Magneti Marelli Holding S.p.A. 2011年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2011年
12月期
2010年
12月期
増減率(%) 要因
全社
売上高 5,860 5,402 8.5 -
営業利益 27 73 (63.0) -
部門別売上
照明 1,808 1,586 14.0 1)
エンジンコントロール 957 967 (1.0) 2)
サスペンションシステム 588 583 0.9 3)
ショックアブソーバー 408 394 3.6 4)
電子システム 722 623 15.9 5)
エキゾーストシステム 696 614 13.4 6)
プラスチック部品及びモジュール 525 499 5.2 7)

要因
1)
照明部門
-2011年の売上高は前年比14%増の1,808百万ユーロ。ドイツ市場の需要の回復が主要因。加えてNAFTA、ブラジル、ロシアで売上高が増加。

2)
エンジンコントロール部門
-2011年の売上高は前年比横ばいの957百万ユーロ。欧州市場でVWグループ向けのガソリン直噴インジェクションの売上ボリュームが増加したが、ブラジルおよび米国市場の売上高減少分で相殺。

3)
サスペンションシステム部門
-2011年の売上高は前年比横ばいの588百万ユーロ。欧州の小型商用車市場が大幅に成長、ブラジル市場もプラス成長となったが、Alfa Romeoを除くFiatグループのイタリア生産ボリューム、FiatおよびFordのポーランド生産ボリュームが減少し相殺された。

4)
ショックアブソーバー部門
-2011年の売上高は前年比3%増の408百万ユーロ。ブラジルおよび米国市場の拡大が牽引。

5)
電子システム事業部

-2011年の売上高は前年比16%増の722百万ユーロ。中国(インスツルメントクラスター)および欧州(テレマティクス、コンピューターボディ)で好調。さらにFiat/Chrysler(HFMモジュール)およびPSA(ATB、eCall、新型RT6ラジオ・ナビ)から新規受注を獲得した。

6)
エキゾーストシステム部門
-2011年の売上高は前年比13%増の696百万ユーロ。イタリアおよびスペイン市場で小型商用車市場が好調。同様に南米市場、ポーランド市場の上期も好調であった。

7)
プラスチック部品及びモジュール部門
-プラスチック部品及びモジュール部門の2011年の売上高は前年比横ばいの525百万ドルとなった。ポーランドとイタリアの乗用車市場の縮小は、小型商用車市場の拡大により相殺。

受注

照明部門
-Mercedes Benz、BMWからヘッドライトの新規受注を獲得。Hyundai/Kiaからはヘッドライトおよびテールライト、Dodgeからはリアライトユニットを受注。

エンジンコントロール部門
-Chrysler向けにデュアルクラッチトランスミッションを新規受注。PSAグループにはメカトロニックトランスミッション、VWの中国市場向けにドライブバイワイヤ式スロットルを受注した。

サスペンションシステム部門
-Chryslerによるメキシコ生産のFiat 「Ducato」のサスペンションシステムを新規受注。Fiatのセルビア工場、ドイツのOpel、BMW、Peugeotのブラジルから受注を獲得。

ショックアブソーバー部門
-2011年、Fiat、GM、Renault向けにブラジルでショックアブソーバーの生産を開始。

電子システム事業部
-BMW用に新型インフォテインメントシステムを開発した他:
・車体系電子機器:スペインのBMW用にECU-LED、Audi用PCB制御ユニット、Philipsおよびその他のOEM用にFine X、Fiatのスロバキア工場向けにL7ボディ、Compact United States Wideアーキテクチャが中国のFiat/GACに採用。
・インスツルメントクラスター:中国でFiatおよびHaima、メキシコで生産されるEV「Fiat 500 electric」、その他にフランスおよびイタリアのOEMから受注を獲得。
・インフォテインメントおよびテレマティクス:イタリア市場でEcotaxテレマティクユニット、中国市場でPSAからはeCallを受注。

エキゾーストシステム部門
-ブラジルでHyundaiより小型商用車部品の受注を獲得。Euro6対応エンジンのフロントチューブの開発を進めている。

プラスチック部品及びモジュール部門
-セルビアで生産されるFiatの新型乗用車にバンパーおよびインテリアが採用された。

事業提携

-同社と米国Wind River Systemsは、GENIVI規格に準拠した車載インフォテインメント(In-Vehicle Infotainment : IVI)システムの開発に関して、技術提携すると発表した。GENIVIはオープンソースのIVIシステム開発・導入を推進する非営利団体。両社のIVI システムが初めて車両に搭載されるのは、BMWグループの次期エントリークラスおよび中級クラスとなる予定。なお、Wind River SystemsはIntelの完全子会社で、組込およびモバイルソフトウェアのサプライヤー。(2011年1月26日付プレスリリースより)

受賞

-同社のAutomotive Lighting部門は、Daimlerより「Special Award Innovation」を受賞した。アダプティブライト機能付のオールLEDヘッドランプ開発が評価されたもの。同社は、このヘッドランプを 「Mecedes-Benz CLS」へ納入している。(2011年5月16日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
全社 309 292 245

製品開発

照明部門
-回路を統合した12VクセノンバルブをPhilipsと共同開発。その他、バイハロゲン・プロジェクションモジュール等を開発した。
 
サスペンションシステム部門
-将来的にCO2削減に寄与できる高抵抗メタル(鉄鋼)および合金(カーボンスチール)の開発を推進。

ショックアブソーバー部門
-回生ショックアブソーバー、新材料による軽量化技術等の開発を推進。

電子システム部門
-2011年12月、車載用インフォテインメント(IVI)向けの、初のオープンソースプラットフォームを発表した。GENIVI Allianceの規格に準拠したソフトウェアを装備したもの。GENIVI Allianceは、IVIシステム用のオープンソースプラットフォーム導入を推進する非営利団体。同社が今回開発したプラットフォームは、家電製品への接続、インターネットコンテンツの表示、ワイヤレス接続(WiFi、3G、Bluetooth)、オーディオ/ビデオ再生、アプリのインストールおよびアップデートなどの機能が可能になる。2013年に量産を開始する予定。(2011年12月22日付プレスリリースより)

エキゾーストシステム部門
-CO2排出ガス低減技術(軽量システムおよび熱回収ソリューション)の開発、ノイズ(アクティブノイズ制御システム)の開発を推進。さらにNOxガス低減に向けてSCRの開発を継続している。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
全社 487 383 356