え促進策により回復。この結果、売上高は下半期15.7%、通期で37.5%の減少となった。

<南米>
-南米の売上高は、下半期24.5%の増加、通期では4.2%の増加となった。


内装システム部門
-内装システム部門の売上高は、2,611.7百万ユーロ、21.0%の減少。為替レート変動の影響を除くと19.9%の減少。

<欧州>
-欧州での売上高は、1,621.3百万ユーロと21.5%の減少。第4四半期の売上高が11.1%上昇したことにより、下半期は2.6%の減少にとどまった。

<北米>
-北米の売上高は、294.6百万ユーロ、30.7%の減少。しかし、第4四半期は2.3%の減少、下半期でも13.0%の減少となった。

<アジア>
-アジアでは、中国が成長を続け80.8百万ユーロ、27.4%の増加。

<南米>
-南米の売上高は、109.2百万ユーロと4.2%の増加。下半期、恒常為替レートで13.7%上昇した。

排気システム部門
-排気システム部門の売上高は1,826.1百万ユーロ。恒常為替レートで32.7%減少、触媒コンバーターモノリス分を除くと20.9%の減少。

<欧州・北米>
-触媒コンバーターモノリスを除く売上高は、欧州で20.1%、北米で45.3%の減少。

<アジア>
-アジアでの売上高は、15.7%の増加。中国で33.8%増加したことが牽引した。韓国での売上高は、7.3%の減少だった。

<南米>
-南米での売上高は、15.7%の増加。

外装システム部門
-外装システム部門の売上高は、863.5百万ユーロと8.8%の減少。

受注

-2009年6月、Fordによる「Aligned Business Framework(ABF)」のメンバーとして選定された。ABFはFordの戦略的サプライヤーで構成するネットワーク。対象は内装システムおよび排 気システム部門。(2009年7月8日付プレスリリースより)

-インストパネル、センターコンソール、フロントドアパネルをFordに納入している。北米で販売される「Fiesta」2011年モデルに採用されたもの。これら部品の生産はメキシコPuebla工場で行う。(2009年12月2日付プレスリリースより)

国内事業

-2009年5月、フランス西部に位置するFlers近郊のCalignyに、「Global Seat Mechanisms Center」を開設。
>>>詳細は、設備投資へ

企業買収

-2009年11月、排気系部品大手の米EMCON Technologies LLC(ミシガン州トロイ)を買収することで合意したと発表。同社の排気系部門を分社しEMCONを統合することで、新会社Faurecia Emissions Control Technologies(FECT)を設立する。同社は約2千万株の新株発行でEMCON買収のための資金を調達。排気系部品事業と統合することで、新 会社FECTの売上高は52億ユーロに達する見通し。欧州を基盤とする同社は、米州での生産・販売ネットワークを強化するとともに、トラック・バスおよび オフロード系市場に本格参入する。(2009年11月13日付日刊自動車新聞より)

海外事業

-アジアを始めとしたグローバル事業戦略を明らかにした。現状では日韓自動車メーカーなどの合計で6%にとどまっているアジアの売上高構成比を早期に 10%に引き上げる方針。上級クラス向けを始め部品販売が順調で前年比 30%の伸びを確保している中国では排気システムを始めとした新しい合弁事業の実現に取り組んでいるとしており、こうした新規ニーズの吸収に向けた投資を 活発化して、目標達成を目指す。グローバル展開では、アジアを含む新興国に焦点を当てて需要開拓を進める。(2009年11月26日付日刊自動車新聞よ り)

-中国吉林省の長春市人民政府から、旭陽集団(Xuyang Group)の株式を一部取得することで合意。現在は、同政府が旭陽の過半数株式を保有している。旭陽は第一汽車(FAW Group)や一汽VW(FAW-VW)等のサプライヤー。同社との合弁により、長春佛吉亜旭陽汽車座椅有限公司(Changchun Faurecia Xuyang Automotive Seat Co. Ltd)を2001年に設立している。出資比率はFaurecia60%、旭陽40%。この合弁会社はシートフレームを生産しているが、取扱品目をシート 一式に拡大することも今回決定した。さらに、同社と旭陽は合弁出資により、2社を新規設立する。このうち一社は内装部品を、もう一社は防音システムモ ジュールおよびフロアカーペットを生産する計画。(2009年12月10日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2009年12月期 2008年12月期 2007年12月期

合計

493.2 613.0 613.1

研究開発体制

-3,500名のエンジニア・技術者が在籍。R&Dならびに設計開発センターは28ヶ所。

設備投資

セグメント別設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2009年12月期 2008年12月期 2007年12月期
内装モジュール 114.6 253.7 249.6
その他モジュール 45.9 63.1 45.5
その他 8.6 11.9 11.7
合計 169.1 328.7 306.8

国・地域別設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2009年12月期 2008年12月期 2007年12月期
フランス 68.7 102.9 113.8
ドイツ 18.0 15.7 15.3
その他欧州諸国 43.4 97.3 96.8
北米 23.2 32.0 26.4
南米 10.0 32.4 29.1
アジア 15.6 39.5 19.4
その他 11.2 10.4 6.0
合計 190.1 330.2 306.8

国内投資

-2009年5月、フランス西部に位置するFlers近郊のCalignyに、「Global Seat Mechanisms Center」を開設。50百万ユーロを投資して建設された新拠点は、工場、R&Dセンター、トレーニングセンターから構成される。工場ではシー トリクライナー、シートトラックを生産。将来的に、Flersの3工場での生産を同拠点に集約する計画。(2009年5月28日付プレスリリースより)