Magneti Marelli Holding S.p.A. 2010年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2010年
12月期
2009年
12月期
増減率(%) 要因
全社
売上高 5,402 4,528 19.3 -
営業利益 73 (40) - -
部門別売上
照明 1,586 1,228 29.2 1)
エンジンコントロール 967 850 13.8 2)
サスペンションシステム 583 525 11.0 3)
ショックアブソーバー 394 281 40.2 4)
電子システム 623 501 24.4 5)
エキゾーストシステム 614 543 13.1 6)
プラスチック部品及びモジュール 499 469 6.4 7)

要因
1)
照明部門
-2010年の売上高は前年比30%増の15億8600万ユーロ。 主要な理由は自動車生産量の増加によるもの。欧州における中型および大型のトラック市場の影響が大きいとしている。特にドイツおよびチェコのインパクトが大きかった。その他、売上高ではアジア地域およびNAFTA地域が好調に推移したという。

2)
エンジンコントロール部門
-2010年の売上高は前年比14%増の9億6700万ユーロ。ブラジル、中国、インドおよび米国市場が成長。

3)
サスペンションシステム部門
-2010年の売上高は前年比11%増の5億8300万ユーロ。イタリアにおいては、FiatとPSA-Citroenのよる合弁会社Sevelの小型商用車が好調。ポーランドではA/Bセグメント車向けの売上は減少したものの、Fiat 500が引き続き好調であった。ブラジルはFIASAの需要に牽引され引き続きプラス成長を継続。

4)
ショックアブソーバー部門
-2010年の売上高は前年比40%増の3億9400万ユーロ。大幅な成長はブラジルおよび米国市場が好調だったことによるもの。

5)
電子システム事業部

-2010年の売上高は、前年比24%増の6億2300万ユーロ。ブラジルおよび中国市場が牽引し、スロバキアにおいて新製品を立ち上げた。インスツルメントパネル(前年比16%増)が社外顧客向けで急増した。テレマティックの売上も増加(同31%増)、FiatおよびSAIC向けが好調でPSAの新製品e-callの立ち上げも好影響。自動車用インテリア製品の売上高も好調に推移している。

6)
エキゾーストシステム部門
-2010年の売上高は前年比13%増の6億1400万ユーロ。スペインおよびブラジルの小型商用車が好調なことによるもの。イタリアでは乗用車向けの需要が減少し、売上も減少。

7)
プラスチック部品及びモジュール部門
-2010年の売上高は前年比で6%増の499百万ユーロ。


受注

照明部門
-Alfa Romeo Giulietta用のヘッドライトおよびテールライトなど、多くの新製品を発表。LEDを採用したAudiおよびMercedes用の新プラットフォームも発表した。Peugeot、Mercedes、Volkswagen-Audi、新型Fiat Panda、BMW、Renault、Citroën、Chryslerなどから受注。

エンジンコントロール部門
-Chryslerからインテークマニホールド、スロットルボディなどを受注。PSAからはGDIポンプとスロットルボディを受注。

サスペンションシステム部門
-新型Fiat Panda用のサスペンションセットを、Lancia Ypsilonのフロントサスペンションを受注。

電子システム事業部
-Chrysler C-evoプラットフォーム用のインスツルメントパネルおよびインテリアコントロールユニット、RenaultのEV用デジタルインスツルメントパネル、PSA用ラジオナビシステム、BMW用のインフォテレマティックを受注。

エキゾーストシステム部門
-Mercedes小型商用車用のEuro5対応エンジン向けエキゾーストシステム、Chryslerからの初受注など。
 

企業買収

-International Steel Solutions, LLCのテネシー州Pulaski工場を買収すると、子会社のMagneti Marelli Suspensions USA, LLCを通じて発表。この施設を活用し、ショックアブソーバーやそれに関連するサスペンション部品の生産を継続していく方針。Pulaski工場現従業員の大部分を雇用することにしており、今後2年間でさらに増員して製品のラインナップを拡充していく。(2010年1月18日プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2010年12月期 2009年12月期 2008年12月期
全社 292 245 268


製品開発

照明部門
-高効率のキセノンライトFINE-X (Future Integrated New Efficient Xenon)により省エネ化。LEDヘッドライトによるデザインの柔軟性や経済性を推進。

エンジンコントロール部門
-新世代コントロールユニット、ハイブリッドエンジン、直噴燃料ポンプなどの開発に注力。米国向けFiat 500のエンジンコントロールユニットの開発を完了。VolkswagenおよびBMWモトラッド用GDIシステム用のスロットルボディなども開発。新製品では、スロバキアのPeugeotおよびCitroën用のスロットルボディ、中国用ハイドロコンポーネントを開発。

ショックアブソーバー部門
-慣性バルブ(ショックアブソーバー用新バルブ)などの開発を進める。

電子システム部門
-Fiat500の北米版のインスツルメントパネルを開発。新型パンダおよびVWのミニバン用製品も開発を進めている。また、PSA用で初の大量生産用パネルの開発を完了した。インテリアでは、FiatグループのLancia Ypsilon、Ducato、Iveco Daily用の開発を完了。ブラジル市場用の新型Palio用インテリアコントロールユニットを開発した。テレマティックでは、BMWのナビやChrysler用ハンドフリーモジュールを開発。

エキゾーストシステム部門
-CO2排気ガス削減、ディーゼルエンジンの規制対応などの開発を進める。また、レーシングサウンド(エキゾーストノート)の開発も行っているという。

プラスチック部品及びモジュール部門
-バイオ燃料に対応し、ハイドロカーボンの規制などに対応した新しいポリエチレン燃料タンクの開発。Lancia Ypsilonおよび新型Pandaに採用される。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2010年12月期 2009年12月期 2008年12月期
全社 383 356 474

海外投資

-同社は、ロシアで新工場の開所式を行った。ヘッドランプ、リアランプ、フォグライトの生産拠点となる。総面積5、600平方メートルの同工場 は、モスクワの南東200キロにあるリャザン(Ryazan)に位置。本格稼動時には、従業員200人を雇用し年間約2百万個の生産が可能になる。現地 メーカー(Autovaz, Gaz, Sollers)および海外自動車メーカー(Renault, Volkswagen, Ford など)、双方に納入予定。同社は1995年に別の自動車ランプ工場をリャザンに開設している。(2010年11月12日付プレスリリースより)

-中国の上海上汽馬瑞利動力総成有限公司(SAIC Magneti Marelli Powertrain Co., Ltd. : SMMP)は、上海市に油圧部品の新工場を開設した。この部品は、Magneti Marelliの自動制御式マニュアルトランスミッション(AMT)「Freechoice(TM)」向け。AMTのECUに使用され、年間約30万個分 を生産する。同社は将来的に、敷地内にR&Dセンターを設置する計画という。なお、SMMPはMagneti Marelliと上海汽車変速器有限公司(Shanghai Automotive Transmission Co., Ltd.)の合弁会社。(2010年6月9日付プレスリリースより)