Grupo Antolin-Irausa, S.A. 2011年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2011年
12月期
2010年
12月期
増減率
(%)
要因
売上高 1,876.03 1,637.32 14.6 1)
EBITDA 209.69 183.88 14.0 -

要因

1)
地域別
-2011年は、米国と中国が大きく伸張した。米国では新規受注などの旺盛な需要が要因。中国では、経営の改善などによる同地域におけるプレゼンスの向上が寄与。
-同社は、自動車市場のさらなる成長が期待される中国、ロシア、インドなどの新興国での事業を強化する方針。

事業別
-2011年は、ドア機能部品部門とシート機能部品部門が躍進。
-ドア機能部品部門は、中国と米国市場の売上が伸張したことが寄与。
-シート機能部品部門は、スペインで生産されているDaimler車向けの需要が増加したこと、およびフランスのJarny工場における通年の大量生産が売上高増加に寄与。

企業買収

-2011年、同社は自動車用のライトシステムメーカーCML Innovative Technologiesを買収することで合意したと発表。CMLの全株式を取得する。CMLはフランスBesanconを本拠とし、チェコ・フランス・ドイツ・ルーマニア・英国・中国に研究開発2拠点、生産7拠点を保有。従業員約1,000名を抱え、2011年の売上額は110百万ユーロ超を見込む。インテリアライトコンソール、アンビエントライト、日中走行用ライト、LED製品などの開発・生産を行っている。なお、買収完了後、CMLはGrupo Antolinの新事業部門として統合される予定。(2011年10月14日付プレスリリースより)

事業提携

-2011年、河西工業と同社は、世界10拠点で相互補完関係を結ぶ。主要取引先の日産自動車が新興国での生産を拡大するため、海外の部品メーカーと協力し供給体制を整備する。中国、インド、ロシア、南米、アフリカの同社の生産拠点を活用し製品を供給する。 (2011年5月26日付日刊自動車新聞より)

受注

-2011年の主な受注は以下の通り。
  • Renault 「Twizy」:Burgos拠点(スペイン)がシートを供給。Porrino拠点(スペイン)が車体構造部品、フロントおよびリアバンパー、ドアセミモジュールを供給。
  • Renault 「Zoe」:フランス拠点がヘッドライナーを供給。ポルトガル拠点がウィンドウレギュレーターおよび電子部品を供給。
  • Renault 「Fluence Z.E.」:トルコ拠点がヘッドライナー、ピラー、サンバイザーを供給。
  • Chevrolet 「Volt (米国)」、Opel 「Ampera (欧州)」:ミシガン拠点がアンダーボディーシールドを供給。

受賞

会社 子会社/生産拠点
2011 Excellent Quality in Segment C Chrysler Grupo Antolin-Illinois
2010 Annual Excellent Quality Supplier Changan Ford Mazda Automobile Grupo Antolin office in Shanghai
2010 "Enhanced Supply Quality" awards Toyota Kirloskar Motors Ltd. (TKML) Chennai and Ranjangaon plants(India)
2010 2010 WORLD EXCELLENCE AWARD FROM FORD Ford International Door Systems (Mexico) and Grupo Antolin-Dapsa (Spain)
2010 MAHINDRA AWARD FOR BEST SUPPLIER MAHINDRA Grupo Antolin
2010 "Supplier-A" award ("A-Lieferant") Volkswagen Grupo Antolin-Logistik Deutschland (GALD JIT plant (Just In Time) in WOLFSBURG-Germany)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
プロジェクトに投じられた開発費 46.86 45.66 47.43

 

R&D拠点

-2011年、本社(Burgos)のカーボンナノファイバー工場を増築し、グラフェンの特性評価(解析・測定)に関する研究室および試作工場を設立。同素材の試作ラインは2011年後半に稼動し、2012年にはさらに3ラインを新設する予定。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
全社 117.17 85.25 93.27

海外投資

<中国>
-中国の華翔集団(HuaXiang Group)との間で了解覚書(MOU)を締結したと発表。中国の江蘇省儀徴(Yizheng)市および吉林省長春(Changchun)市にそれぞれプラスチック射出工場を建設する。儀徴工場ではピラー、ドアトリムパネルを生産し、上海VW(Shanghai-VW)・上海汽車(SAIC)などに納入する計画。まず、150百万元(約17.6百万ユーロ)を投資し、2013年の年間売上額400百万元(約47百万ユーロ)超を目指す。一方の長春工場では80百万元(約9.4百万ユーロ)を投じて、センターコンソール、ドアトリムパネル、ピラーを生産する予定。2014年に年間売上額約400百万元(約47百万ユーロ)を見込んでいる。納入先は一汽VW(FAW-VW)・第一汽車(FAW)などが対象となる。(2011年4月12日付プレスリリースより)

-中国の四川省成都(Chengdu)市に新工場Chengdu Antolin Huaxiang Auto Interior Trim Co., Ltd.を開設したと発表。主に、Volkswagenと第一汽車(FAW)の合弁会社向けにヘッドライナーを供給する。(2011年1月17日付プレスリリースより)

<ロシア>
-2011年3月に、同社にとってロシア初となる工場をSt. Petersburgに開設した。同年10月より、現代自動車向けにドアパネルの生産を開始する。また、現代・Skoda・Ford向けにヘッドライナーを、Renaultには2012年よりウィンドウレギュレーターを納入する計画。(2011年3月30日付プレスリリースより)

<南アフリカ>
-2011年2月、同社は南アフリカの技術・製造拠点をPort ElizabethからUitenhageに移管することを決定。Uitenhage拠点はヘッドライナー生産のために設備拡張を要し、Port Elizabeth拠点から引き続きGMおよびVolkswagen向けの生産を実施。

<チェコ>
-2011年、同社は既存工場を補完するため、Ostravaに第2工場を設立。第1工場は、現代・起亜向け、第2工場はVolkswagen・GM等の欧州顧客向けに製造。

-Liberecに10,000平方メートル規模の製造スペースを擁する工場を開設。BMW、Mercedes、SkodaおよびVolvo向けに製造。