Grupo Antolin-Irausa, S.A. 2016年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)

2016年
12月期

2015年
12月期

増減率(%) 要因
売上高 5,247.3 3,506.2 49.7 1)
EBITDA 520.7 388.2 34.1 2)
事業別売上
オーバーヘッド・ソフトトリム 2,085.9 1,698.3 22.8 3)
ドアー・ハードトリム 1,461.5 1,006.2 45.2 4)
コクピット・コンソール 1,095.7 324.2 238.0 5)
ライテング 272.4 204.8 33.0 6)
シート・メタル 331.9 272.7 21.7 7)



要因
1) 売上高
-2016年12月期の売上高は、前年比49.7%増の5,247.3百万ユーロ。売上増の主な理由は、前年度の4カ月間に対比して年間通じたMagnaの内装事業の買収効果によるもの。同事業買収効果を除いても売上は7.4%伸びた。為替差損により一部相殺されたが、欧州やアジア太平洋で大幅に売上を伸ばした。

2) EBITDA
-2016年12月期のEBITDAは前年比34.1%増の520.7百万ユーロ。収入増の大半はMagnaの内装事業買収の影響によるもので131.8百万ユーロ寄与した。

3) オーバーヘッド・ソフトトリム(Overheads & Soft Trim)
-2016年12月期の同事業の売上高は前年比22.8%増加の2,085.9百万ユーロ。NAFTAや欧州でのFord, Jaguar Land Roverからの受注が寄与した。

4) ドア・ハードトリム (Doors & Hard Trim)
-2016年12月期の同事業の売上高は前年比45.2%増の1,461.5百万ユーロ。GM、FCA、Tata Motors、Daimlerなどの客先への売上増が貢献。

5) コックピット・コンソール (Cockpiits & Consoles)
-2016年12月期の同事業の売上高は771.5百万ユーロ増加し、1,095.7百万ユーロ。Magnaの内装事業買収による売上増を年間を通して計上できたこと、及び欧州、アジア太平洋地域での伸張が要因。

6) ライティング (Lighting)
-2016年12月期の同事業の売上高は、前年比33.0%増加の272.4百万ユーロ。売上増は西欧地域での伸張と中国での新しいプロジェクト立ち上げによるもの。

7) シート・メタル (Seat & Metal)
-2016年12月期の同事業の売上高は前年比21.7%増加の331.9百万ユーロ。西欧での需要増に答えた生産増が事業部の売上実績に貢献。

企業買収

-2016年1月に、ポーランドの樹脂射出成型合弁会社のSilesia Plastic社の全株式を取得に合意。

受注

-FCA Dodge Ram用ドアパネルとモジュラーヘッドライナーを受注。これは売上面で、同社の歴史上最も大口の受注であり、年間生産台数は40万台を超える見込み。このプロジェクトに対応するため、米国にかなり大きな投資を行うことを計画している。(2016年9月12日付プレスリリースより)

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
2016年12月期 2015年12月期 2014年12月期
プロジェクトに投じた費用 113.0 69.9 69.4
売上に占める割合 (%) 2.2 2.0 3.1



研究開発施設

-2016年12月末現在、29の技術事業所を保有。

-Andhra Pradesh州政府は、同社の代表がN. Chandrababu Naidu州首相と同州での投資計画について会合を行ったと発表。同社は州内で候補地を探し、Amaravatiに新たな拠点を設立することを決定した。GannavaramにあるMedha Towersにエンジニアリングデザイン拠点を設置する予定。当初は従業員120名で立ち上げ、将来的に400名に増員する計画。同社は現在、AudiとMercedes Benzに内装部品を供給している。(2016年11月24日付Andhra Pradesh州政府発表より)

研究開発体制

-2016年12月末現在、1,244名が研究開発に従事、その内362名がスペインにいる。研究開発に携わる従業員数は全社従業員の約4.9%に当たる。

研究開発活動

-研究開発活動は下記3つの主要分野に焦点を合わせている。 

  • 材料と工程:CO2排出量を減らす重量軽減、環境保全材料の使用とコスト低減。
  • 強力な適応性:異なった機能を生み出す工程や市場需要に見合う適応性。
  • スマートインテリア:エンドユーザーの体験を高める顧客(OEM)のブランド戦略をサポートする。

-2016年に、第3のスペースとして将来の車の内装のイメージを変える”New Interior"”と呼ばれる新しいプロジェクトを開始した。新しい内装は内装の新しいカスタムソリューション、デバイス、接続システムなどの発見や開発に焦点を置いており、OEM数社と共同で行っている。 

特許

-2016年12月末現在、2,326件の特許を取得。

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
2016年12月期 2015年12月期 2014年12月期
全社 285.2 170.9 143.5


-2016年12月期の主な投資は、メキシコTlaxcala工場の完成、フランス、オーストリア、チェコ、メキシコ、米国工場の拡張など。

-2016年12月期の無形資産の投資は、主にPSA、BMW、VW、Mercedes-Benz、GMなどの新プロジェクトの開発費用。


<インド>
-インドのSanandに新工場を開設したと発表。同工場では、オーバーヘッドシステム、サンバイザー、プラスチック部品など自動車用内装部品を生産し、FordやTata Motorsに納入する。従業員数は130名超となる見込み。(2016年5月26日付プレスリリースより)

<中国>
-中国湖北省の武漢 (Wuhan) に新工場を開設したと発表。Renault、PSA、日産、Infiniti、ホンダなどの顧客向けにヘッドライナーやドアパネルを生産する。同工場は東風偉世通汽車飾件系統 [Dongfeng Visteon Automotive Trim Systems]との合弁会社で、両社はこのプロジェクトに11百万ユーロ超を投じた。新工場の従業員数は、現在の100名から2016年末までに約125名となる見込み。(2016年4月12日付プレスリリースより)

<メキシコ>
-メキシコTlaxcalaに新工場を開設したと発表。同社にとってメキシコで8番目となる新工場では、Audi 「Q5」向けにヘッドライナー、ドア、ピラー、シートバックを生産する。さらに、VolkswagenのPuebla工場に向けても製品を納入する計画。Grupo Antolinは同工場の開設により、戦略的目標の一つである北米でのドア生産立ち上げを実現することになる。同工場への投資額は約35百万ユーロ (37.6百万ドル) で従業員数は約300名。4,000種類ものドアの生産が可能になるほか、年間17万台分の生産に対応するという。(2016年2月29日付プレスリリースより)

-2017年12月期では以下の工場への投資が予定されている。

  • オーバーヘッド:米国South Carolina州 Spartanburg; メキシコ Silao; ハンガリーKecskemet; 米国Alabama州 Cottondale
  • ドア:米国ミシガン州 Sterling Heights; ドイツ Massen; メキシコ Saltillo
  • ライティング:フランス Besancon; 中国 Guangzhou; ドイツ Bamberg
  • コックピット:中国 Tianjin; ドイツ Straubing